楽天モバイルは通信料金プランを値上げするのか? 5月14日、決算会見でこのような質問を投げかけられた楽天グループの三木谷浩史会長は、NTTドコモやKDDIによる値上げの動きを踏まえ、「他社とは異なる」と前置きし、「現段階で値上げは考えていない」と述べた。
この理由の1つに、三木谷氏は「ネットワークの完全仮想化」を挙げた。専用のネットワーク機器を利用せず、汎用(はんよう)のコンピュータを使って無線を制御しているのが同社の特徴であり強みだという。
これだけでなく、複数ベンダーにまたがってネットワーク機器を構成できるOpen RANを採用しているのも、低廉な料金プランに直結している。設備の仕様をオープンにして、複数のサプライヤーが参入可能になり、基地局設置のコストを削減できる。
楽天モバイルの現行の料金プランは「Rakuten最強プラン」で、3GBまでが1078円(税込み、以下同)、3GB〜20GBが2178円、20GB超過後が3278円となっている。
一方、他社の動きを見ると、値上げの方向だ。
NTTドコモは4月に「ドコモMAX」を発表し、値上げする代わりにスポーツ配信サービス「DAZN for docomo」を標準バンドル。KDDIは5月に「au 5G Fast Lane」を発表し、混雑時に特定ユーザーに無線リソースを優先的に割り当てるサービスを上位プランに組み込んだ。
残るソフトバンクは5月14日時点で値上げや新料金プランを発表していないが、8日の決算会見で宮川潤一社長が「われわれも(値上げの)方向性は(ドコモ・KDDIと)同じ」とし、「値下げで続いていたデフレ業界の構造をなんとか乗り越えようという気持ちで、コスト削減などに努力を続けてきたが、限界に差しかかっている」と値上げを示唆した。
楽天モバイルが単月黒字化(EBITDA)を達成できた理由は? 三木谷氏は通期での黒字化に自信
楽天モバイル5周年 今後の値上げやプラン改定は否定、“お試し割”は「検討していきたい」
楽天モバイル、2024年は155万回線増加 MNO契約回線数単独で
楽天モバイルの通信品質が改善したワケ 5Gやプラチナバンドの現状、ネットワーク戦略を竹下副CTOが解説
楽天モバイルが楽天グループの“5年ぶり四半期黒字化”に貢献 モバイル単体の黒字化も目前かCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.