中国で「小型ハイエンドスマホ」が人気の理由、火付け役はあのメーカー 日本で新たな選択肢になるか(2/2 ページ)

» 2025年07月24日 06時00分 公開
[佐藤颯ITmedia]
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中国勢は小型スマホとして「iPhone 16 Pro」をライバル視

 最後に、中国で販売されている小型スマホと、世界で主流のiPhone、Galaxyを比較してみよう。中国で小型スマホは一般に幅71mm前後、画面サイズが6.3型クラスの機種を指す。日本では「コンパクト」とはいえないラインだが、長らく6.7型クラスが主流だった中国市場ではコンパクトな部類と評価する。

 そのような機種は2024年の秋ごろから各社製品を発売しており、時期的にもXiaomi 14の成功に続く形で各社市場投入を図っている。

 2024年は10月に先陣を切ってvivoが6.36型の「X200 Pro mini」を発売。次いでXiaomiが6.36型の「Xiaomi 15」を発売した。2025年に入ってOPPOから6.32型の「Find X8s」、傘下のOnePlusブランドでは日本円で6万円台にまでにコストを抑えた「OnePlus 13T 」を発売するなど矢次な製品投入が行われている。

 変わり種だが、Huaweiは展開時に6.3型、16:10比率になる折りたたみスマホ「Pura X」を2025年3月に発売。全く新しい形のコンパクトスマホを提唱してきた。

小型スマホ 中国 OPPO Find X8sは日本でも販売されている「Find X8」の小型モデル
小型スマホ 中国 vivo X200 Pro miniは本誌でもレビューした。いい意味で「中国版iPhone」を感じるモデル
小型スマホ 中国 Huaweiは高級路線の機種として折りたたみスマホ「Pura X」を発売。展開時に6.3型 16:10比率になる特徴的なサイズ感で注目を集めている

 このセグメントはAppleのiPhoneやサムスンのGalaxy Sシリーズが強いが、ここにきて中国勢が一気に商品展開を行っている。コンパクトなハイエンドスマホも、中国国内では現時点で5社6ブランドが競合する激戦区になっている。

小型スマホ 中国 中国国内では現時点で5社6ブランドが競合する激戦区になっている。Xiaomi 15のバッテリー容量は中国版を参照。日本を含むグローバル向けは5240mAh

 表を見比べると、中国勢は比較的廉価なOnePlus 13T 、折りたたみのPura Xを除いた全機種が「iPhone 16 Pro」をライバル視していることが分かる。iPhone 16 Proはこの中ではかなり高価であり、カメラ性能を加味すると中国勢は軒並み10万円以下の設定で相対的に安く感じる。

 中でもXiaomi、OPPO、vivoの機種がサイズ感、性能、価格でかなりせめぎあっている。iPhoneだけでなく、互いをライバル視していることが伝わってくる。

 全体的に小型機種のバッテリー容量は従来の常識を超えてきた。中国勢の機種は小さくても5000mAh以上が当たり前であり、OnePlus 13Tのような6000mAhオーバーの機種まで登場した。

 どの機種もGalaxy S25よりも30%以上も大容量のバッテリーを備え、カメラ機能を強化しながら、重量増加は約20g程度に抑えている。小型スマホはバッテリー容量が少なく、電池が持たないという認識も過去のものになりそうだ。

 OnePlus 13Tはフラグシップのプロセッサを採用しながら6万円台の設定でコストパフォーマンスに優れている。カメラを2眼にしたり、OPPO Find X8sと一部設計の共通化を図ってコスト低減に努めたりするなど、どちらかといえばiPhone 16を意識した機種だ。

 この価格帯にはvivoが6500mAhのバッテリー容量を備えるS30 Pro miniの投入を予告している。このセグメントにXiaomiが加われば今後も競争が過熱していきそうだ。

 折りたたみスマホのPura Xはバッテリー容量こそ少ないものの、独自OSの「HarmonyOS 5.0」をプリインストールしており、省電力にも優れている。本OSはAndroidベースのころに比べて消費電力を20%削減できるとしているため、電池持ちでは上記のコンパクト機と十分勝負できるものと考えられる。

小型スマホ 中国 コンパクトでも6000mAhオーバーの大容量バッテリーを採用するOnePlus 13T

日本の小型スマホは減少も、中国勢の小型ハイエンドが新たな選択肢に

 小型ハイエンドスマホは、日本では減少の一途をたどり、気が付けばニッチなジャンルの機種と化していた。手になじむハイエンド機としてファンも多いソニーのXperia 5シリーズがなくなり、ASUSのZenfoneもプラットフォーム共通化から大型化してしまった。2024年は日本で買える小型ハイエンドは、実質iPhoneかGalaxyの二択だったのだ。

 そんな中、大画面モデルが強いシェアを持つ中国で、「小型ハイエンド」スマホが200万台以上のヒットを飛ばし、市場競争が繰り広げられている現実には正直驚きを隠せない。これらの機種よりはやや小ぶりとはいえ、ソニーやASUSもあと2年、小型をやめるという方向転換をしなければ、国内外の市場で受け入れられる可能性があったのではと感じてしまう。やるせない思いだ。

小型スマホ 中国 ソニーのXperia 5シリーズもタイミングさえ合えば中国でも注目されていたかもしれない

 日本でも中国勢の小型スマホへの関心は高い。2025年4月にXiaomi 15が日本でも発売され、コンパクトなボディーに5240mAhの大容量のバッテリー、ライカコラボの高い性能を持つカメラを特徴としている。リキッドシルバーという独特なカラーも注目を集めた。

 中国メーカーの小型ハイエンドスマホは、バッテリー容量や冷却機構などの技術的課題を克服し、かねて市場ニーズに応えた商品たちだ。日本でも支持の強いコンパクトなハイエンド機種がこれを機に増えていけば、いち消費者の視点でも選択肢が与えられてうれしいものだ。

小型スマホ 中国 Xiaomiの小型ハイエンド「Xiaomi 15」は日本のXiaomi Storeでも注目を集めていた

著者プロフィール

佐藤颯

 生まれはギリギリ平成ひと桁のスマホ世代。3度のメシよりスマホが好き。

 スマートフォンやイヤフォンを中心としたコラムや記事を執筆。 個人サイト「はやぽんログ!」では、スマホやイヤフォンのレビュー、取材の現地レポート、各種コラムなどを発信中。

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