LINEの新「プレミアムブロック」で完全な“絶縁”が可能に? 従来のブロック機能との決定的な違い(2/3 ページ)

» 2026年07月15日 08時00分 公開
[鈴木朋子ITmedia]

自分を相手の友だちリストから消せる「プレミアムブロック」

 まず、現在のLINEにおける「ブロック」機能の仕様について、あらためて整理しておきましょう。相手をブロックすると、メッセージの受信や通話は遮断されます。しかしその一方で、相手側の「友だち」リストには自分のアカウントが残り続ける仕組みとなっています。

 LINEにはブロックのほかに「非表示」や「削除」といった機能も存在するため、「ブロックした上で削除(通称:ブロ削)すれば、相手のリストからも自分が消える」と誤解しているユーザーは少なくありません。

 LINEの「削除」はあくまで自分のリストから相手を消去する操作であり、相手側のリストには一切影響を与えません。自身の画面からは相手が跡形もなく消え去るため、「相手の画面でも同期しているはず」と錯覚しやすいのですが、実際には相手のリストから自分を消すことはできない仕様です。

 この「相手の友だちリストに残り続ける」という仕様は、ブロックする側のユーザーにとって、メリットとデメリットの両面を持ち合わせています。

 メリットとしては「相手にブロックしたことを知られずに済むこと」です。相手はこれまで通りに「友だちリスト」からあなたを選んでメッセージや通話を送信できます。しかし、メッセージを送ってもずっと未読の状態、通話をかけても応答されない状態になります。「たまたま忙しいだけかも?」という曖昧な状況を作ることができます。

 そのため、ユーザーの間では「ブロックの有無を確かめる方法」がたびたび話題に上ります。代表的なのが、LINEスタンプを相手にプレゼントしようとする検証方法です。ブロックされている場合はプレゼントが完了しないため、その仕組みを利用して判別を試みるのです。

 ただし、その際に表示されるのは「〇〇はこのスタンプを持っているためプレゼントできません」という、相手が実際にそのスタンプを所有している場合と全く同じダイアログです。相手が持っていそうにないニッチなスタンプを選んで試すケースもありますが、本当に所有しているのか、あるいはブロックされているのかを確定させる術はなく、あくまで推測の域を出ません。

 このようにブロックの事実が不透明であるからこそ、仮に相手と対面する機会があっても「最近LINEをあまり開いていなくて」といった言い訳が通用し、相手との余計なトラブルや関係性の悪化を防げるという利点があります。

photo スタンプをプレゼントしようとしても、ブロックの有無を断定することはできません

 一方で、明確なデメリットも存在します。多くの場合、ブロックに至る段階で人間関係は破綻しており、相手にブロックを察知されても構わないというケースも少なくありません。それにもかかわらず、相手のリストには自分が残り続けるため、プロフィール画像やステータスメッセージを変更するたびに、その最新情報が相手側に共有され続けてしまうのです。

 例えば、中学生のときに絶縁した相手を、高校進学のタイミングでブロックしたと仮定します。その後、こちらが大学を卒業し、社会人となり、結婚を迎えたとしても、相手の画面からはずっと自分のライフステージの変化(プロフィールの更新など)を閲覧され得る状態が続くことになります。

 これは大げさな例え話ではなく、当時中高生だった世代がちょうど社会人や既婚者となっている今、まさにユーザーがこの状況を体験しているタイミングなのです。LINEは15周年を迎え、これからも日本のインフラとしての役割を果たしていくとみられますが、それだけサービスの歴史が長くなるほど、こうした状況も増えていきます。

 Instagramをはじめとする多くのSNSでは、ブロックを実行すると相手のフォローリストから自分のアカウントが即座に消失し、DMの送受信も不可能になります。一方で、同じメッセージアプリであるMetaの「WhatsApp」では、ブロックによってプロフィール写真は非表示になるものの、相手の連絡先リストには残り続ける仕様を採用しています。

 すなわち従来のLINEは、オープンなSNSというよりも、クローズドな連絡手段(メッセージアプリ)としての系譜を忠実に引き継いでいたと言えます。しかしながら、やはり「断絶した相手の画面から、自分の存在を完全に消し去りたい」と切望するユーザーの声は根強く存在していました。

 LINEヤフーの上級執行役員である舛田淳氏も、15年間にわたるサービス運用の中で「相手側のリストからも自分を削除してほしい」という要望が、極めて多く寄せられていた事実に言及しています。

 こうしたユーザーの長年の要望に応える形で導入されるのが、今回のプレミアムブロックというわけです。同機能は8月以降、テスト機能を先行体験できる「LINEラボ」にて無料で提供され、今秋以降に月額制メンバーシップ「LYPプレミアム」の限定特典として正式に実装される予定となっています。

photo プレミアムブロック含む4つの新機能は8月以降にリリースされます

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