東急電鉄が車内での「モバイルバッテリー」利用を利用を控えるように案内 相次ぐ発煙/発火事案を受けて

» 2026年06月19日 20時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 東急電鉄は6月18日、「車内におけるモバイルバッテリーの使用についてのお願い」という告知を更新した。同社を含め、昨今モバイルバッテリーの発火事案が増えていることを受けて、車内でのモバイルバッテリーを利用することに加えて、有料座席「Qシート」で利用できるコンセントを使ったモバイルバッテリーの充電を控えるように呼びかけている。

東急電鉄 東急電鉄がモバイルバッテリーの利用に関して呼びかけ

呼びかけに至る経緯

 確認できる限り、東急電鉄では5月18日に池上線の旗の台駅(東京都品川区)で、6月15日に東横線の武蔵小杉駅(川崎市中原区)で停車中の車内でモバイルバッテリーの発煙/発火事故が発生している。

 報道によると、旗の台駅での発煙事案では発火したバッテリーによってケガ人が1人出ている。武蔵小杉駅での発煙事案ではケガ人はいなかったものの、東横線の他、以下の路線で運転見合わせや列車の遅延/運休が発生した。

  • 東急新横浜線
  • みなとみらい線(横浜高速鉄道)
  • 相鉄新横浜線/相鉄本線(相模鉄道)
  • 副都心線(東京地下鉄)
  • 有楽町線(同上)
  • 西武有楽町線/池袋線(西武鉄道)
  • 東上本線(東武鉄道)

 東横線は東京地下鉄(東京メトロ)の副都心線を介して東武鉄道の東上本線(東上線)、西武鉄道の西武有楽町線/池袋線への直通運転を行っている。また、副都心線は和光市駅(埼玉県和光市)〜小竹向原駅(東京都板橋区)の間で有楽町線の線路を利用しているため、東横線は少しでも運転を見合わせるとダイヤ乱れが広範に発生する可能性が高い(※1)。

(※1)車両によって乗り入れ可能な会社や線区が異なるため、車両の運用整理もかなり難しいのだが、その辺の話は割愛する

元町・中華街行き 東横線は、東京メトロ副都心線を介して広範な直通運転を行っている。写真は西武鉄道の池袋線から西武有楽町線、副都心線、東横線を経て横浜高速鉄道みなとみらい線の元町・中華街駅(横浜市中区)に至る西武鉄道所属の電車である(所沢駅で撮影)
森林公園行き こちらはみなとみらい線の元町・中華街駅から東横線、副都心線を経由して東武鉄道東上線の森林公園駅(埼玉県滑川町)に至る東京メトロ所属の電車である(志木駅で撮影)

 モバイルバッテリーの発煙/発火がひとたび発生すると、消防の出動や現場検証などで長時間の運転見合わせが避けられない。また旗の台駅の事案にもあるように、けがをする人が出てくる恐れもある。そのため、東急電鉄は車内でのモバイルバッテリー利用を控えるように呼びかけるに至ったのだと思われる。

航空機では既に厳しい制限

 なお、航空機ではICAO(国際民間航空機関)がモバイルバッテリーに関する規定を緊急で改定し、国内でも国土交通省がそれに合わせた新規定を策定し、4月24日から適用している。この規定では、モバイルバッテリーの機内持ち込み自体は禁止されなかったものの、以下の制限が追加された。

  • モバイルバッテリーの持ち込み個数は最大2個に(1個当たりの容量は最大160Wh)
    • 100Wh以下の予備電池(※2)の持ち込み個数制限はなし(従来通り)
    • 100Wh超160Whまでの予備電池(※2)の持ち込みは個数制限あり
      • 100Wh以下のモバイルバッテリーを2個持ち込む場合は2個まで持ち込み可
      • 100Wh以下と100Wh超160Whまでのモバイルバッテリーを1個ずつ持ち込む場合は、1個のみ持ち込み可
      • 100Wh超160Whまでのモバイルバッテリーを2個持ち込む場合は持ち込み不可
  • 機内でのモバイルバッテリーの利用は禁止
  • 機内でのモバイルバッテリーの充電も禁止

(※1)デジタルカメラなどの電子機器用のリチウムイオンバッテリー(電子機器から取り外した状態のもの)

航空機 航空機では、既にモバイルバッテリーに関する規制が強化されている

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