米Googleの開発担当者マーク・デローラ氏とマイケル・マヘモフ氏は、欧州で開催された「Games Developer Conference」において「Chrome Web Store」の開設準備状況を説明した。このカンファレンスでChrome Web Storeの説明があったのは、同ストアの主眼がWebユーザーへのオンラインゲームの提供に置かれるからだ。
Googleは5月19日(米国時間)に、「Google I/O」カンファレンスでChrome Web Storeを発表した。同ストアは、開発者が無償あるいは有償のChrome用Webアプリをコンシューマーに提供するのを支援するのが目的だ。
約7000万人のGoogle Chrome Webブラウザのユーザーは、同ストアでWebアプリを検索できるだけでなく、Chrome内にショートカットを作成して容易にアクセスできるようになる。
Chrome Web Storeは米AppleのApp Storeと競合することになる(Android MarketだけがApp Storeのライバルである必要はない)が、同ストアではAndroidスマートフォン向けのアプリではなく、Chrome搭載タブレットなどの端末向けのアプリを提供する。
ゲーム専門ブログの1Up.comによると、Google幹部らはGames Developer Conferenceにおいて、Chrome Web Storeは10月に営業を開始する予定だと話した。
Googleはアプリ販売代金の5%を手数料として徴収し、残りは開発者の取り分となる。アプリ販売代金の20〜30%を手数料として取られるのに不満を抱いているプログラマーにとって、これは確かに魅力的な条件だ。
Chromeはなぜゲームに向いているのだろうか。「もちろん、高速だからだ」とデローラ氏はプレゼンテーションで語った(リンク先はプレゼンテーションの動画)。
Chrome Web Store自体がまだ立ち上がっていないのだから、そう言われてもピンと来ない。では、同ストアがこれほど注目されるのはなぜなのだろうか。
Chrome Web Storeの成功の鍵を握るのは、開発中の「Chrome OS」だ。
Download Squadの未確認スクープ記事によると、Chrome OSを搭載した最初のタブレット型コンピュータは、クリスマス休暇に間に合う11月26日に登場する予定だ。
Chrome OSタブレットは、Chrome Web Storeから提供されるゲームをプレイするのに適した端末になりそうだ。では、Googleの真の狙いはどこにあるのだろうか。
Chrome Web StoreおよびChrome OSタブレットが登場するころに、Googleは「Google TV」をリリースする予定だ。これはChrome用Webアプリとテレビ番組を大画面テレビ上で統合するシステムで、キーパッドを備えた特殊なリモコンで操作する。
Google TVが本当に登場すれば、ユーザーはさらに大きな画面でゲームを楽しめるようになるだろう。
この間のGoogleの動きを見れば、Webアプリ(特にゲーム)、そしてユーザーがオンラインでゲームに参加する機能が、SNS(ソーシャルネットワーク)分野を狙ったGoogleの計画(「Google Me」と呼ばれているようだ)の中心にあることは明らかだ。
Googleはソーシャルゲーム企業の米Zyngaに1億ドルを投資し、ソーシャルアプリメーカーの米Slideおよびイスラエルの新興ゲーム企業LabPixiesを買収し、さらに先週には仮想通貨システムの新興企業の米Jamboolを獲得した。
「Plants vs. Zombies」などのゲームにフォーカスすると思われるChrome Web Storeは、このパズルを埋める大きなピースになるかもしれない。
ユーザーがSNSサービスのGoogle Meを通じてChrome Web Storeからダウンロードしたゲームにアクセスし、ほかのユーザーとオンライン上で一緒にプレイするといった状況を想像していただきたい。米Facebookも真っ青といったところだろう。
要するに、ゲームは現在、Googleが最重視している分野だということだ。
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