シャープの「AQUOS R10」「AQUOS wish5」で“進化の方向性”が違う理由 iPhoneからのユーザー獲得にも意欲:石野純也のMobile Eye(1/3 ページ)

» 2025年06月07日 06時00分 公開
[石野純也,ITmedia]

 シャープは、ミッドハイでシリーズの標準モデルとなる「AQUOS R10」と、エントリーモデルの「AQUOS wish5」の2機種を発表した。AQUOS R10は、2024年のフルモデルチェンジを受け、開発された後継機。カメラに、「AQUOS R9 Pro」譲りの「14chスペクトルセンサー」を搭載した他、最大輝度を3000ニトまで向上させたディスプレイや音圧、ひずみを改善したスピーカーを搭載する。

 対するAQUOS wish5は、3万円台の価格を維持しながらタフネス性能を向上させ、新たに「IPX9」に対応した。これによって、高温高圧の水流にも耐えられるようになった。また、子どもの利用シーンンも想定して、端末を振ると保護者に電話がかかり、位置情報を知らせる機能も搭載した。スペック面では、ディスプレイが120Hzのリフレッシュレートに対応しており、エントリーモデルながら残像感が少なく、滑らかなスクロールをすることが可能になっている。

AQUOS R10 シャープは、AQUOS R10(左)とAQUOS wish5(右)の2機種を発表した。R10は7月上旬以降、wish5は6月下旬以降に発売する

 2機種を見ると、特にAQUOS wish5を強化している印象が強いが、ここには「入口」や「海外」を押さえていきたいシャープの狙いがあった。対するAQUOS R10は、好調だった前モデルの路線から、エコシステムを引き継ぎつつ価格を維持。ハイエンドの資産も流用することで激戦になっている「10万円前後」の市場で勝負に挑む。そんなシャープの戦略に迫った。

120Hz駆動にIPX9の防水対応と大きく進化したAQUOS wish5

 新モデルとして登場したAQUOS R10、AQUOS wish5だが、どちらかといえば、後者の方が前モデルからの進化の幅が大きい。AQUOS wish4で搭載した6.6型のディスプレイサイズはそのままに、プロセッサをMediaTekの「Dimensity 6300」にリニューアル。処理能力を向上させつつ、ディスプレイも120Hzのリフレッシュレートに対応し、スクロールのガタつきを抑えた。実機に触れてみると分かるが、エントリーモデルとは思えないほど、操作感は向上している。

AQUOS wish5 AQUOS wish5(右)は、リフレッシュレートが120Hzになった。エントリーモデルながら、ミッドハイのモデルに並ぶ滑らかさだ

 子どもや法人など、幅広いユーザーが利用するエントリーモデルなだけに、耐久性を上げているのも評価できるポイントといえる。同機は、MIL規格に準拠しており、1.22mの高さからコンクリートに落下させる試験もクリアしている。防水・防塵(じん)の保護等級はIPX9に上がっており、高温、高圧での噴射にも耐えられるようになった。処理能力を底上げしつつ、耐久性も増したというわけだ。

AQUOS wish5 防水・防塵の保護等級がIPX9に向上。高温、高圧の噴射にも耐えられるようになっている

 シャープの通信事業本部長を務める中江優晃氏も、AQUOS wish5は「めちゃくちゃ強化している」としながら、「スクロール性能がエントリーモデルとは思えないぐらい滑らか。エントリーモデルで、カクつかない120HzのスクロールができるのはAQUOS wish5ぐらいではないか」と話す。Dimensity 6300はエントリー向けのプロセッサだが、「ディスプレイと中身の制御をがんばって実現した」(同)という。

AQUOS wish5 シャープの中江氏は、AQUOS wish5を「めちゃくちゃ強化した」と語る

 また、子どもが防犯の用途で使えるよう、新たに「防犯アラート」機能に対応。スマホを強く振ると、大音量のアラームが鳴り、位置情報を保護者などに自動で共有できる。子ども向けの携帯電話などには引き出すことで動作する防犯ブザーが搭載されているが、それをセンサーとソフトウェアで実装したような機能だ。パーソナル通信事業部長を務める川井健氏は、「ファーストスマホとして買われるお客さまを考えて搭載した」とその目的を語る。

AQUOS wish5 ファーストスマホとして買われることを意識していると話したシャープの川井氏

 シャープは、2024年にAQUOSシリーズのラインアップをフルモデルチェンジしており、デザインにmiyake designの三宅一成氏を起用。人との関わりや空間との調和をテーマに、よりガジェット感を薄めた柔らかな外観を採用した。これは、同シリーズの裾野をより広くするためだ。AQUOS R10とAQUOS wish5でも、このデザインは踏襲している。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月24日 更新
  1. きょう発売の「iPhone Duo」、Apple 表参道でゲットしてきた 早速開封レポート (2026年10月23日)
  2. Apple初の折りたたみ「iPhone Duo」きょう発売 価格、特徴、誰向けか――5分で分かるまとめ (2026年10月23日)
  3. モバイルSuicaの新決済「teppay」を早速試した 店員への伝え方や決済音は? スムーズに決済できる? (2026年10月22日)
  4. 若者の間で流行する「ホビ垢」とは? 実はホビーでもホビットでもない、“○○○する自分”が主役のSNSアカウント (2026年10月23日)
  5. 「iPhone Duo」を試して分かった9つの疑問と本音 36万円超の折りたたみスマホは「買い」か? (2026年10月21日)
  6. 「iPhone Duo」はLINEもポケモンGOも“黒い”余白だらけ? 日本の定番アプリは未対応が多く (2026年10月23日)
  7. iPhone Duo発売直後に「転売」が横行 メルカリ・Yahoo!フリマ・ラクマで割高に? (2026年10月23日)
  8. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  9. iPhone Duoを使って痛感した「Face ID」のありがたさ 充電スタンドに置いたまま通知が見られない不便さに苦しむ (2026年10月24日)
  10. 【ニトリ】799円の「スマホクッション」 デコネコのお腹にすっぽり収まる (2026年10月23日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー