―― 回線数も20万が見えてきたというお話をされていました。上位MVNOになるのも時間の問題でしょうか。
猪腰氏 着々と増えています。皆さんが公表されているわけではないので、どの程度かは分かりません。ただ、今は活動しているところも限られていて、全国規模でちゃんとやっているのは10社前後ではないでしょうか。J:COM MOBILEのように、チャネルを限定してガッツリやっているところはありますが、一般市場に風呂敷を広げているところは意外と少ない。そういうところには勝ちたいですね。KABU&やANAモバイルのように、顧客基盤が強いところもいて悔しいと思うことはありますが……。
―― その点だと、ANAモバイルやJALモバイルも競合になってくるのでしょうか。
猪腰氏 その2社とは、むしろかぶっていないと思っています。航空会社系が一番刺さるのは、マイレージをためている方です。確かに(マイレージを獲得して上級会員を目指す)修行をしている人への吸引力はものすごい。ただ、一方で、マイルをためていない人にとっては、マイルがたまるからといってどうなるのとなりますし、圧倒的にそこに行かない人の方が多いと思います。また、格安SIMのユーザーが海外旅行にバリバリ行くかというと、基本は少ない。必ず巻き返そうという心意気でやっています。
―― 今回は、旅行系の特典として無料の海外eSIMをつけましたが、以前からHISとの特典などは多かったと思います。ここは新料金でもそのままでしょうか。
猪腰氏 全部続いていますし、増やせるものは増やしています。これまで以上に、グループ会社の特典を紹介できるようにしたいと思っています。
例えば、HISの子会社に九州産業交通グループというバス会社がありますが、熊本の震災でダメージを負っています。熊本では最大のバス会社なのですが、Webで地場の商品を扱っているので、一緒に復興キャンペーンをやりましょうということで、5%割引をしつつ、売り上げの5%を寄付するという取り組みをすぐにやろうと思っています。そういうことを発信できるのがHISグループにはなかったりするので、役割としてやっていきたいと考えています。
―― ちなみに、9月17日からというのは、新しいiPhoneも意識したのでしょうか。
猪腰氏 そう思いますよね(笑)。iPhoneの発表中はやめたかった。(iPhoneの発表イベントがある)9月10日はなるべく避ける形で(発表会を)前倒ししました。ただ、本当に発売が終わってからだと遅いので、発表後にメディアが沈静化してくる17日を狙いました。基本、9月に発表するときはそれを想定しています。Apple Storeで買ったiPhoneで使えるプランがあるということには、価値があると思っています。
自由自在2.0プランは、10GB以上の競争力が低く、そのためにMVNOのオススメにピックアップされづらい構図があった。ここを強化することで全体的に露出が増え、主力になっている1GBプランや7GBプランのユーザー獲得も増えるという波及効果を想定しているようだ。また、契約後に使用量が増え、データ容量が足りなくなったユーザーの受け皿になることで解約抑止を図る狙いもある。
一方で、自由自在3.0プランの真の特徴は、単なる料金ではなく、無料の海外eSIMなど、旅行にひも付いたサービスにある。MVNOが安いのはもはや当たり前。その上で、どんな差別化を図るかが重要になる。自由自在2.0プランのころからHIS本体との連携を強めていたHISモバイルだが、その傾向がさらに強くなったといえそうだ。音声フルMVNOへの参入で、サービスに磨きがかかることにも期待したい。
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