GUIを一新してRDライクな使い勝手を実現──東芝「Qosmio G20」(3/3 ページ)

» 2005年09月07日 11時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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高速起動が可能なQosmio PlayerとWindows上での効果が大きくなったQosmio Engine

 Windowsを起動しなくてもテレビ視聴/録画、DVD/CDプレーヤー機能は利用できるQosmio Playerも引き続き搭載されている。Windows上の機能と比較するとシンプルだが、テレビ視聴なら電源オフの状態から画面が表示されるまで約10秒と早い。またDVDビデオや音楽CDは電源オフの状態でもメディアをDVDドライブに挿入するだけでQosmio Playerが起動する。手軽に使える、という点では依然として利用価値がある。

 従来モデルでは「Qosmio Player」専用であった高画質機能「Qosmio Engine」も、16機能のうち14機能がWindows上で使えるようになった。従来は8機能しか使えなかったことを思えば大幅な機能拡張と言えるだろう。Windows上で表示されるテレビ映像は東芝製液晶テレビに通ずる、白が鮮やかなメリハリのある画質だ。若干作りすぎかな、という感もあるが、スポーツ中継などを視聴していても残像をほとんど意識しなかったのは、オーバードライブ回路のお陰ではないだろうか。

映像調整ユーティリティでは「ノイズリダクション」「LCDオーバードライブ」の設定項目が追加された。「Qosmio Engine」がWindows上でも広範囲に機能するようになった証でもある

ハードウェアとソフトウェアのバランスがとれた第2世代Qosmio

 Qosmioシリーズは初代のE10からテレビ画質に注力しており、実際「Qosmio Player」での画質はかなり高いものだった。反面、Windows上ではテレビ視聴ソフトがサードパーティ製だったり、「Qosmio Engine」が有効に機能しないなどハードウェア先行の感が強く、とくにリモコン操作時の中途半端な印象が否めなかったのも事実だ。

 新モデルではとくにテレビ視聴、録画、再生に関して、リモコン操作は極めて快適になった。ソフトウェアも、これがQosmioが目指していた姿という印象で、ハードウェア先行で立ち上がったQosmioも第2世代に入ったと言えるだろう。

今回は時間の都合で検証できなかったが、DLNA準拠のホームネットワーク機能にも対応しており、DLNA準拠のAV機器と相互にコンテンツの共有も可能になった。同社では既に液晶テレビがDLNAに対応しているほか、デジタルレコーダーであるRDシリーズの対応にも期待したい

 反面、まだ不満も残る。Windows上でのDVD再生は「WinDVD」が呼び出されるようになっており、リモコン操作も可能なもののやはり違和感は残る。もちろん「WinDVD」がダメ、ということではなく、例えばDVD-Videoを再生していて、次にリモコンでテレビ機能を呼び出すと「WinDVD」は画面上に隠れてしまうが、実は起動したまま。実用上差し支えはないが、やはり中途半端な印象は受ける。音楽ファイルや画像ファイルの再生も「Qosmio AVセンター」でサポートされたがゆえに、DVD-Videoだけなぜ、と思う。

 また「Qosmio Player」での録画は相変わらずHDD上の専用パーティションに対して行われ、Windows上で再生する場合には専用ユーティリティでコピー作業を行う必要がある。Windows上でのテレビ視聴や録画がより快適になっただけに「Qosmio Player」の利用頻度は従来モデルより少なくなるとも思うが、例えば「Qosmio AVセンター」からは再生可能といったアプローチも欲しいところだ。

 AV機能に関しては従来モデルから引きずっているいくつかの不満が残るものの、自社開発の「Qosmio AVセンター」の搭載でAVノートPCとしては格段に進化したのは間違いない。Qosmioブランドのフラッグシップということで決して安価な製品ではないが、PCとしてのパフォーマンスも高く、17インチというディスプレイサイズもプライベートユースであれば満足できるサイズだろう。予算に余裕があり、ノートPCの機能と性能に妥協したくないユーザーには魅力的な1台と言えるはずだ。

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