2025年7月1日、KDDIは「au 5G Fast Lane」を開始した。
5G SA、さらに「auバリューリンクプラン」などの料金プランを契約しているとau 5G Fast Laneが適用となる。
この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年7月5日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。
実際にFast Laneに対応、非対応のGalaxy S22を観客が4万人以上入っている東京ドームに持ち込んで試してみた。
確かにスピードテストを何回、試してもFast Lane対応の方が速い数値が出た。そもそも、非対応でもそれなりのスピードが出るのだが、対応機種であれば、さらに高速かつ安定した通信が得られそうだ。快適度はかなり高いかもしれない。
ただ、このFast Lane、対応機種を持っていても、実際に適用されているのか、いないのか、自分だけではさっぱりわからないというのが弱点かもしれない。
通常、一般の人で、au回線の入ったスマホを2台持ちし、Fast Lane対応と非対応の機種を持ち歩くようなことはしないだろう。
百歩譲って、自分はFast Lane対応で、隣にいる友人がau回線かつFast Lane非対応で、スピードテストをやってみたら、自分の方が速いといったときにしか「Fast Laneで良かった」と実感できることはないのではないか。
やはり、Fast Laneが適用されているときは、アンテナピクトに「FL」みたいな表記がないと実感できないのはつらい。
スターリンクとの直接通信である「au Starlink Direct」も、アンテナピクトに「衛星」と表示されるからワクワクさせられるのである。まずは「衛星」と表示され、つながっていることを喜び、実際にメッセージが送れて、そこでさらにつながっている実感を味わう。
電波は見えないだけに、可視化できる仕組みが必要なのではないか。
その点、楽天モバイルのASTや、ソフトバンクのHAPSも、空を飛んでいるものの、地上の基地局と同じ振る舞いをすることから、つながっても、従来とアンテナピクトの表示は変わらないとされている。
それであれば、ユーザーは何一つ、感動しないわけで、大枚はたいて上空20キロや数百キロから電波を飛ばしても、顧客満足度はちっとも上がらないのではないか。
4G周波数を転用した5Gであっても、5Gの表記が出れば、「ここって5Gエリアなのか」とユーザーはだまされる。実際につながり、速度が全く変わっていなくても、5Gと可視化されるだけでもユーザーはありがたがってくれるのだ。
せっかく、新しい通信技術を取り入れるのだから、もうちょっとユーザーにわかりやすく、ありがたがってもらえる工夫を取り入れていく必要があるのではないか。
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