モトローラに聞く「razr 60」の進化ポイント 若年層を取り込んだことでキャリアからも高評価(1/3 ページ)

» 2025年10月28日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 モトローラ・モビリティ・ジャパンが送り出すフリップ型の折りたたみスマホ「razr」シリーズが、存在感を高めている。日本では、テレビCMなどに出演するアンバサダーとしてタレントの目黒蓮さんを起用。新機種の「razr 60」「razr 60 ultra」でAI性能を強化したことをアピールしている。

 取り扱いキャリアを増やすことで、販路の拡大にも成功している。2024年には「razr 50」のドコモ版にあたる「razr 50d」をドコモが販売。2025年の「razr 50d」でも関係を継続している。さらに、razr 60 ultraは約13年ぶりにKDDIのauから販売することも決まり、ついに3キャリアで取り扱われるようになった。

motorola razr 60
motorola razr 60 10月10日に国内で発売した最新の折りたたみスマートフォン「motorola razr 60」

 フォルダブルスマホはフォールド型、フリップ型の大きく2つに分かれるが、モトローラは後者に特化することでシェアを伸ばしている。では、razr 60、razr 60 ultraはどのような端末で、今後、どう勢いを拡大していくのか。モトローラ・モビリティ・ジャパンのテクニカルサポートグループ 開発事業部長の伊藤正史氏に話を聞いた。

razr 60は“AI対応の折りたたみスマホ”として投入

―― まず、razr 60とはどのような端末なのかを教えてください。先代の「razr 50」から、どこが変わったのでしょうか。

伊藤氏 ほぼ1年前にrazr 50を出させていただき、その後、グローバルではフリップ型でシェア1位になるなど、徐々に成長をしています。AIに関しては(グローバルで)「moto ai」の機能追加を順次進めてきました。ただ、日本語対応にはどうしても時間がかかってしまうので、「motorola edge 60 pro」のときには間に合わず、カメラ系のところだけを進化させた形で投入しました。

 その後、moto aiの日本語対応が進み、razr 60で日本語に対応したAIとしてリリースすることができ、razr 60は“AI対応の折りたたみスマホ”として出させていただきました。

motorola razr 60 モトローラ・モビリティ・ジャパンの伊藤正史氏

―― 進化したのは、主にAIということでしょうか。

伊藤氏 一部進化しています。基本的なプラットフォームは前のrazr 50と共通していますが、例えばプロセッサはMediaTekの「Dimensity 7400+」になってAIパフォーマンスが15%向上しています。チップセットは前作の後継的なものです。バッテリーもrazr 50のときには4200mAhでしたが、razr 60では4500mAhに増えています。

 昨年のドコモ版のrazr 50dは4000mAhでしたが、今回は3機種とも4500mAhでそろえることができました。大容量化を図れた理由の1つは、これまでグラファイトアノードだったバッテリーを、シリコンアノードに切り替えたことです。シリコンを使うと高温には弱くなってしまいますが、大容量化を図れます。この辺りは、キャリアとも連携し、信頼性の試験も十分やっています。

チタン製のヒンジを採用して強度がアップ 折り目も目立ちにくく

―― ぱっと見は変わらないものの、処理能力を上げてバッテリーを増やしたというのは、よりハードウェアとしてAIに最適化したと捉えていいのでしょうか。

伊藤氏 CPUはAIに向けてオプティマイズしていますし、AIを使い倒すとどうしても使用時間が増えてきますので、1日中バッテリーを持たせるためにそのような対応もしています。

 また、言い忘れましたが、ハードウェアという点では防水、防塵(じん)に対応しています。ヒンジにはチタン製の部品を使って耐久性を強化しています。これまではステンレス製でしたが、材質としての強度は4倍になりました。強度を高めていき、開閉試験も80万回実施して信頼性を確保しています。

motorola razr 60 素材をチタンに変更したことでヒンジの強度が増した

―― チタンにしたことで、軽量化されたなどのメリットはありますか。

伊藤氏 逆に2gほど重くなっていますが……(笑)。

―― それは、バッテリーを増量したりしたことも含めて、トータルでということですよね。

伊藤氏 そうです。結果として、折り目もさらに目立ちにくくなりました。構造も見直し、ヒンジプレートの形状も変わっています。

motorola razr 60 メインディスプレイの折り目が目立たなくなった
motorola razr 60 閉じた状態では3.6型ディスプレイを利用できる。まるで小型スマホともいえるサイズ感だ

―― その意味では、内部的に強化した部分が多そうですね。

伊藤氏 いまだに折りたたみは壊れるという心配をお持ちの方もいます。そういう方の声にこたえるために、耐久性を上げています。

無印のrazr 60、ドコモのrazr 60d、ソフトバンクのrazr 60sは何が違う?

―― ちなみに今回もオープンマーケットではrazr 60ですが、先ほどお話があったようにドコモ版はrazr 60dで、ソフトバンク版には「s」がついて「razr 60s」という名前になっています。名前を変えるほどの違いは何かあるのでしょうか。

伊藤氏 違いはいくつかあります。まず、カラーバリエーションですが、オープンマーケットモデルとソフトバンク版は3色ですが、ドコモ版は2色になります。メモリとストレージ構成もオープンマーケットは12GB/512GBですが、キャリア向けの2機種は8GB/256GBになります。また、「Perplexity Pro」は、ソフトバンク版のみ、ソフトバンクがオプションとしてつけて6カ月無料になりますが、オープンマーケット版とドコモ版はモトローラの施策として3カ月間無料になっています。

 さらに、ドコモ版はドコモグループが「2040年ネットゼロ」としてサステナビリティを推進していることもあり、環境に配慮した超薄型の個装箱を採用しています。竹とサトウキビでできた個装箱で、スーパーエコフレンドリーです。後は、ドコモ版ではn79(5Gの4.5GHz帯)への対応が必要になるので、そこはハードウェアも少し改修しました。

―― なんと。ドコモ版は無線まわりのハードウェアも異なるのですね。

伊藤氏 はい。n79に対応しているのはrazr 60dだけです。

―― razr 60はキャリア版にそれぞれの名称がついているのに対し、auが販売するrazr 60 ultraはrazr 60 ultraのままです。この違いはどこにあるのでしょうか。

伊藤氏 基本的にメーカーブランドの仕様のものを採用いただきました。これは、「razr 50 ultra」のときも同じような建付けでした。razr 50 ultraはソフトバンクが採用していましたが、そのときにも「s」はつきませんでした。

motorola razr 60 motorola razr 50シリーズとmotorola razr 60シリーズのスペック比較
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年08月13日 更新
  1. 新幹線「独りぼっち席」が話題――「2000円追加で“隣が空席”」との声、なぜ導入? (2026年08月11日)
  2. 楽天の三木谷氏がStarlinkに言及――「正直に言って……」 AST SpaceMobileは過疎地域や海上で効果発揮か (2026年08月10日)
  3. あの「カシャッ!」は意味なし? スマホの「シャッター音」実態に即さず、ネットに見直しを求める声 (2026年06月15日)
  4. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  5. LINEの「ミュートメッセージ」有料化へ 相手のスマホを鳴らさずに送れる便利機能 (2026年08月10日)
  6. なぜ? 「PayPay改悪」といまネットで騒がれている理由 ユーザーがすべき対策を解説 (2026年06月05日)
  7. 【ワークマン】1900円の「アーバンマルチストレージショルダー」 大きく開く小分けポケット搭載 (2026年08月10日)
  8. 【3COINS】360度回転する「ベルトファン」、ハンズフリーで衣服内へ直接送風 1980円 (2026年08月12日)
  9. ソニーに聞く「Xperia 1 VIII」の裏側 デザイン刷新や20万円超えの理由、物議を醸したAIカメラ新機能の真相 (2026年08月10日)
  10. “大画面”を活用できない――サイゼリヤに折りたたみスマホは不向き? 注文UIに賛否 (2026年08月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー