i:robeシステムの全貌と未来への予感(4/5 ページ)

» 2004年12月09日 18時17分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

IR-500とS-HD-100のシステムにプリンタも追加してみよう

 いよいよシステムの完成に向けてプリンタP-S100の追加だ。

 このプリンタはデザインこそi:robeシステムに合わせてあるものの、汎用的なPictBridge対応写真用プリンタとしても使える。PictBridge対応デジカメをUSBでつなげばダイレクトプリントが可能なのだ。

 今回はもちろんi:robe用システムとして使う。

画像 ペーパーカートリッジを装着したP-S100。カートリッジは飛び出るが本体は白くて四角くてシンプルなスタイリッシュなプリンタ

 S-HD-100とP-S100はUSBではなく別売りの専用ケーブルでつなぐことができる。そうすることでデジカメIR-500とプリンタP-S100までの3台がシームレスでつながるのだ。

画像 背面にはUSB端子が2つと(一つはPictBridgeでデジカメをつなぐためのもの、もう一つはPCとの接続用)HD100とつなぐための専用の端子がある。カバーをスライドさせて切り替える

 IR-500であらかじめプリントしたい写真を予約しておく。そしてクレードルにセットすると、S-HD-100のHDDに画像が記録され、そのあとで自動的に指定した写真だけをプリントするという一連の作業が自動的に行われるのだ。これはなかなか便利。ほっておけばいいのだから。

 P-S100はデザイン以外は普通のPictBridge対応昇華型熱転写プリンタに見えるけれども、ひとつだけ初心者向けの非常にいい工夫がある。

 それはペーパーカートリッジ。普通、この手のプリンタはカートリッジがプリンターに付属しており、別売りの上をカートリッジに装着してプリントする必要がある。P-S100はあらかじめカートリッジに用紙がセットされた状態でペーパーを販売するのだ。だから買ってきたカートリッジをそのままプリンターに挿せば準備完了なのである。これはすごくシンプルで、初心者に優しいアイデアだ。

 さらに使い終わったカートリッジは付属する蓋を付けるだけでそのままプリント保管用として使えるのである。コスト的にはカートリッジの分つらいが、使いやすさという点では素晴らしい。

画像 インクカートリッジのケースも真っ白。こんなところまで凝っているのだ
画像 ペーパーはカートリッジ入りで供給され、使い切ったあとはプリントをしまっておくケースにもなるというアイデアだ

 肝心のプリントは1枚約90秒(IR-500からデータの転送が始まり、プリントが終了するまで)で、クオリティは昇華型熱転写プリンタらしく、ディテールの解像感はいまひとつだが階調が豊かで鮮やかなプリントという感じ。

 L判の用紙は左右の端を手でカットするとフチナシになるというスタイルだ。

 気になったのは用紙サイズが普通の「L判」であるということ。L判はフィルムと同じ3:2なので、そこに縦横比が4:3のデジカメの写真をプリントすると、左右に比べて上下が大きく切り取られてしまうのだ。フチナシ印刷のためにある程度トリミングされるのは仕方ないとしても、縦横比が変わってしまうのは気になる。

 今やオンラインプリントでも普通のL判かデジカメに合わせた縦横比の4:3かが選べる時代であり、例えばIR-500の方にP-S100に合わせた3:2のモードを持つなり、4:3でプリントできる用紙を用意するなり(用意されているのはハガキサイズとLサイズのみ)して欲しかったと思う。

画像 プリンタとHDDを含めたi:robeのフルシステム。ちょっと奥行きはあるがシンプルでコンパクトだ
画像 プリントアウトした写真は両端を手で切り取るとフチナシになる。ただ上下がけっこうトリミングされるのが残念。青空とお堂の写真を作例として掲載したものと比べてもらうと違いがわかるはずだ
画像 i:robeのシステムを斜めから見ると斜めから見るとこんな風である。ACアダプタが2つひつようなこととプリンタとHD100の接続にケーブルが必要なのがちょっとヤボか。印刷していたら猫が興味を持って寄ってきたのでおまけ

i:robeシステムとDock&Done!はどう発展していくのか

 以上がi:robeシステム体験記。

 デザイン的に統一がなされたデジカメとストレージャとプリンタのシステム。それ自体はすごく面白い。PCがなくてもほぼ自動で画像のバックアップからプリントアウトまでしてくれるというのはより幅広い層に受け入れられているデジカメを発展させて行くにはなかなかいい構成だ。

 ただ、今のi:robeは結局PCがないと使えない。ストレージャの画像を閲覧・管理するのにPCが必要となるからだ。

 最終的にはデジカメが司令塔のような役割をし、全自動のみならず、デジカメからHDD内の画像を閲覧してプリンタのコントロールまで行う、あるいはHDDから気に入ったアルバムをデジカメに戻して持ち歩く、というところまで実現した本当のPCレスデジカメシステムを目指して欲しい。あるいはストレージャをシステムの中核として、デジカメの液晶モニタを閲覧用に使うシステムというのも面白いかもしれない。

 プリンタとストレージャはケーブル接続というのも残念。できればデジカメとプリンタがきれいに合体するように、プリンタとも重ねて一体化できたらもっとシステムとしてコンパクトで楽しいものになったかと思う。

 個人的にはそんな感じで本当のPCレスで、さらにデジカメならではのよさを組み込んだシステムになってほしいと思う。

 プリンタとHDDとクレードルがミニコンポのように必要なものだけが必要なだけ重なり(プリンタの上にもデジカメのクレードルを装着できるなど組み合わせは自由であるべき)、デジカメの液晶モニタでHDDに転送した画像の閲覧・管理・アルバム作成もでき、プリントするのみならずHDD上の好きな写真やアルバムをデジカメに書き戻して持ち歩くこともでき、そうなるとデジカメのメディアはxDピクチャーカードより内蔵HDDの方が向いてるんじゃないか、そこまでやったらHDDにテレビ出力端子をつけてテレビ(それもHDのやつ)で画像も見たいし、バックアップ用のCD-Rドライブが別売りされるのもいいな、と妄想がふくらんでいくのであった。

IR-500、作例

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