ソフトバンクのスマホ契約数減はいつ止まる? 宮川社長が反転の時期を語る ホッピング対策は「真剣にやりすぎた」(1/2 ページ)

» 2026年08月04日 19時21分 公開
[石井徹,ITmedia]

 ソフトバンクは8月4日、2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の決算を発表した。連結売上高は前年同期比9.4%増の1兆8147億円、営業利益は4.0%増の3023億円と増収増益だった。

 一方、モバイルの契約数に目を向けると様相が変わる。主要回線数は4111万4000件と、前年同期から24万件あまり減った。同日の決算説明会では、宮川潤一社長が減少の理由と反転の時期を語った。

ソフトバンク決算 決算説明会に登壇したソフトバンクの宮川潤一社長
ソフトバンク決算 第1四半期の売上高は前年同期比9%増の1兆8147億円だった

ホッピング対策を「真剣にやりすぎた」

 契約数の減少は足元でも続いている。宮川氏は「7月は18万くらいの契約者減」と明かした上で、「Q2はそういうことはもうない。Q3以降は逆にプラスに転じていく」と述べた。

 主要回線の内訳を見ると、スマートフォンの契約数は3183万5000件で、前年同期から11万6000件減った。減少の背景として宮川氏が挙げたのが、2025年末から取り組んできた、特典目当てに乗り換えを繰り返すホッピングユーザーへの対策だ。宮川氏は「少し真剣にやりすぎた結果、残念ながら数が取れなくなってきている」と率直に認めた。

 一方、第1四半期の解約率は1.35%と、前四半期の1.71%から低下した。解約には歯止めがかかっている。宮川氏は解約率が6月から改善していると説明し、「7月の結果を見ていると、8月、9月と順調にいくのではないか」と語った。今は「我慢のしどころ」だという。

値上げによりARPUは200円増へ

 契約数が減っても、モバイル売上は前年同期比30億円増の4005億円と増収を保った。単価の上昇が数の減少を補う構図だ。第1四半期のモバイルARPUは3770円で、前年同期の3700円から上昇した。

 そして、単価を押し上げたのが6月2日に提供を開始した新料金プラン「ペイトク2」だ。データ無制限の通信にPayPayの決済特典を組み合わせた「ペイトク」の後継で、月額1万538円と旧プランより913円高い。PayPayカード ゴールドでのポイント付与率を+10%に倍増し、決済還元と各種割引を差し引いた「実質3678円」を訴求している。

 さらに、既存料金プランの値上げも通信料の単価を押し上げている。Y!mobileは6月2日から220〜330円、ソフトバンクブランドは7月1日から110〜550円を引き上げた。NTTドコモ、KDDIに約1年遅れての追随で、値上げ分の付加価値として衛星通信「SoftBank Starlink Direct」や混雑時の優先通信「Fast Access」、追加料金なしの「海外データ放題」をプランに応じて付与している。宮川氏は、第2四半期以降はARPUが前年同期比で200円前後増加するとの見込みを示した。コストが上がり続ける中、コスト構造の変化も踏まえてネットワーク強化とサービス向上を進めるという。

ソフトバンク決算 モバイルARPUは第1四半期に前年同期比60円増に転じた。第2四半期以降は200円前後の増加を見込む

ahamoとは競争しない

 値上げで単価を上げる一方、データ容量の競争には加わらない。NTTドコモが8月に「ahamo」の容量を30GBから40GBに引き上げたことへの対応を質疑応答で問われると、宮川氏は「現時点では追っかけるつもりは実はない」と明言した。中容量帯は競争が激しく、これ以上激しさを増しても状況は変わらないと判断した。データ増量オプションを組み合わせれば競争力を保てるとの認識も示した。

メモリ高騰、ハイエンドモデルに影響

 「本当にもうアホみたいに上がってしまった」。宮川氏がこう表現したのはメモリの価格だ。「下期のモデルぐらいから、一部機種で影響は出始める」と見通しを語った。値上がりの波を受けやすいのはハイエンドモデルで、購入時の負担増は避けられないとみる。一方のローエンドモデルは、高騰を見込んであらかじめ在庫を積み増したため、今期中の影響は避けられるという。

 第1四半期の端末出荷数は170万5000台で、前年同期の189万9000台から減少した。物販等売上は、端末の平均単価の上昇により前年同期比5.8%増の1849億円だった。

 販売ルールの在り方にも踏み込んだ。端末価格そのものが上がれば、値引き規制の下では利用者の負担軽減に限界があるとの認識を示した上で、乗り換えを繰り返すホッピングユーザーではなく、同じ回線を長く使い続けると約束する利用者に還元する仕組みづくりを提唱した。今後も発信を続けていくという。

減益覚悟の第1四半期は「想定よりずっといい結果」

 コンシューマー事業の第1四半期は、売上高が前年同期比4.4%増の7497億円、セグメント利益が0.6%減の1529億円だった。過去に計上した獲得費の償却負担が重い時期にあたり、宮川氏は減益を覚悟していたというが、「想定していたよりはずっといい結果になった」と振り返った。利益の通期計画に対する進捗(しんちょく)率は27%で、通期での増益を目指す考えを示した。

ソフトバンク決算 コンシューマー事業の第1四半期営業利益は通期予想の27%に達した
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