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» 2005年06月24日 04時41分 公開

「おとうさん、ぱそこん買って」──家庭用途でも使えるシンクライアント「nX-STATION」(3/4 ページ)

[石川ひさよし,ITmedia]

スピードに過度な期待はできないが、使用感はまずまず

 では実際にnX-STATIONをさわってみよう。用意したホストPCはCeleron M 350(1.30GHz@1.73GHz)搭載PCだ。これに100BASE-TX対応スイッチングハブを介してnX-STATIONを接続する一般的な形式とした。事前作業はホストPC側に付属CD-ROMからサーバソフトをインストールするのみ。とくに注意を要する点もなく普通にインストールするだけだが、途中クライアントとなるnX-STATION用のパスワード設定もあるので、家庭内利用であってもパスワードだけはしっかり設定したい。

photo インストール時に唯一注意したいのはパスワード。これはサーバソフトの設定変更時などに利用する

 ちなみに蛇足だが、どうもこのサーバソフトはIEコンポーネントを用いたタブブラウザ「Sleipnir」と(少なくとも筆者PC環境では)相性が悪いようで、サーバソフトをインストールするとホストPC側でSleipnirが起動できなくなるというトラブルが発生した。IE6、IEコンポーネントを利用するタブブラウザ「Lunascape 2.1.2」、そして「Firefox1.0.4」「Opera8.01」では問題なかったがSleipnirだけが……なぜだろう。ちなみにサーバソフトをアンインストールすれば問題は解決し、かつWindows XPインストール直後にこのサーバソフト→Sleipnirの順にインストールしても同様の症状が起こったのである。

photo なぜか相性が悪かったサーバソフトと「Sleipnir」

 サーバソフトのインストール後、いよいよクライアントのnX-STATIONを起動してみる。

 ディスプレイとキーボード、マウスを接続し、本体上部の電源スイッチを押す。言い忘れていたが、ディスプレイも別途用意しておこう。見た目としては超小型のPCワンセットである。

photo スピーカー付き15インチ液晶+PS/2接続のトラックパッド付きキーボード、AOpen「SANTENDO mini」との組み合わせだとこのような感じ。nX-STATION本体は立てることもできる(右)

 電源を入れると、nX-STATIONはデバイスの初期化作業を行い、約15秒ほどで接続ホストを選択する画面が表示される。DHCPにより自動でIPアドレスを取得し、ホストPCを自動で検索する。逆にホストPCが起動してない場合は、ホストが見つからない旨のメッセージが表示される。

photo ホストPCを選択し接続するコネクト画面

 ホストPCが見つかったところで「Connect」を押すと、20秒ほどでホストPCへのログイン画面にたどり着く。もうここまで来れば見慣れたWindowsの画面となるため、あとはユーザーを指定しログインするとリモートアクセスが完了する。

photo nX-STATION側からホストPCに登録されているアカウントでログインする
photo ホストPC側のログイン画面も変更される

 基本的な操作方法は、当然ながらホストPC側のWindows XPとまったく同じ。ホストPC側にインストールされているアプリケーションは、一部の例外を除いてもちろんそのまま利用できる。例外とは、ホストPCおよびnX-STATION双方にて同アカウントでログインし、かつ特定のアプリケーションを同時に起動しようとした場合などである。

 動作はごく普通に、まったく別のPCを操作しているイメージだ。通常の家庭内LAN接続された別PCから操作するリモートアクセス時と比較すると若干レスポンスが悪い気もするが、それほど差があるわけではないレベルだ。

 解像度を800×600、1024×768、1280×1024ドットと高解像度方向へを切り替えて体感速度を比較してみると、試用環境では1024×768までは体感変化はなし。1280×1024ドット表示時にはウィンドウの切り替え時などにてもっさり感が生じた(上から下に書き換え処理が流れていくのが確認できるほどだ)。

 画面データはLANを経由してそのまま転送しているだけあって、解像度が上がるごとに転送するデータも増大する。ごく快適に使用するには1024×768ドットあたりが試用環境ではちょうどよさそうだ。それにしても次期プロダクトではぜひギガビットLANを採用して欲しいところである。

photo 見慣れたスタートメニューだが、よく見ると終了オプションの箇所が「切断」というメニューに変わっている。こちらも普通にリモートアクセス接続を実行したクライアントPCでの表示と同じだ

 アプリケーション動作では、ブラウザやメールソフトなどインターネット用クライアントとして使用するソフトはまったく問題なく動作可能だ。加えてオフィスアプリケーションの1つ「OpenOffice.org」でスプレッドシート記入作業行っても同じく不満点はない。

 ログインに関しては、例えばホストPCに「hoge」というユーザーアカウントを登録していたとすると、もちろんnX-STATIONからも「hoge」でログインできるし、当然nX-STATION用にアカウントを生成して、nX-STATIONを使用するユーザー専用としてログインするといったことができる。

photo 常駐するホストPCのサーバソフトからは各ユーザーへのメッセージが送信できるメッセンジャー機能も備わっている

 ちなみにホストPCがエラーで固まったときでも、ある程度であればnX-STATIONはそのまま動作を続けることができる。ここはさすがNTの流れをくむWindows XPと言えるかもしれない。また、ホスト側を強制的に電源を切ってしまった場合には、nX-STATION側も当然操作ができなくなるわけだが、なぜかマウスカーソルだけは動かせるという不思議な現象が体感できる。マウスカーソルのコントロールは、nX-STATION側でオーバーレイ処理しているのだろうか。

 また、nX-STATION上からアプリケーションをインストールする際、とくに再起動を必要とするソフト(たとえばDirectX 9.0c)の場合、再起動時に双方がフリーズしてしまう現象が起こった。

 使用用途を考えると一般的には、nX-STATION用として生成するホスト側のアカウントはソフトなどをインストールできず、システム全体の変更などが行えない「制限付きアカウント」を用いることになるだろうが、リモートアクセスではなく、“もう1台のPC”を使っていると錯覚してしまいがちな同機の場合はちょっと注意が必要だ。

3Dゲームなどは……ほとんど不可能

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