モトローラに聞く「razr 60」の進化ポイント 若年層を取り込んだことでキャリアからも高評価(3/3 ページ)

» 2025年10月28日 10時00分 公開
[石野純也ITmedia]
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レノボグループとしてFCNTと共同でAI機能を開発

―― 今回の対応で、今のところ、グローバルとの機能差はなくなった感じでしょうか。

伊藤氏 基本的には、ほぼ全てが日本語に対応して載った状態になります。機能進化は来年(2026年)以降もありますが、今後はあまりリードタイムを置かずに対応できるようにしていきたいと考えています。

―― moto aiですが、デザインの一部が同じレノボグループのarrows AIと似ていました。この部分も共同開発しているのでしょうか。

伊藤氏 FCNTは今、レノボグループとして同じグループ内にいるだけでなく、開発面での協業も進化しています。AIは日本語対応にどうしても時間がかかるので、FCNTのチームとモトローラ本社のAIチームが一緒になってブラッシュアップし、その結果を共有するということをやっています。

―― 結構ガッツリ協業していますね。

伊藤氏 その他だと、無線系のところですね。電波法違反になってしまうとビジネスインパクトが大きいので、そういった情報は密に共有しています。

―― 他社からもフリップ型スマホは出ていますが、その中でモトローラはどういったポジションを取っていきたいのでしょうか。

伊藤氏 モトローラの折りたたみスマホでよく言われるのは、デザインがいいことです。他社は角ばったデザインが多いですが、うちは角を落とし、色味もパントーンとのコラボレーションで決めています。総じてデザイン面には評価をいただいていますが、これはガラケー(旧来型の携帯電話)のときの「RAZR」から続く、モトローラのDNAだと思っています。

 加えて、機能とスペック、プライスのバランスのよさがあります。例えばサムスンさんの「Galaxy Z Flip7」は価格帯としてもう少し上のセグメントですが、razr 60はそれよりお求めやすい価格設定になっています。ZTEさん(nubia Flip 2)との比較だと、性能とデザインは勝っていると思っています。トータルでのコストパフォーマンスに優れていると自負しています。

目黒蓮さんの起用で若年層を取り込んだ点をキャリアが評価

―― 端末に採用する素材にも特徴があると感じていますが、今回のrazr 60もカラーによって素材が異なります。グローバルでも、この2素材なのでしょうか。

伊藤氏 グローバルではグリーン系の色もありますが、日本ではそれを採用せず、ピンクにしました。CMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)のマテリアルはレザー調のものとアセテートがあります。アセテートは昨年(2024年)、ドコモ向けのrazr 50dでやらせていただきましたが、razr 60dでは、それをグローバルに広げることができました。

motorola razr 60 razr 50dのアセテートがrazr 60ではグローバルでも広がった(写真はrazr 60d)

―― 日本発で世界に広がっているケースもあるんですね。ultraはいかがですか。

伊藤氏 ultraには(グローバルだと)レザー調やウッド素材もあります。

―― 日本で出すのはアルカンターラだけですか。

伊藤氏 それは協議中です。今いえるのは、アルカンターラは絶対に出るということです。カバーをつけずに使いたくなるスマホに仕上がっていると思います。

―― 全体として、販売数は伸びているのでしょうか。

伊藤氏 razr 40から50にかけては伸びました。40のときは、無印のアウトディスプレイが1.5型と小さく、ultraは4型だった一方でFeliCaには非対応でした。ultraにFeliCaがあれば……とずっと言われていましたが、50 ultraになってFeliCaがつき、不満を解消できました。おかげさまで好評をいただけましたが、razr 60シリーズはもっと売っていきたいと思っています。

―― 他社を見ると、キャリア採用のハードルが上がっているような印象も受けますが、モトローラは徐々に採用キャリアが増えています。決め手はどこにあるのでしょうか。

伊藤氏 まずデザインのよさや、AIにしっかり取り組んでいるところですね。単にGeminiを載せるだけでなく、moto aiでパートナーとの取り組みも進めています。後はコストパフォーマンスとマーケティングもあります。目黒蓮さんをアンバサダーにして若年層をしっかり取り込んでいるところも、ご評価いただけています。

取材を終えて:閉じたままコンパクトに使えるフリップ型はAIとも相性がよさそう

 これまで、アウトディスプレイのサイズを拡大して閉じたままの使い勝手を訴求してきたモトローラだったが、razr 60シリーズでは、その部分でのハードウェアの進化が見えなかった。その意味で、端末の形としてはrazr 50シリーズでいったん完成形になっていたといえそうだ。その一方で、razr 60シリーズではAI機能やそれを動作させるための処理能力向上に力を注いでいることが分かった。

 AI機能の強化は各メーカーが取り組んでいるが、閉じたままコンパクトな状態で使えるフリップ型は、その利便性を引き出せる可能性もありそうだと感じた。音声でAIを操作するときは閉じたまま、アプリを使うときには開くというように、形状によって利用する機能を使い分けることができるからだ。AIに特化した小型端末を投入するスタートアップも出てきているのが、razrシリーズのようなフリップ型端末はそれとスマホの中間的な存在になっていくのかもしれない。

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