「手に届くハイエンドスマホ」にも“値上げ”圧力――FCNTは「arrows Alpha2」の価格をいかに抑えようとしたのか?(3/4 ページ)

» 2026年08月19日 16時30分 公開
[井上翔,ITmedia]
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ユーザーの声で「フラットボディー」に カラーは4種類を用意

 arrows Alphaでは、MIL-STD-810H(MIL規格)の23項目に準拠する耐環境/耐衝撃性能を備えていた。特に耐落下性能は、MIL規格を超える「1.5m地点からの落下」でも画面が割れにくいことが好評だった。arrows Alpha2でも、「手の届くハイエンド」というコンセプトを維持するからには、頑丈さの維持/向上も課題となる。

 一方で、arrows Alphaでは「画面のベゼル(額縁)が太い」「画面保護フィルムが貼りづらい」「リアの丸みが古くさい」「ボディーカラーが2色しかない(少ない)」といった不満の声もあったという。arrows Alpha2では、これらに対する“改善”も必要だ。

先代の不満 デザイン面での満足度は高めだった先代だが、それでも「ベゼル太い」「保護フィルムが貼りづらい」「リアの丸みが古さを感じる」「カラーが少ない」といった声は少なからず寄せられていたそうだ

 そこでarrows Alpha2では、ボディーに先代と同様のアルミニウムフレームを使いながらも、背面パネルをフラットなグラスファイバーに変更した。また画面ガラスは曲面処理のないフラット形状とし、素材もCorning製の「Gorilla Glass 7i」から「Gorilla Glass Victus 2」に変えている。

 これらの変更により、本体の強度は約40〜70倍に、強靱(きょうじん)性と耐久性は約30〜50倍となり、画面の耐衝撃性は「1.8m地点からの落下」にも対応できるようになった。そして画面保護フィルムも貼りやすくなった。

ベゼルとガラス ベゼルはより狭くした上で、ガラスをGorilla Glass Victus 2に変更してフラット化した。これにより、画面保護フィルムを貼り付けやすくなった
背面 背面の仕上げも変更している

 カラーはBlack(Indigo)とWhiteに加えて、Red、Blue Greenも用意した。より幅広いユーザー層に訴求するためだ。

色は4つ 先代はあえてBlackとWhiteの2色に絞ったが、今回は4色展開としてより幅広いユーザー層に訴求する

淡水での水中撮影にも対応(簡単ではない)

 arrows Alpha2では、新たなチャレンジとして淡水環境下でのカメラ撮影に対応することになった。

 先代のarrows AlphaでもIP6X等級の防塵(じん)性能と、IPX6/8/9等級の防水性能を備えている。特にIPX9等級については、「手の届くハイエンド」としての価値を高める役割を果たした。

 水中カメラ撮影を実装するに当たっては、「カメラのシャッターをどうやって切るのか?」という課題がある。本体単体で対応する場合、水中では画面パネルの静電容量式センサーが使えないため、シャッターを切るために本体の物理キー(ボタン)を用いることになる。

 しかし、従来の防水性能の試験ではキーを“押した”状態は想定していない。要するに、水中撮影機能を実装するにはキーを押した場合に浸水しない本体設計が求められるのだ。

 そこでarrows Alpha2では、物理キーの止水機構を新規開発した上で、キーを押した際に水没しないかどうかの試験を追加した。これにより、淡水での水中撮影が可能となった。

水中撮影機能 arrows Alpha2の特色である「淡水での水中撮影」は……
構造上の課題 機能を担保する際に課題が複数あり……
解決 それを解決するための機構を開発し、試験も追加した

メインカメラやバッテリーも強化

 arrows Alpha2のアウトカメラは約5000万画素の「メイン(広角)カメラ」と「超広角カメラ」のデュアル構成で、パッと見の構成はarrows Alphaと変わらない。しかし、メインカメラのセンサーはソニーセミコンダクタソリューションズ製の「LYTIA LYT-700C」から同社製の「LYTIA LYT-710」に変更された。

 LYT-710はLYT-700Cの改良モデルで、センサーの上層部を変更することで感度向上とノイズ軽減を実現しているので、低照度における撮影品質が向上している。

 加えて、arrows Alpha2では4K(3840×2160ピクセル)動画撮影時の最大フレームレートが30fpsから60fpsに引き上げられている。

カメラ アウトカメラのメインセンサーは改良版に置き換わった
暗所 センサーの上層部を変更したことで、低照度撮影時のノイズが軽減している
動画 4K動画の撮影時の最大フレームレートが引き上げられた

 バッテリーの容量(定格値)は、5000mAhから5340mAhに引き上げられた。そうすると「バッテリーのサイズが大きくなったのかな?」と思いがちだが、負極の素材にシリコンを混ぜ込んだ「シリコンカーボンバッテリー」を採用することで、むしろ薄型化できたという。

バッテリー シリコンカーボンバッテリー(負極にシリコンを配合したリチウムポリマーバッテリー)を採用することで、定格容量を増やしつつもむしろ薄型化できたという

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