通信関連のトラブルを防ぎ、ユーザーのスムーズな開通を支援するため、IIJはサポート施策を強化している。Web上の設定手順書を「新規設定」「機種変更」「デュアルSIM利用」など利用シーン別に細分化した他、紙の付属物も抜本的に見直した。
2025年11月には、従来の簡易な台紙からA6サイズ・8ページの「初期設定ガイド」冊子へとリニューアル。2026年5月にはさらに改良を加えた第2版をリリースした。冊子の中身は、物理SIMとeSIM、機種変更の導線を明確に分け、詳細な設定はQRコードからWeb手順書へ誘導する構成になっている。
リニューアルした初期設定ガイドの冊子。こちらは契約後に物理SIMを設定する内容がメインで、回線切り替え手続きやSIMの取り付け、iOSはAPN構成プロファイル、AndroidはAPN設定などの手順が記載されている制作にあたっては、社内でモバイル技術に詳しくない社員を呼び出し、実際に冊子を見ながら設定してもらうユーザーテストを実施した。その際、どこでつまずくのか、なぜプロファイルを消したくなるのかといった心理まで洗い出した。
「電話ができないとなると、(eSIMを)消して1からやり直したくなるという心理があるようです。ちゃんとした手順をしっかり確認せず、さまよった揚げ句に消してしまうということもありました」(吉橋氏)
新しいiOSやiPhoneへの迅速な対応もIIJの強みだ。毎年秋のiOSアップデートや新型iPhoneの発売時には、リリース直後の深夜や端末入手直後の日中にリアルタイムで動作検証を実施。自社SIMだけでなく、他社SIMを含めたとデュアルSIM環境での検証を行い、素早く情報を発信している。
iPhoneの発売日は「時間との勝負」(廣嶋氏)だといい、慌ただしい1日になる。動作検証用に新しいiPhoneを1〜2台予約して購入する。スタッフが購入したiPhoneを会社へ持ち帰った昼頃から検証が始まり、16時以降にIIJmioの対応状況に関するお知らせを掲出している。
iPhone 17がeSIMのみ対応になったことで、eSIM利用者が増え、サポートの負荷も増すことは容易に想像できる。IIJとしては「iPhone 16が発売された2024年から、いつeSIM専用端末が来てもいいように、毎年覚悟を決めていた」(廣嶋氏)そうだ。こうした準備や過去のノウハウが、現在の充実したサポート体制につながっている。
現在、新規申し込みにおけるeSIMの割合は、タイプA(au回線)で約6割、タイプD(ドコモ回線)で約4割に分かれている。2026年9月には、au回線のデータeSIMと、ドコモ/au回線のSMS対応eSIMの提供を開始し、eSIMのラインアップがさらに拡充した。
9月18日にはeSIM専用機の「iPhone 18 Pro」「iPhone 18 Pro Max」が発売され、eSIMユーザーがさらに増加するだろう。物理SIMからeSIMへの移行が加速する中、IIJは手厚いサポート体制と継続的な導線改善を通じて、誰もが安心してeSIMを使える環境づくりを推進している。
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