正統進化した3種類の新「Apple Watch」を写真で解説 Hermesコラボあり/廉価モデル「SE」は基本性能を底上げ(1/2 ページ)

» 2025年09月10日 20時41分 公開
[石野純也ITmedia]

 Appleは、9月9日(現地時間)に開催したイベントで、iPhone 17シリーズとともに、Apple WatchやAirPods Proを発表した。中でもApple Watchは、中核となる「Apple Watch Series 11」だけでなく、廉価モデルの「Apple Watch SE 3」や2年ぶりの新モデルとなる「Apple Watch Ultra 3」も発表され、バリエーションを一新した。

Apple Watch 3モデル全てに新製品が登場したApple Watch。写真はSeries 11のチタニウムモデル。光沢があり、高級感がある

Apple Watch Series 11は5Gに対応、睡眠スコアの記録も可能に

 Apple Watch Series 11には、アルミモデルとチタニウムモデルの2バリエーションが用意される。この点は、Series 10までのApple Watchと同じ。アルミモデルには、Nikeのスポーツバンドやスポーツループバンドをセットにした「Apple Watch Nike」も用意される。

Apple Watch Series 11のアルミモデル。Nikeのバンドを組み合わせて購入することも可能だ

 より高級感のある光沢仕上げのモデルには、Series 10に続いてチタニウムを採用する。Apple Watch Ultraシリーズのチタニウムとは違い、光沢処理を加えているため、Series 9までのステンレススチールに近い見た目を維持しながら、軽量化に貢献している。

 ケースサイズは42mmまたは46mmの2種類で、この点はSeries 10から変わっていない。ただし、機能性が向上したためか、チタニウムモデルは42mmケースで34.4gから34.6gへとわずかに重量が上がっている。46mmケースは、41.7gから43.1gになり、より重量が増した。これは、アルミケースモデルも同じで、いずれもわずかだが重量がアップしている。

Apple Watch チタニウムケースに、新しい文字盤を組み合わせたところ

 ハードウェアとしての大きな差分は、セルラーモデルの通信機能が5Gに対応したことだ。この5Gは5G SAとなり、Apple Watch単体でも、より高速に通信することが可能になっている。発表会では、5G対応キャリアとして、ドコモ、KDDI、ソフトバンクが挙げられていた。楽天モバイルもセルラー機能に対応しているが、5G SAをサービスインしていないため、リストには名前が挙がっていなかったようだ。

Apple Watch 5Gに対応しており、日本ではドコモ、au、ソフトバンクの3キャリア(3ブランド)で利用が可能。楽天モバイルは5G SA非対応のためか、リストに挙がっていなかった

 健康管理機能として新たに対応したのが、睡眠スコア。これは、watchOS 26の新機能で、手首皮膚温や血中酸素ウェルネス、呼吸数などのデータから、睡眠を数値化するための機能。目が覚めた頻度や、各睡眠ステージにどのぐらいいたかといった詳細を数値化でき、睡眠の質を向上させることに役立てられる。この点数付けは、米国睡眠学会などのガイダンスに基づいているという。

Apple Watch
Apple Watch watchOS 26の新機能として、睡眠スコアの記録に対応する

 もう1つの機能が「高血圧通知」で、これは心拍に伴う血管をセンサーで記録し、高血圧のパターンを発見した際に通知を出すというもの。血圧自体を測定できるわけではないが、血圧計で取った記録をまとめて、医師に提出することも可能になっているという。

 ただし、同機能は米国でFDA(米食品医薬品局)の認可を得る予定とされており、当局の許可が必要になる。そのため、日本版のApple Watch Series 11の製品サイトにはこの機能が紹介がなく、現時点では実装されない見通しだ。

Apple Watch
Apple Watch 高血圧の通知機能を新たに対応。米国では、FDAの認可を取得する予定だ
Apple Watch
Apple Watch 取得した通知はiPhoneで確認可能

Apple Watch Ultra 3は衛星経由の緊急SOSに対応

 Apple Watch Ultraも、2年ぶりに新モデルとなるApple Watch Ultra 3が登場した。こちらのモデルも、サイズは49mmのチタニウムケースのみで、2から変わっていない。

 ディスプレイはApple Watch Ultra 2比で解像度が410×502ピクセルから422×514ピクセルに、表示領域が1185平方ミリメートルから1245平方ミリメートルにアップ。より電力効率の高い「LTPO3」になり、リフレッシュレートは「1分間に1回」から「1秒間に1回」に向上した。

【訂正:2025年9月16日16時30分 初出時、Apple Watch Ultra 3のディスプレインのスペックが、Apple Watch Ultra 2から変更ない旨を記述していましたが、誤りでした。おわびして訂正いたします。】

 通信機能に関しては、Series 11と同様、5Gに対応。さらにApple Watch Ultra 3のみ、衛星経由の緊急SOSを利用することができる。

Apple Watch 2年ぶりの新モデルとなったApple Watch Ultra 3

 これは、モバイルネットワークが圏外になる場所で、衛星と通信することでSOSの発信を行えるというもの。Apple Watch Ultra 3では、iPhoneのそれと近い画面が表示され、ガイダンスに従ってSOSのメッセージを送信することができる。登山など、過酷なスポーツのお供として開発されたApple Watch Ultraなだけに、いざというときの通信ができるのはうれしいアップデートだ。

Apple Watch
Apple Watch 衛星経由の緊急SOSに対応する。写真はそのデモ画面。空が見通せる場所に移動するよう、案内が表示される

 なお、Apple Watch Series 11とUltra 3には、Hermesとのコラボモデルになる「Apple Watch Hermes」もそろえている。ジャカードニットの新作バンドが発売される他、Apple Watch Ultra 3向けには、バンド部分に丸窓が開いたスキュブHダイビングストラップが用意される。

 Apple Watchは、チタニウムを採用したSeries 10から光沢感のあるシルバーがラインアップから外れ、やや黄色味がかったナチュラルになっているが、Hermesとのコラボモデルのみ、シルバーが継続している。

Apple Watch Series 11には、Apple Watch Hermesもある
Apple Watch 新作バンドのフォーブルパーティを装着したApple Watch Hermes。ドット絵調のイラストが変化する新しい文字盤も用意された
Apple Watch Apple Watch Ultra 3にも、Hermesモデルがラインアップに含まれている
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