ドコモ、2027年度中に「5Gエリア=SA対応エリア」目指す 品質1位にこだわらず“体感品質”の向上を重視(2/2 ページ)

» 2026年09月15日 00時00分 公開
[田中聡ITmedia]
前のページへ 1|2       

外部パートナーの連携や新技術の採用も推進

 品質改善やサービス拡張に向けた他社連携も加速している。

 三菱地所と大手町・丸の内・有楽町エリアにおける次世代スマートシティー構築で合意し、景観に配慮したミリ波のアンテナ設置などを推進する。三井不動産らが設立したシェアリング事業会社に出資し、建物内の通信環境改善を進める。

 ドコモ2026年6月に、電波オークションで26GHzのミリ波(400MHz幅)を落札して割り当てが決まった。既存の28GHz帯(400MHz幅)と合わせてミリ波の帯域を強化し、スタジアムや都市中心部へ適用していく。

ドコモ 新たに割り当てられた26GHz帯のミリ波を、高トラフィックの発生する場所へ有効活用していく

 衛星通信サービスの「docomo Starlink Direct」については、8月14日にStarlinkと「Starlink Mobile V2」契約を締結し、2028年度中に音声通話やブラウジング機能などを提供する。9月1日にはアメリカ、カナダ、フィリピンを対象とした国際ローミングを開始し、順次提供エリアを拡大する。

単一の指標だけでは判断しない Opensignalの品質1位にはこだわらず

 着実に通信品質の改善を進めているドコモだが、SNSではいまだに「ドコモが遅い」という声が絶えない。同社はどのような指標を持って「改善した」と判断しているのか。引馬氏は「単一の指標だけで判断するのは危険だと考えている。そのため、コールセンターへの申告、SNSの投稿、ユーザーの体感データやトラフィックデータを組み合わせて判断している」と答える。

 SNSでは具体的な場所が特定できる投稿をピックアップして分析している一方で、声を上げないユーザーもいるため、体感データなどで潜在的に品質が低いエリアを特定し、現地調査を行って対策を急いでいるという。

 通信品質の悪化が目立ち始めた初期の段階(2023年頃)と比べると、「品質が改善していることはデータ上でも確認できている」と引馬氏。ただし、SNSの声やユーザーからの申告は増減を繰り返すため、対策の実施とユーザーへの認知向上の両面で「つながらない」という声を減らしていく方針だ。

 認知向上に向けた取り組みについては「地下鉄の駅や名古屋駅など、明確に改善した場所ではプロモーションを実施している」と引馬氏。この他、改善したエリアをよく利用する人に対してアンケート調査を行ったり、4G端末を利用しているユーザーに5G端末への買い替えを提案するマーケティングを行ったりしている。5G端末にすることで、より改善を体感してもらう狙いがある。

 通信品質のよさを図る客観的な指標として、調査機関の英Opensignalが実施している「一貫した品質」がある。ドコモの前田義晃社長はかねて、Opensignalの一貫した品質で1位を目指すと公言していたが、その壁は高く、2026年の1月〜3月の調査ではドコモは最下位となってしまった

 引馬氏は「Opensignalの指標は当然意識しているが、お客さまの体感品質を引き上げることを最優先課題としている」と述べ、特定の調査スコアで1位を取ることにこだわらない姿勢を示した。「お客さまの体感品質が向上する結果として、各種スコアも自然とついてくると考えている」(同氏)

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月15日 更新
  1. 出そろった「iPhone 18 Pro」の価格を4キャリアで比較 ソフトバンクが衝撃の安さ、楽天モバイルが異例の施策 (2026年09月13日)
  2. 15日配信「iOS 27」の新機能まとめ Siri AIの恩恵を受けられる機種は? 画像編集やSafariにも注目 (2026年09月14日)
  3. 「iPhone 18 Pro」は何が進化した? 「iPhone 17/17 Pro」とスペックを比較 全て20万円超えの価格が悩ましい (2026年09月10日)
  4. iPhone Duoに競合メーカーが続々反応 「折りたたみの世界へようこそ」「Google Homeスピーカー21個買えます」 (2026年09月14日)
  5. 「iPhone Duo」でAppleの“折りたたみスマホシェア”は全世界5割超に? 激変するフォルダブルスマホ市場 (2026年09月13日)
  6. 「折り目があります」――Apple初の「iPhone Duo」実機画像がSNSで物議、高価ゆえにガッカリか (2026年09月10日)
  7. 【ワークマン】780円の「アウトドアギアポーチ」 ベルトループ幅を3段階で調節できる (2026年09月13日)
  8. ノキアがNTTドコモに納めた「MantaRay SON」を紹介――これで長年、苦しんできたネットワーク品質の改善に期待 (2026年09月13日)
  9. 「iPhone Duo」登場の裏で「iPhone 18」が発表されなかった理由 変わりゆくラインアップ戦略を読み解く (2026年09月12日)
  10. Galaxy Z Fold8の「折り目ゼロ」という誤解で物議 実機で検証しつつ、サムスンに公式見解を聞いた (2026年09月12日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー