オリンパスの主力デジカメは、生活防水のμ Digitalシリーズ。2004年からよりコンパクトにしたティアドロップスタイルのμ-mini Digitalシリーズが追加され、上位モデルとのデュアルラインナップとなった。
そのマイナーチェンジ版が「μ-mini Digital S」だ。基本的にボディのデザインはそのまま。写真を見てもらえば分かる通り、フラットなのは底面だけで、あとは斜めになっていたり丸くなっていたり湾曲していたりと、実に凝ったデザインだ。
こういうデザインだと使いにくいかと言うとそんなことはなく、全体に、特に先が丸いのでポケットやケースへ出し入れするときもひっかからなくてスムーズ。前面のレンズカバー部もレンズ収納時は本体とフラットに一体化するのでひっかからないのだ。最近流行の薄型デジカメに比べるとやや厚めではあるが、それが逆にポップさを演出している。
前モデルとの外観上の違いは前面のロゴがプレートになったことくらい。あとはカラー。前モデルのカラーバリエーションはビビッド系だったが、今回は淡色系に統一された。基本カラーはシルバー+カラー3色。
ボディはもちろん生活防水。水に濡れても平気だが、水中での撮影は出来ないというレベルだ。また、公にはいわれてないが、その構造上衝撃にも強いらしい。
μ-mini Digital Sが前モデルともっとも異なるのはCCD。前モデルは1/2.5インチの400万画素だったが、今回は500万画素にアップした。レンズは変更なく、35〜70ミリ相当の2倍ズームで明るさはF3.5〜4.9。ズーム域の割にレンズが暗めなのが気になる。もともと感度が高いCCDではないだけに、明るいレンズが欲しかった。
そのISO感度はISO 64〜400。ISOオートで撮影してもギリギリまでISO感度を上げない仕様で、その代わりかなり速めにストロボを発光しようとする。だからストロボ発光停止で使うときは手ブレに気をつけなければならないし、逆にオート発光にしていると昼間でもちょっとした逆光で発光するので注意が必要だ。
肝心の画質は晴天下など条件がいいところではなかなかの出来で、ホワイトバランスもしっかり合わせてくるし露出もいいが、ディテールのざらつきや甘さが感じられる。500万画素のフルオート系コンパクトとしてはそこそこの写りだ。
撮影距離は50センチからとちょっと遠目で、マクロモードにすると20センチまで寄れる。標準で50センチというのはちょっと遠い感じ。手が届く距離に来たらマクロモードにしたい。さらにスーパーマクロにするとズーム位置がテレ端に固定されるが、8センチまで寄ることができる。8センチとはいえ、テレ端なのでけっこう寄れる。
ボディの使い勝手はなかなかいい。シャッターボタンの手前にある電源スイッチを入れるとレンズカバーが少しボディ内にひっこんで開き、レンズが出る。撮影可能までは実測で約2秒と迅速だ。
シャッターボタンの横にモードダイヤルがあり、静止画・動画・再生と3つのポジションがある。
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