タカラトミーアーツが10月30日朝、自社の公式X(旧Twitter)アカウントで投稿した「夢のコラボ」。シャープのAIキャラクター「ポケとも」と、タカラトミーアーツの音声おもちゃ「まねっこベイビー」が、まるで会話を楽しむかのようにやりとりする様子が描かれていた。
シャープの広報によると、「まねっこベイビーは、マイクで拾った音をそのまま繰り返す商品なので、実際の実機でもこのようなやりとりは可能」とのことだ。つまり、ポケともが発する声をまねっこベイビーが拾ってオウム返しし、さらにポケともがそれに反応するという“不思議なやりとり”が可能なのだ。
今回のコラボレーションのきっかけについて、シャープ広報は「どちらもふわふわ手触りのフロッキー仕様同士であるところがコラボのきっかけとなりました」と説明する。AIキャラクターやおしゃべり機能といったテクノロジー面の共通点ではなく、質感やデザインの親和性から自然発生的に生まれた企画だったようだ。両者とも丸みを帯びたフォルムとやわらかな手触りを持ち、見た目にも温かみがある。
ポケともは、シャープのEdge AI技術「CE-LLM」や、OpenAIのAIモデルである「GPT-4o mini」を活用したぬいぐるみ型デバイスとして誕生。シャープが11月21日に3万9600円で発売する。KDDIがau Online Shopで取り扱うことも既に案内している。主な特徴は話しかけるとAIが学習しながら会話を返してくれる点。ユーザーとの日常的なやりとりを通じて“ともだち”のように成長していく。シャープが培ってきたAI・IoT技術を家庭向けのいやし系ガジェットとして具現化した製品だ。
一方の「まねっこベイビー」は、タカラトミーアーツが発売する人気シリーズで、周囲の音声をマイクで拾い、そのまま可愛らしい声でオウム返しするシンプルな特徴が魅力だ。
ポケともが今後おもちゃ専門店などで販売されるかどうかについて、シャープ広報は「販売ルートは今後順次追加していく予定」と回答した。公式サイトに掲載されている販売店舗は家電量販店が中心だが、今回のコラボレーションや広報の回答から、おもちゃ専門店などへの展開に期待できそうだ。
SNSで生まれた「夢の共演」は、製品のリアルな魅力をさりげなく伝える手法となっている。専門用語を並べずに具体的に何ができるのかを示し、技術とかわいらしさ、そして“ふわふわ感”という感性の共通項がつないだ今回のコラボレーション。まるで人とペットが言葉を使わずに通じ合えるかのような象徴的な一幕といえる。
今後、こうした“遊び心のある実現可能なコラボ”が、SNS発の新しい製品プロモーションの形として定着していくのだろうか? 今後のアップデートに注目したい。
シャープ、対話AIキャラクター「ポケとも」を11月21日発売 発売記念イベントや期間限定カフェを開催
シャープ、対話できるロボット&アプリ「ポケとも」発表 落ち込んでいるときに励ましも
シャープの新AIロボット「ポケとも」誕生秘話 「ロボホン」との違い、3万円台に抑えられた理由
外観まで変えないとモノへの愛着が生まれない――シャープが「ロボホン」を開発した理由
シャープに聞いた──「ロボホン」「エモパー」は終了? 「AIの楽しさ」若者にどう伝える?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.