KDDIは11月6日、2026年3月期第2四半期の連結決算を発表した。売上高は前年同期比3.8%増の2兆9631億6100万円、営業利益は同0.7%増の5771億5600万円で増収増益だった。
同社の松田浩路社長は、モバイル事業が順調に拡大し、期初の想定通りの進捗(しんちょく)で推移していることをアピール。過年度販促費のマイナス影響が上期で終了するため、下期の利益成長がさらに拡大するとの見通しを示した。
第2四半期単独の業績に対しても、モバイル事業での料金改定の効果が現れて業績は好調だった。四半期の売上高は同6.3%増、営業利益は同11.8%増、当期利益は同20.7%増と向上した。
ユーザー獲得などに関する過年度販促費のマイナス影響が312億円かさんだものの、モバイル事業では111億円、金融・エネルギー・ローソンが127億円といずれも順調に拡大してマイナス幅を吸収。全体では41億円程度だがプラスを確保した。
松田氏はこの過年度販促費のマイナス影響が上期で終了すると説明。大幅なマイナス要因がなくなるため、モバイル事業の成長が加速し、通期では営業利益で300億円超の増加を見込む。金融などの注力領域は下期だけで300億円以上の利益を確保する計画で、特に金融事業では預金の獲得を重視した戦略に転換するとしている。
主力のモバイル事業は、通信品質にこだわって積極的に5G投資を続け、衛星通信のStarlinkなどのパートナーとの連携も行ってきた。これがKDDIならではの価値提供となり、「好循環が動き始めていると実感している」と松田氏は言う。
auならではの特徴としてau Starlink DirectやFast Lane、海外放題といったサービスや新料金プランを投入し、UQ mobileではなくメインブランドのauへの移行も促してARPU(1ユーザーあたりの月間平均収入)の上昇も目指した。
コスト上昇などに対応する料金設定で、基地局を建設するパートナーなどへの価格転嫁にも対応でき、さらに次世代の5GやAIなどへの投資も行って、これが成長につながるという循環が始まっているとする。
料金プランでは、「一部の特定目的の短期の解約を誘発するようなプランや売り方を見直した」と松田氏。低容量プランを中心に、MNPによる転入出を繰り返す利用を排除したことも奏功した。松田氏は、「長く利用していなかった人が解約に至るケースもあるが、長期的な視点で筋肉質な事業基盤にした」と強調する。
こうした長期間の利用を目指し、「ライフタイムバリュー(LTV)」を意識した構造改革に取り組んだ結果、ARPUの成長や解約率の低下を実現した。
根幹となる通信品質では、これまで注力してきた5G投資によって基地局数やエリアも拡大し、Opensignalでの高評価も得られた。Starlinkは既に270万人が接続し、対応機種は76機種、1000万台規模となった。
サービス面で松田氏は、ローソン連携のPontaパスが第2四半期だけで29万の増加となり、ショップのクルーが発案したという毎月5枚のコーヒー無料クーポンを提供するコースが好評だという。「地震の備えサポート」やメッセージサービスのRCSへの対応などをアピールする。
通信品質以外のサービス面などでauを強化してきた結果、UQ mobileからの移行が増加傾向にある。「ついに9月にはプラス反転した」と松田氏。この傾向は10月も継続しているという。
下期はマイナス影響がなくなったことに加え、構造変革の効果がさらに強まることで利益成長は拡大。モバイル収入は上期で前年同期比125億円の増加だったが、それ以上の成長を見込んでいる。
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