ハードウェアとして性能面の向上が大きかったのが、廉価モデルにあたるApple Watch SE 3だ。先代となるSE 2が発売されたのは、2022年のこと。3年ぶりのアップデートとなるだけに、多数の機能が追加されている。1つ目が、Series 11やUltra 3と同じ常時表示に対応したこと。これによって、手首を上げなくても、時刻など最低限の情報は確認できるようになった。時計としての使い勝手が増した格好だ。
2つ目の進化点が、ジェスチャー操作に対応したこと。手首を挙げて、親指と人差し指をトントンと2回タップしてワークアウトを開始したり、メッセージに返信したりすることが可能になった。また、watchOS 26では、手首フリックで通知を消す操作にも対応している。こうしたジェスチャーの検出には機械学習を用いているというが、これらが可能になったのはApple Watch SE 3がSeries 11などと同じ「S10チップ」を搭載しているからこそ。
3点目が通信機能の進化で、セルラー対応モデルはSeries 11やUltra 3と同様、5Gを利用できるようになった。バッテリー駆動時間や、ディスプレイのスペックはSeries 11に及ばないものの、廉価モデルとしてかなり基本性能が底上げされたといえる。
iPhoneの周辺機器としてもう1つ発表されたのが「AirPods Pro 3」だ。こちらは、ノイズキャンセリング性能が先代の「AirPods Pro 2」から2倍に向上した。実際、発表会後のハンズオン会場で装着してみたが、ガヤガヤとした騒音がかなり静かになった。目の前の相手の会話内容も、あまり聞こえなかったほどだ。
さらに、AirPods 3には心拍数センサーを搭載しており、ワークアウト中に心拍数を測定したり、消費カロリーを計算したりといったことが可能になった。Apple Watchなしでも、トレーニングの記録を取れる。ワイヤレスイヤフォンから、ウェアラブルの健康管理デバイスへと、その役割を広げていることがうかがえる。
(取材協力:アップルジャパン)
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