ITmedia NEWS > 製品動向 >
レビュー
2013年09月18日 10時01分 UPDATE

それは調和による進化――iOS7の魅力を引き出す“2つのiPhone” (3/3)

[神尾寿,ITmedia]
前のページへ 1|2|3       

iOS7でさらに進化した「地図」と「カーナビ」

 iPhone 5sとiPhone 5cに合わせたiOS7では、デザインが抜本的に変わっただけでなく、大小200以上の新機能が搭載された。それらひとつひとつが紙数を尽くして紹介したいが、今回、特に筆者が感嘆したのが、Apple製の「地図」と「カーナビ」の進化である。

 周知のとおり、Apple製の地図といえば、昨年iOS6で投入された当初は荒削りであり、それまで標準採用していたGoogle Mapsベースのものより見劣りするものだった。しかしその後、Appleは着実に地図データの修正を図り、精度を向上。そしてiOS7では新しいUIデザインになり、Google Mapsに引けを取らない地図サービスにまで成長した。

 とりわけ進化が著しいのが、クルマ向けの「ターン・バイ・ターンナビ」である。これはGPSを用いたPNDライクなものだが、Retinaディスプレイの高精細さを生かして従来よりも見やすい地図と、分かりやすい案内になっている。過去に問題になった案内ガイド音声の不正確さや交差点名で案内されない点などはすべて改善された。表示される情報量も増えて、ナビ案内中に目的地までの所要時間・残り距離・到着予想時間まで表示されるようになっている。Appleのターン・バイ・ターン・ナビの魅力である3D表示と俯瞰表示が滑らかなアニメーションで切り替わるところはさらに強化され、よりスムーズで見やすいものになった。

photophoto iOS7ではマップのUIデザインと機能が変わり、カーナビ機能の「ターン・バイ・ターンナビ」も強化された
photophoto iOS6(写真=左)のころのターン・バイ・ターン・ナビと比べて、iOS7(写真=右)ではデザインがすっきりと見やすくなり、一方で情報量が増えたことが分かる

 細かな部分では、日本で一般的なVICS渋滞情報に対応しておらず、渋滞回避機能などがないといった課題もある。しかし事業者向けには有料販売されているVICS渋滞情報を、無料で利用できるAppleのターン・バイ・ターン・ナビで提供せよ、というのも酷な話だ。少なくとも「無料のスマートフォン向けカーナビサービス」としては、Appleのターン・バイ・ターン・ナビは最も優れたものになったと筆者は断言する。

 一方、歩行者向けの地図はどうか。

 こちらもベースとなる地図データの精度が上がり、実用上、まったく問題がないものになった。Appleのマップの特長であるベクターベースの地図は、スクロールや拡大縮小もスムーズであり、地図精度が上がればそれらの美点が生きてくる。さらにiOS7では、自分の現在地やドロップしたピンの場所を、シェアボタンを押すだけでメッセージやメール、Twitter、Facebook、AirDropで簡単に共有できるようになっている。これは待ち合わせ場所の連絡やスポット情報を共有したいときに、とても便利だ。

photophoto 通常走行時は3Dビューで遠くまで見渡せ、交差点が近づくと2Dの俯瞰表示にスムーズにアニメーションしていく。このカーナビ画面の作りはとても見やすく先進的で、Appleらしいデザインのこだわりになっている
photophotophoto iOS6(写真=左)とiOS7(写真=中)のApple製「マップ」と、iOS向け「Google Maps」(写真=右)の比較。Apple製の地図もデータ精度が向上し、かなり見やすくなった。特にiOS 7ではUIもシンプルになって見やすい。Google Mapsに負けないレベルになってきたと言える
photophotophotophoto そして、Google Mapsより使いやすいと感じたのが、位置情報や地点の共有機能だ。類似の機能はGoogle Mapsにも存在するが、iOS7の方がシェアボタンから簡単に利用できて、直感的で分かりやすい。Air Dropで近くの友達に、設定した待ち合わせ場所をダイレクト送信することもできる。総合的な地図サービスの使い勝手は、Google Mapを上まわると言えるだろう

 Appleはこの1年、ユーザーからの不満が殺到したマップを地道に改善し続けてきた。地道な地図データの精度向上と、iOS7によるUIデザインや機能面の改善が合わさり、今回の「マップ」は本当に使いやすいものになった。これならもうGoogle Mapsアプリがなくても困ることはないだろう。

 Appleの新しい地図サービスは、iPhone 5sやiPhone 5cユーザーだけでなく、iOS7を導入したすべてのユーザーに試してもらいたいと思う。

そして、“iPhoneにしない理由”はなくなった

 iOS7が動くiPhone 5sとiPhone 5cを試しながら、常に感じていたのは、どちらも真新しいものでありながら完成度が高いということだった。OSとハードウェアがきちんと調和し、どちらか片方だけではなしえない、ユーザー体験全体での進化と洗練を実現している。

 このApple流のユーザー体験は、スマートフォンにあまり詳しくない一般ユーザーにとってメリットが大きいものである。とりわけフィーチャーフォン(ケータイ)から初めてのスマートフォンを買おうとしている人にとって、今回の新型iPhoneはどちらも最良の選択肢と言えるだろう。一方で、これまでiPhoneを使い続けてきたユーザーにとっても、iOS7とそれにあわせて刷新された新しいiPhoneは新鮮な驚きとなるはずだ。

 そして今年は、日本最大手キャリアのNTTドコモもiPhone 5sとiPhone 5cを発売する。これまで「ドコモから他キャリアに移りたくない」と考えたユーザーが、ようやくiPhoneを買えるのだ。今回、筆者はドコモ版iPhone 5sを試したが、そのネットワーク品質は安定しており、とても快適だったことを付記しておく。このiPhoneの3キャリア販売体制の構築によって、iPhoneにしない理由はいよいよなくなったと言える。

 iPhone 5sとiPhone 5cの発売は、明後日の9月20日に迫っている。iOS7と新たなiPhoneがいかに魅力的か。ぜひ実機を手にとって試してもらいたいと思う。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.