参政党の神谷宗幣氏とひろゆき氏の間で、4月22日から24日にかけて、X(旧Twitter)上で靖国神社境内での撮影ルールを巡る論争が注目を集めた。このSNS上のやりとりは大きな注目を集め、最終的には靖国神社側が公式Webサイト上で見解を発表し、誤解を招いたルールの明文化と改訂を約束する事態にまで発展した。
論争は、神谷氏が行った参拝報告のポストに対して、ひろゆき氏が神社側の規定を根拠に疑問を呈したことから始まった。神谷氏は4月22日、靖国神社の春季例大祭に合わせて昇殿参拝し、玉串奉奠(ほうてん)を行ってきたことを報告する際、拝殿前で国会議員らと撮影した記念写真を投稿した。これに対し、ひろゆき氏は同日、撮影禁止の場所で撮影しており、数字稼ぎに使っているのではないかと厳しく指摘した。
翌23日、神谷氏はこの指摘に対して調べもせずに撮影禁止の場所と勘違いしていると反論し、問い合わせが来て迷惑していると実害が出ていることを示唆した。しかし、ひろゆき氏は24日、靖国神社のWebサイトに記載されていた取材・撮影に関する規定のスクリーンショットを提示し、事前に申請し許可を得る必要があることや、取材許可腕章の着用が求められていることを挙げて再反論を行った。
これに対し神谷氏は、同日中に該当の規定は報道機関向けのものであると一蹴し、長年の参拝経験から実質的なルールを把握していると強調して謝罪を求めた。それでもひろゆき氏は引き下がらず、Webサイトの記載には個人鑑賞の範囲を超える撮影に許可が必要と明記されている点を指摘し、メディア専用と読み取れる記載がないことを盾に追及を続けた。
具体的な日時は以下の通りだ。
この論争の根本的な原因は、靖国神社のWebサイト上の記載内容の曖昧さにあった。当時のWebサイトには以下のように記載されていた。
靖國神社の境内(内苑・外苑)で個人鑑賞の範囲を超える撮影(業務目的や公開目的等)や取材を行う場合は、靖國神社の許可が必要となります。
取材・撮影にあたっては、当社が交付した取材許可腕章を着用するほか、自社腕章・国会バッチ等を着用下さい。
ひろゆき氏は、文面通り公開目的(SNS等での発信)は許可が必要であると解釈した。一方、神谷氏は長年の経験から「これは報道機関向けのものであり、一般参拝者の記念撮影には適用されない」と解釈していた。結果として、文面と実態の間に乖離(かいり)があったことが、この論争を生んだと考えられる。
このSNS上での論争が波紋を広げた結果、事態を重く見た靖国神社は、24日にWebサイトの新着情報として「(4月24日)境内における取材撮影について」という公式見解を緊急で発表した。
靖国神社が示した公式見解と、境内での撮影ルールの実態(許可の要否)は以下の通りだ。
Webサイトで定めていた要領は、神谷氏が主張した通り報道機関による取材・撮影を主な対象としたものであったことが公式に認められた。
肝心の一般参拝者のルールについて、靖国神社は参拝者が参拝を記念して撮影する場合、申請や許可の必要はないと明確に回答した。ただし、無条件というわけではなく、拝殿前において参道中央や石段を登った場所を避けることや、他の参拝者の妨げにならないようにするという条件を守る必要がある。さらに、SNSに投稿しても問題ないと明記され、一般参拝者が記念写真をSNSに公開する行為についても神社側から公式にお墨付きが与えられた。
ただし、靖国神社は厳粛な祭祀(さいし)の場であり、神域の清浄で平穏な環境を護持するため、特定の場所での撮影は誰であっても明確に禁止されている。具体的には以下の場所での撮影が禁止されている。
靖国神社側は公式見解の中で、神社が公開している取材撮影要領が参拝を記念して撮影される方にも適用されると解釈された例があったことを真摯(しんし)に受け止めた形だ。その上で、今後はこのような認識の食い違いやトラブルが生じないように、対象を参拝者と報道機関に分けた明確な要領に改訂すると宣言した。
SNSでの激しい論争は、一般の参拝者がより安心して参拝や記念撮影ができるよう、ルールが明文化されるという建設的な結末へと発展した。
SNS上の意見は、文脈の変わらない範囲で体裁を整えています。
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