若者に人気の有線イヤフォン ファッション性だけでなく“実用面”でも優れている理由(2/3 ページ)

» 2025年05月09日 13時20分 公開
[佐藤颯ITmedia]

ノイズキャンセリングや高音質化でもUSB Type-Cイヤフォンが有利

 多くのUSB Type-C端子のイヤフォンは端子部にDAC(D/Aコンバーター)を搭載している。高コスト要因の1つだったが、このチップがなければiPhoneやPixelではUSB端子から音声出力ができないため、必須の機能となる。廉価なものはダイソーにて500円程度で販売されており、現在ではコスト圧縮も進んでいる。

 この仕様のおかげか、スマートフォンに限らずPCのUSBヘッドセットとしても利用できる。変換アダプターなしでそのままUSB端子に挿して使える点はうれしい。

イヤフォン ダイソーのUSB Type-Cイヤフォンは廉価なことから注目度も高い

 USB端子から直接電源を取れることを生かして、ノイズキャンセリングに対応する機種も存在する。従来の電源は乾電池式が主流で、イヤフォンには電池を収めるコントロールボックスが備えられていた。これには週に1回程度の電池交換が必要な点と物理的に重いという難点があった。

 このような悩みもUSB端子から電源供給ができれば一挙に解消でき、電池残量を気にすることなく使えるようになった。また、本体からコントロールボックスも廃されたことで、軽量化や取り回しの向上も図れた。USB Type-Cになったことによる有線イヤフォンの進化がみられる好事例だ。

イヤフォン オーディオテクニカは「有線のノイズキャンセリングイヤフォン」を販売している。同機能を備えるワイヤレスイイヤフォンよりも安価な設定で提供し、人気商品となっている

 USB Type-Cイヤフォンは利便性だけでなく、音質強化にも新しい流れをもたらした。一部メーカーの機種には専用のアプリからイヤフォンのチューニングを変更できるものも登場した。

 これはDACチップ(アンプ含む)とイヤフォン本体で音の要素が完結する1つのオーディオシステムと評価できる構成になったことで、メーカー側もより多くの環境で意図した音を出せるようになった。この考えは完全ワイヤレスイヤフォンにも通ずるところがある。

イヤフォン
イヤフォン 水月雨の竹-CHU 2 DSPは5000円前後の機種だが、アプリからサウンドチューニングができる。ケーブルの交換もできるが、付属ケーブルはUSB端子の仕様

 同じ方向性で従来の有線イヤフォンをスマートフォンでも高音質で楽しみたいという声には、バスパワー動作のUSB DACが応えてくれる。仕組みはイヤフォンの変換アダプターと同じだが、こちらは主に音質向上を目的とした商品で、細長いものが多いことから一般にスティック型DACともいわれる。廉価なものでは数千円単位から、上位では「iBasso DC Elite」といった7万円クラスの商品も存在する。

 スマートフォンにコンパクトなアダプターを装着することで、あっという間に高音質な音楽プレイヤーへと変化する。従来のポータブルヘッドフォンアンプと比較しても軽量コンパクト、充電が不要という点で以前よりも注目されている。

イヤフォン バスパワーDACは手軽に音質向上ができるアイテム。写真はTANCHIJM LUNA

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2025年12月07日 更新
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