PCが家庭やネットカフェに普及し、PCソフト市場が大きくなったのと同時に、開発ツールも(極論すれば)手に入れようと思えばコピーCD屋でタダ同然で手に入り、ゲーム開発で金儲けする環境は整った。中国製PCゲームは、以前までスタンドアロンPCで遊ぶゲームが多かったが、最近ではオンラインゲームに多くのソフトメーカーが注力している。
中国におけるオンラインゲームの課金方法は、そのゲームタイトル専用のプリペイドカードを買って、そのカードに書かれたIDとパスワードをゲームサーバーログイン時に入力するのが主流。
海賊版が蔓延する現状を考えればオンラインゲームのほうがビジネスとして成り立つわけで、「中国において中国人による独自のゲーム文化を作り上げたい」というよりは「コピーされたものが市場に蔓延するくらいならオンラインゲームで一儲けしたい」というのが開発者側の本音だろう。
ともかく中国の各ゲームメーカーは中国人が好む世界観を取り入れたゲームを次々とリリースし、いまやオンラインゲームが一定の地位を築きあげている。これについての詳しい説明はITmediaに掲載されている中村彰憲・立命館大助教授の記事「中国オンラインゲーム産業に見る、インタラクティブメディア飛翔への道 前編・後編」を読むといいだろう。
オンラインゲームはハイエンドスペックのPCが必要であることから、自宅PCで遊ぶよりも、高性能PCがずらりとそろっていかなるゲームも快適に遊べるネットカフェに多くの人が足を運ぶ。
ネットカフェは30分1元〜2元(14円〜27円)。日本人なら30分100円から200円の感覚になる。これなら誰にでも遊ぶことができる。ネットカフェのPCにインストールされているゲームは国内外の著名オンラインゲームはもちろん、スタンドアロンで遊べるゲームも充実している。ゲーム目的で入っても、ゲームセンターと違ってゲームオーバーになろうが、30分おきに課金されるだけだ。
ネットカフェでは、ゲームだけでなく、音楽が聴けたり、チャットをしたり、ビデオを見たりと楽しみは尽きない。「一に価格、二に娯楽」コストパフォーマンスを重視する中国人に爆安価格ともいえるネットカフェは大受けし、「一人でゲームを楽しむならネットカフェが基本」となった。そんな環境的背景から、今中国ではネット中毒になっている若者が急増。現在中国の社会問題となりつつある。
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