NTTドコモの「ahamo」は値上げするのか? 5月9日、決算会見でこのような質問を投げかけられた前田義晃社長は、KDDIによる「UQ mobile」の値上げを踏まえ、「こちらとしてもいろいろと考える必要があると感じている」と述べた。
一方、「一定の前提をもってお客さまにご加入いただいている以上、その内容を変更するには慎重に検討する必要があるし、(お客さまとの)丁寧なコミュニケーションも欠かせないと考えている」と値上げに慎重な姿勢を示した。
ahamoは5月9日現在、月額料金が2970円で、月間データ容量が30GBとなっている。2024年10月からは、月間20GBから30GBに増量しつつ、月額料金を改定せずに提供している。業界的には「第2のahamoショック」といえるほどインパクトの大きいニュースだった。
2025年5月7日には、KDDIがUQ mobile向けの新料金プランとして、「コミコミプランバリュー」と「トクトクプラン2」を発表した。auとは別ブランドで展開するUQ mobileだが、条件付きの割引を受けられるものの、割引適用前の金額は既存の料金プランより高くなった。
コミコミプランバリューは月額3828円(税込み、以下同)で35GBのデータ通信や1回10分以内の国内通話が利用できるのが特徴。既存の「コミコミプラン+」と比較すると、月額料金は3278円から550円の値上げになったが、月間データ容量を30→35GBに増量し、月額548円の「Pontaパス」など他のサービスを付加した。
トクトクプラン2は月額4048円で30GBまで利用でき、月間のデータ利用量が5GB以下の月は1100円引きとなる。固定インターネットやでんきのサービスとのセット割引もある。既存のトクトクプランからは上限を15GBから30GBに、下限を1GBから5GBに増量。月額料金(割引前のデータ上限)は583円の値上げとなる。
ドコモの前田氏は、UQ mobileの動きを踏まえ、「全体の状況を見ながら判断すべきことであり、改めてじっくりと検討を進めていきたいと思っている」との考えを述べた。
また、前田氏は「古くからの料金プランが多く存在していることは事実」とし、3G全盛時代の旧料金プランの存在に触れた。
その上で、このような旧料金プランを「放置すればコストばかりがかかり、そのコストをお客さまへのサービス提供に十分に還元できなくなってしまう」ことから、「こうした部分の整理はぜひ進めていきたい」と付け加えた。
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