「おとうさん、ぱそこん買って」──家庭用途でも使えるシンクライアント「nX-STATION」(4/4 ページ)

» 2005年06月24日 04時41分 公開
[石川ひさよし,ITmedia]
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3Dゲームなどは……ほとんど不可能

 では禁断の3Dベンチマークを試してみよう……と思ったのだが、Aquamark3では“グラフィックスカードが搭載されていない”といったエラーが表示され実行できない。FPSゲーム「Doom3」も、nX-STATION側で起動させようとするとエラーが出る。

 さらにしつこく、ならば2Dゲームならどうだろう。手元にあった「ワールドネバーランド」というゲームで試したらとりあえずプレイ可能だった。ただしゲームに関しては、PS/2しか接続インタフェースがないということで、ゲームコントローラは必然的に使えない。家庭内における用途例としては、お子様用のPCとして安価に導入したいといったことが挙げられるが、この場合には若干制限を強いることがありそうだ。

photo 3D系ソフトは基本的には起動できなかった

 データ転送量が大きいムービー再生に関しては、ホストPCのローカルファイルで再生ウィンドウサイズをかなり小さくすればなんとか……といったところ。全画面表示にすると、かなりのカクカク表示となってしまう。

 ネットワークビデオプレーヤーのようにデータをクライアント側でデコードするような仕組みがあればいいのだが、nX-STATIONは再生画面を画面データとしてやりとりするぶん、書き換えの激しいムービー再生のような使い方は不得意といえる。ちなみに適当なWebサイト上のFLASHファイル再生程度であっても、そのファイルとnX-STATION側の解像度によっては少々荷が重かった印象だ。

 ところでnX-STATIONを利用しつつ、同一LAN上でほかのPCユーザーがファイルのコピーするといったネットワーク帯域を多く使用する場合には、総合計で100Mbpsではやや厳しいものがあるかもしれない。これはnX-STATIONを複数台接続するという場合も同様だ。

活用はアイデア次第といったところか。今後はギガビットLAN対応やUSB対応を切望

 nX-STATIONの価格は2006年6月末現在、2万5000円程度(ITmedia Shoppingで最安値をチェックする)。コストを抑え、クライアントコンピューティングを可能にしようといったコンセプトからすると、nX-STATION L100は確かに価格的には企業向けシンクライアントよりも安いし、特別なサーバOSを必要としない手軽さがある。そういった面は評価できるポイントで、企業ニーズを満たすセキュリティ(例えばデータの持ち出しなどによる情報漏えいなど)レベルは必要ない家庭・SOHO向けと考えることもできる。

 たとえば、家庭内用途における子供・親用として用意する場合にお勧めできるといえる。Webとメール、オフィスアプリケーションなどを中心に使えればいいという比較的ライトなユーザー向けとして、2万円ほどでPCをもう1台導入できるわけだ。ホストPCは常に電源つけっぱなしである必要があったり、アカウントIDとパスワードを入力する必要があるといった起動時における面倒さは若干あるが、ハードルはそれほど高くはない。

 また一般PCユーザーであっても、nX-STATIONは完全ファンレスであることを利用し、うるさいPCを家庭内サーバルームに押し込んだり、寝室用のサブマシンとして導入するといった活用方法も便利そうである。そのため、USBを追加したり、よりストレスが減らせるであろうギガビットLANなどを備えた、家庭内向けに振ったモデルが登場するとなると、今後、より期待が持てそうな気がする製品ではないだろうか。

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