オーディオ面でも、Xperia 1 VIIIはスマートフォンとしての限界に挑んでいる。最も大きな進化は、新たに開発された「左右同一のスピーカーユニット」を搭載したフルステージステレオスピーカーだ。スマートフォンは内部スペースの制約が大きく、左右で同じスピーカーユニットを配置するのは困難だが、今回はカメラ配置の刷新などと合わせてそれを実現した。
ユニット自体も前モデルより大型化しており、音圧が12%向上したことで、より深い低音と伸びやかな高音を実現している。ボーカルの定位感や奥行き、広がりが一段と増し、音楽のステージや映画のシーンが目の前に広がるような圧倒的な臨場感を楽しめる。
さらに、ワイヤレスオーディオの接続性も極めて高いレベルに達している。ソニーの新しい完全ワイヤレスイヤフォン「WF-1000XM6」と組み合わせた際、混雑した環境や情報量の多いハイレゾ相当の高音質コーデック「LDAC」使用時であっても、音飛びがほとんどない強固な接続安定性を発揮する。
これは、Xperia 1 VIII側の強力な送信パワーと、WF-1000XM6側の大幅に向上した受信感度という、ソニー製品同士の強力な連携によって実現している。もちろん、音質重視のユーザーのために3.5mmオーディオジャックも引き続き搭載されており、有線イヤフォンでも高品質なリスニングが可能だ。
Xperia 1 VIIIとWF-1000XM6を組み合わせて使うことで、LDAC使用時でも極めて安定した接続を実現する。これは送信パワーと受信感度が向上したソニー製品同士の強力な連携によるものだ。さらに有線派のために3.5mmオーディオジャックも継続して搭載しているカメラやオーディオが内部構造の変更を伴うほどの大きな進化を遂げた一方で、ディスプレイに関してはXperia 1 VIIから特段の進化点が見られない。約6.5型の有機EL、アスペクト比19.5:9、フルHD+(1080×2340ピクセル)、1〜120Hzの可変リフレッシュレートといったハードウェアの基本スペックは、前モデルのXperia 1 VIIと全く同一だ。
AIを用いてブラビア(BRAVIA)の画質をXperiaのディスプレイ上で再現する機能や、背面と前面に搭載された照度センサーを利用して周囲の環境に合わせて画面の明るさや色を自動調整する機能などについても、メーカーの公式資料において「Xperia 1 VII相当」と明記されている。
前モデルの時点で既に、直射日光下でも薄暗い室内でも見やすく、映画館さながらの没入感を得られる高い完成度に達していた。快適な視聴体験を引き続き提供してくれるという点で安心感がある。
SIMロックフリーモデルの市場推定価格は、最上位となる「16GB+1TB」モデルで約30万円前後、最も安価な「12GB+256GB」モデルでも約23.6万円前後と、歴代モデルと比較しても非常に高価な設定となっている。
それでもなお、Xperia 1 VIIIが提示するカメラとオーディオの実力、スマートフォンとしての質感は間違いなく一級品だ。暗所性能が向上した望遠カメラやAF対応のテレマクロを活用したい写真愛好家、高音質フルステージステレオスピーカーや最新ワイヤレスイヤフォンとのシームレスな音楽体験を求めるオーディオファンに薦められる。
そして、約23万円からという高価格でも、無機質で重厚感のある「道具としての所有感」を満たしたいと考える人にこそ向いている、真のフラグシップスマートフォンといえる。
「Xperia 1 VIII」発表 背面デザイン刷新で望遠カメラ強化 約23.6万〜30万円前後
ドコモが「Xperia 1 VIII」を6月11日発売 1年間、約8.1万円から&最大1万5000ポイント進呈
auの「Xperia 1 VIII」は2年間13万700円から au Flex Styleで1TBモデルも29.2万円で販売
ソフトバンクの「Xperia 1 VIII」は1年10.2万円/2年13.8万円から 最大1.5万ポイント還元もあり
ソニー「Xperia 1 VII」で“2つの機能”が省かれた理由 便利だったのに……なぜ?Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.