NothingがNothing Phoneのエントリーモデルを投入していなかった理由を黒住氏は次のように語る。「デザイン面や機能面、コスト、そして価格のバランスをどうやって最適なところまで持っていくか、われわれの中で探求を続けていたからだ」
Nothingはこれまで、低価格帯のニーズに対してはサブブランドの「CMF」で対応してきた。しかし、Nothingというブランドが持つ高いデザイン性と独自のユーザー体験を、より広い層に届けるためには、一切の妥協を排した「Nothingブランドのエントリー機」が必要だった。つまり、ブランドの象徴であるシースルー構造を維持しながら、4万円台という価格を実現するためには、製造工程や素材の選定において極めて緻密な調整が求められたのだ。
今回、日本での発売がグローバルから約2カ月遅れた背景には、日本市場特有の複雑な仕様への対応があった。「eSIMのサポートやおサイフケータイへの対応、さらには厳格な品質テストをクリアするために時間を要した」と黒住氏は明かす。さらに、「われわれの実力値では、まだグローバルと同じタイミングで出すことはできないが、(FeliCaをはじめ)日本のユーザーのために必要な機能を全て盛り込んだ」と述べる。
Phone (3a) Liteのターゲットは、スマートフォンの高額化が進む中で、日常の道具としての利便性と、自己表現としてのデザイン性を高い次元で両立させたいと願う全てのユーザーといえる。おサイフケータイや防塵・防滴といった生活に欠かせない機能を備えつつ、他とは一線を画す「光る」デザインを持つこの端末は、画一的なデザインに飽きた若い世代や、賢くコストパフォーマンスを見極める層に強く訴求するだろう。特に楽天モバイル限定のレッドは、情熱的でありながら背面ガラスの透明感により、高級感を演出している。
Phone (3a) Liteは、スマホ高騰の中で実用性と個性を両立したい人に向きそうだ。おサイフケータイや防塵・防滴などの必須機能を備えつつ、独自の光るデザインを持つため、画一的な品に飽きた若年層やコスパ重視層に刺さるだろうNothingは2025年を通じて、Phone (3)シリーズを完成させた。フラグシップ、ミドル、エントリーの3ラインアップが出そろったことで、ブランドとしてのビジネス基盤はより強固なものとなった。黒住氏は「2026年はもう少し、もっと拡大していきたい。今の状態に安住せず、とげのあるチャレンジを続け、勢いを持って進んでいく」とする。その第一歩となるPhone (3a) Liteは、同社がニッチな存在から、日本のスマートフォン市場における主要な選択肢へと進化するための重要な鍵を握っている。
1月10日から代官山で楽天モバイルと共同開催するスペシャルイベントは、その熱量を肌で感じる絶好の機会となるはずだ。
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