Y!mobile新料金プラン「シンプル3」、どこが“シンプル”なのか──ソフトバンクの見解は?

» 2025年09月04日 15時05分 公開
[金子麟太郎ITmedia]

 既報の通り、ソフトバンクはY!mobile(ワイモバイル)ブランドの新料金プラン「シンプル3」を発表した。その名の通り、「シンプル」という言葉は分かりやすい料金プランを想起させるが、その実態はどうなのだろうか。

Ymobile Y!mobile ワイモバイル ソフトバンク 料金プラン Y!mobile

 シンプル3の要点をまとめると、データ容量はSプランが従来の4GBから5GBに増量、Mプランは30GB、Lプランは35GBとなり、いずれも余ったデータは翌月に繰り越せる。各種割引適用前の月額料金(税込み)は、Sが3058円、Mが4158円、Lが5258円に設定された。

 ここに「PayPayカード割」や「おうち割 光セット(A)」を組み合わせることで実質負担は大きく下がる。しかし、裏を返せば、これらの割引を受けられない場合は割高に感じられるだろう。割引の適用には条件を満たす必要があり、誰でも簡単に安く利用できる料金プランとは言い難い。

Ymobile Y!mobile ワイモバイル ソフトバンク 料金プラン 新料金プラン「シンプル3」の割引適用前/適用後の金額や割引内容

「シンプル3」はシンプルではない? 料金割引と音声オプションの注意点

 では、なぜシンプル3は名前に反してシンプルに見えないのか。まず、プランの要点を整理してみよう。

  • データ容量に応じて選べる3つの料金プラン
  • 「PayPayカード割」と「おうち割 光セット(A)」を併用すると、「シンプル3 S」(5GB)の月額料金が858円(税込み)になる
  • 約200の国・地域で、海外データ通信が月2GBまで追加料金なしで利用可能
  • 2025年11月以降、PayPayでの決済回数に応じてデータ容量が付与されるキャンペーンを開始予定

 上記のうち、「データ容量に応じて選べる3つのシンプルな料金プラン」という点は、決して目新しい内容ではない。かつてワイモバイルとウィルコム沖縄(旧提供会社名)が提供していた「スマホプラン」も、現在と同様に3つのデータ容量から成る料金プランだった。

 しかも当時は、「通話が多いなら、月額1000円のオプション『スーパーだれとでも定額』を追加する」という案内で、利用者も「データ通信中心なら基本プラン、通話もするならオプション追加」というシンプルな理解で済んだ。

 一方、シンプル3は音声通話の仕組みもシンプルとは言えない。SプランとMプランでは30秒あたり22円(税込み)の通話料がかかるのに対し、大容量のLプランのみ「10分以内の国内通話無料」が付帯する。これにより、「通話が必要ならオプションを追加する」という、かつてのような単純な考え方が通用しなくなっているのだ。

Ymobile Y!mobile ワイモバイル ソフトバンク 料金プラン 新料金プランのシンプル3ニュースリリース内詳細表のすぐ下には、音声オプションを含む注意点が表にまとめられている
Ymobile Y!mobile ワイモバイル ソフトバンク 料金プラン かつて存在していたオプションサービス「スーパーだれとでも定額」(スマホプラン向け)。画像は「Y!mobile 新料金について」という2014年7月17日発出のニュースリリースより引用

「シンプルじゃない」との指摘に対するソフトバンクの見解は?

 Y!mobileの新料金プランであるシンプル3の発表会場では、筆者と疑問と同様に「どこがシンプルなのか」という率直な質問が飛んだ。この問いに対し、ソフトバンクの寺尾洋幸専務執行役員は、次のようにその背景を説明した。

 「もともとY!mobileブランドは非常に小さいセグメントでした。(しかし)SoftBankブランド中心から段々とY!mobileブランド中心になってくる中で、全体の通信コストの増加にある程度対応していかなければならないのは事実です」

 「ソフトバンクが通信事業を生業として安定したサービスを提供する上では、一定の収益、つまり売上が必要であることは事実だと考えております」

 「その中で、お客様に低廉な料金プランを提供する上で、我々のグループサービスをご利用いただくことを条件とさせていただいているのは、ご指摘の通りだと思います。ただ、実は少しずつ(条件などの)面倒なことをなくし、注意書きが減るよう努力をしてきております」

「シンプルじゃない……」と感じるならどうすべき?

 ソフトバンクとしては、分かりやすくなるように努力をしているが、グループサービスを活用して相乗効果を生み出しつつ、通信コストの増加に対応していかなければならない、という事業者ならではの苦悩や事情があるようだ。

 とはいえ、ユーザー視点でいえば、もし「シンプル3」に魅力を感じず、分かりにくいと感じるのであれば、他の料金プランを検討するのも一つの手だろう。そのために、ソフトバンクはSoftBank、Y!mobile、LINEMOという3ブランドの選択肢を用意しているのだ。

 近年では、楽天モバイルやKDDIのpovoといった選択肢もあるし、言うまでもなくどれを選ぶかは消費者の自由だ──。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月21日 更新
  1. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
  2. なぜ「060」携帯番号は18カ月あっても延期になったのか? それでも「慌てる必要はない」現状 (2026年07月20日)
  3. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  4. 「Pixel 11」は何が変わる? メモリ減少で100ドル前後の値上げも? 出そろったうわさを整理する (2026年07月19日)
  5. ショップとAIで差別化を図る「ドコモの銀行」――住信SBIネット銀行ユーザーからは戸惑いも (2026年07月19日)
  6. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  7. 携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る (2024年10月09日)
  8. iPhoneやApple Watch一斉値上げ 17無印は14万2800円に、17eは10万円超え 加速する中古スマホ特需 (2026年07月18日)
  9. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
  10. 「iPhone 17e」と「iPhone 17」どちらが買いか? 2機種を使い込んで分かった“スペック表にない違い” (2026年04月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー