ドコモは新料金プランで反転攻勢へ、通信品質1位の目標を「なかったことにするつもりはない」 決算会見で語られたこと(3/3 ページ)

» 2025年05月10日 10時29分 公開
[房野麻子ITmedia]
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新料金プランは選択肢が少ない? ahamoも値上げ?

―― ドコモMAXは、DAZNユーザーからの評価がある一方で、DAZNは見ないから不要いう声も当然ある。もっとシンプルで使い放題のプランは検討しないのか。

前田氏 バリュー軸でお客さまに対してサービスを提供する方向に、マーケティングとして転換させていきたいという戦略的意図がある。事業環境が、あらゆるコストが増えていることは事実なので、お客さまに高いレベルの対価を払っていただけるようなサービスを提供していく方向に、何とか持っていきたい。その意味で、やはり通信だけではなく、その上に載ってくる価値でどう差別化していくか。その価値をニーズとしてお持ちのお客さまに、どうアプローチしていくか。こういった部分を強化していくことで、差別化されたドコモのサービスをお楽しみいただけると思っている。

 ただ、できる限り広いお客さまに受け入れられれば、それに越したことはない。ドコモMAXは、確かにDAZNが際立っていると思う。分かりにくいという評価もいただいている。さまざまなサービスをご利用いただくことで割引を適用しているが、われわれがさまざまな事業を行っていく中で、セットでサービスを提供する。バラバラでお使いいただくよりもお客さまにお得やメリットがある状況を作っていくために、こういう形を採用している。

 eximoでは、お客さまの半分はフルで割引が適用されていて、90%は何らかの割引が適用されている。今回ドコモMAXにセットさせていただいている価格自体は、決して高いものではないのではないと考えている。この路線で、これから頑張ってやっていきたい。

―― 他社がサブブランドも値上げしている。ドコモのahamoはどうするのか。

前田氏 既存プランに関してはいろいろ考えたい。ある前提をもってお客さまに加入いただいているので、それをどうこうすることは、相当考えなくてはいけない。全体の状況を見ながら判断していかないといけない話なので、じっくり検討していきたい。われわれには、3Gも含めてかなり古くからの料金プランある。こういった古いプランを整理していかないと、それこそコストばかり高くつく。整理は進めていきたいと思っている。

―― 既存プランは上げる方向なのか。

前田氏 上げるということではない。どちらかというと、古いプランをなくしていって新しいプランに移り変わっていただくという感覚。

―― 低料金プランが結構な値上げになっている。今、顧客を獲得している中で、マイナス影響にならないか。

前田氏 irumoの0.5GBプランに関しては、顧客獲得の上で一定の影響が、短期にはあるかもしれないとは思っている。ただ、特に新規、ポートインで0.5GBに入っていただいているお客さまの半数が、1年以内に次に移られる状態。こういった獲得に対してコストをかけること自体に、あまり意味がなくなってきている。つまり、取れもしないけど減りもしないということになるので、あまり影響を大きく及ぼすことはないだろうなと思っている。全体としてギガ数を増やし、割引の施策も含め、リーズナブルな料金体系を設定させていただいているので、十分競争力があると考えている。

NTTのロゴを導入するのはなぜ?

―― NTTのロゴ(ダイナミックループ)を導入する狙いは何か。NTTコミュニケーションズやNTTコムウェアで、ドコモの力が強まる懸念はないか。

前田氏 NTTの島田社長も話していたが、ダイナミックループはわれわれがNTTグループの一員として、さらに大きくシナジーを拡大していくということだと思っている。NTTグループの中には、さまざまなアセット、ケイパビリティがある。これをお客さまに対して新しい価値として提供していくことや、競争力強化に使わない手はない。今回、NTTデータもNTTグループの中に完全子会社化ということで組み込まれた。もちろん、われわれは日頃からいろんな連携をしている。こういったことを強めていく。その中でわれわれがグループをリードしていくということで、赤いダイナミックループを付けることにしたということ。

 ドコモとコミュニケーションズ、コムウェアがグループになって4年になろうとしているが、まさに全体を融合させて競争力を作るために行ったこと。さまざまな連携を取ってきており、いろんなフォーメーションも試してきている。より一層、一体感を強めていくことが、競争力の強化につながっていく。昨年度(2024年度)、グループビジョン、グループ行動原則も制定したが、まさにそういう思いからやらせていただいた。

 今回、さまざまなブランドの見直しが行われるタイミングが、われわれとしては一番いいタイミングだということで、ドコモグループ全体で相談して、話をした結果として今回の改変に踏み切った。力が強いとか、そういう話ではなくて、フラットに連携し合いながら一緒に進んでいきたいと思っている。

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