今後のウォークスルー改札はどうなっていくのだろうか。まず、大阪メトロを含む関西圏は、ウォークスルー改札の前に、QRコード乗車券の普及が訪れそうだ。関西の都市圏(京都〜大阪〜神戸)では主要私鉄に加えて、JR西日本もQRコード対応改札を整備した。これにより、私鉄各社とJR西日本をまたいで相互利用できるQRコードの周遊デジタル乗車券の発売がはじまるなど、これまでにない動きが生まれている。
通常の磁気乗車券についても、JR西日本は2028年以降QR乗車券への移行を進める。京阪電鉄は2029年までに磁気乗車券を廃止し、QRコード乗車券への移行を目標としている。関西の改札事情は今後大きく変わりそうだ。
他の地域では、JR東日本が今後10年でSuicaプラットフォームを強化し、ウォークスルー改札や位置情報などを用いた改札の実現を目指していると発表している。2025年秋に上越新幹線で顔認証のウォークスルー改札、2026年に在来線で顔認識以外の方式での実証実験を予定している。
位置情報を利用した改札の一例として、JR北海道トマム駅の無人改札がある。これはスマホで駅のQRコードと位置情報から乗車駅証明書を発行し、札幌駅や新千歳空港駅など主要駅の精算機で料金を支払える仕組みだ。位置情報による改札の原型といえるかもしれないまた、JR東日本を含む鉄道8社が2026年度以降、磁気乗車券をQRコード乗車券への置き換えを進めていくと共同で発表している。この取り組みが進めば、関東でも関西都市圏のように各社で相互利用できるQRコード企画乗車券などの販売や、ウォークスルー改札などの導入が進む可能性もある。今後の動向に注目したい。
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