ソフトバンクと楽天モバイルが“値上げ”に踏み切らない理由 チャンス到来のMVNOはどう仕掛ける?石野純也のMobile Eye(2/3 ページ)

» 2025年05月24日 09時34分 公開
[石野純也ITmedia]

楽天モバイルも値上げ予定はなし、ユーザー獲得を重視か

 もともとY!mobileは、突出した安さを追求していたわけでもない。サブブランドの主戦場ともいえる中容量帯では、「シンプル2 M」のデータ容量が6月から正式に30GBになる一方で、料金は割引なしだと4015円(税込み、以下同)かかる。この金額は割引がなく、音声通話が無料になるドコモのahamoやUQ mobileのコミコミプランバリューよりも高い。ソフトバンク光かSoftBank AirとPayPayカードがあれば2178円まで下がるが、音声通話に1回10分まで通話が無料になる「だれとでも定額+」をつけると、ahamoとほぼ横並びの3058円になる。

 ahamoやコミコミプランバリューと同じく準音声通話定額が付く「シンプル2 L」は、データ容量が35GBで割引前が5115円、割引後が3278円。データ容量こそ多いが、割引後もahamoより高くなっている。いずれの料金プランも料金を抑えるには固定回線やホームルーターが必須。単体で契約しても安いahamoやコミコミプランバリューより、単身のユーザーを取り込みにくい。これらの料金を値上げして競争力が保てるかというと、そこには疑問符も付く。

Y!mobile Y!mobileは、正式な容量改定を6月1日に控えている。現状でもahamoやUQ mobileより高くなるケースがあるため、値上げして競争力が維持できるかは未知数だ

 同様に、楽天モバイルも代表取締役会長の三木谷氏浩史氏が、決算説明会の質問に答える形で「現段階で、大きな値上げは考えていない」と発言。現状の「Rakuten最強プラン」を維持していく方針を示した。楽天モバイルの料金は、20GB超で3278円、家族契約があれば3168円になり、他社と比べると安さが際立っている。サブブランド並みの料金で、無制限のデータ通信が使える。

三木谷浩史 値上げの計画はないとした三木谷氏。写真は3月のMWC Barcelonaで撮影したもの

 一方で、同社の契約者数は3月に863万に達したところで、大手3社とはまだまだ開きがある。この段階で、無理やり値上げしてしまうと、四半期で30万回線に達している純増数を止めてしまう恐れがある。特に、楽天モバイルのユーザーはコストに敏感。1GB以下0円を廃止した際には、純減に見舞われる事態にもなっただけに、値上げに慎重なのは無理もない。

楽天モバイル 四半期の純増数が30万と、急成長している楽天モバイル。値上げすると、ここにブレーキをかけてしまうリスクがある

 その反面、ARPUは緩やかながら上昇しており、2025年の第1四半期(1月から3月)にはデータARPUが1737円まで伸びた。楽天モバイルの料金プランは段階制を採用しているため、メイン回線として同社を選び、よりデータ通信を使うユーザーが増えていることが分かる。純増を支えている上に、ARPUも上がっているとなれば、値上げする必要性は薄い。現在、急速に成長している点は、値上げに踏み切った2社との大きな違いといえる。

楽天モバイル 緩やかだが、ARPUも着実に伸びている。現状では、無理に値上げする必要性は薄いのかもしれない

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年04月02日 更新
  1. d払い、dポイントのキャンペーンまとめ【4月1日最新版】 最大24%還元や10万ポイント還元のチャンスあり (2026年04月01日)
  2. 大手キャリアが改定した「端末購入プログラム」の賢い活用法 Y!mobileやUQ mobileも狙い目 (2026年03月31日)
  3. NTTドコモが金融事業を7月1日付で再編予定 事業と関連株式を新設子会社に移管 (2026年03月31日)
  4. Snapdragon 6 Gen 1を搭載したSIMフリーAndroidスマホ「OPPO Reno13 A 5G」がセールで3万8232円に (2026年03月31日)
  5. ケーブルを持ち歩く手間を省ける大容量モバイルバッテリー「Anker Power Bank (25000mAh)」が30%オフの1万490円に (2026年03月31日)
  6. 最大45dBのノイキャン搭載イヤフォン「Nothing Ear (a)」、Amazon 新生活セール Finalで1万円以下に (2026年04月01日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. 楽天モバイルのルーター「Rakuten WiFi Pocket 5G」レビュー:通信速度はどう? 他社のeSIMで使う方法も解説 (2026年03月27日)
  9. 飛行機の機内エンタメもワイヤレス化できるワイヤレスイヤフォン「JBL TOUR PRO 3」が25%オフの2万7000円に (2026年03月31日)
  10. 車内での通信制限を気にせず動画を楽しめる「Pioneer 車載用 Wi-Fi ルーター DCT-WR200D-E」が22%オフの1万7682円に (2026年04月01日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2026年