2026年のスマートフォン、値上げは確実――メモリ不足の影響がパソコン以外にも拡大:石川温のスマホ業界新聞

» 2026年01月11日 11時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 パソコンが品薄状態となっている。

 来年は販売価格の値上げも予想されている。理由はメモリ不足だ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2025年12月27日に配信されたものです。メールマガジン購読(税込み月額550円)の申し込みはこちらから。


 過剰なまでのAIデータセンターへの投資が続き、高性能メモリやNANDストレージの買い占めが進んでいる。特にオープンAI、さらにはNVIDIAが積極的にメモリを買い進めるため、DRAM大手のMicronはAIデータセンター向けに全面シフト。一般消費者向けのメモリ事業から撤退を発表している。

 パソコン市場が異常事態となりつつあるなか、スマホへの影響はあるのか。

 あるメーカー関係者は「すでにメモリの調達が難しくなっている。2026年は値上げもしくはラインナップの見直しをせざるを得なくなってくるかもしれない」と警鐘を鳴らす。

 いくつのメモリメーカーと交渉をしても、調達価格は上がる一方なのだという。グローバルに大量調達を仕掛けても焼け石に水。すでに従来に比べて5倍近く、メモリの価格が高騰しており「お手上げ状態」なのだという。

 そもそも、スマホの値段はここ数年、上昇の一途をたどっている。

 半導体不足や部材価格の高騰、さらに日本においては円安の影響をもろに受けている。

 ハイエンドモデルは30万円を超えるのが当たり前になっている。各社とも8万円程度の価格帯で、売れ筋商品を展開しようと努力しているが、来年は同程度のスペックでも10万円を超えるのが珍しくなくなるかもしれない。

 総務省では端末割引規制の見直しに着手しようとしている。来年の夏頃にはある程度の結論が出るとされている。

 ただ、各キャリアは端末割引規制の見直しには否定的な考えを示しており、仮に規制がなくなったとしても、過去のような割引合戦にはならないと見られている。

 このままスマホの値段は高止まりするだけでなく、メモリ不足によって、さらなる値上げも想定される。

 「オンデバイスAI」でできることを増やすには、大容量のメモリ搭載は避けて通れない。

 AIデータセンターへの投資が結果として、我々ユーザーからオンデバイスAIが普及するきっかけを奪うことになりそうだ。

© DWANGO Co., Ltd.

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