シーゲイト、最大160Gバイトの垂直磁気記録方式2.5インチHDD発表

» 2006年01月25日 14時21分 公開
[岩城俊介,ITmedia]

 シーゲイトは1月25日、垂直磁気記録方式を採用する2.5インチHDD「Momentus 5400.3」シリーズの出荷を開始したと発表した。

photo シーゲイト2.5インチHDD「Momentus 5400.3」シリーズ

 Momentus 5400.3シリーズは、記録容量の大幅増加が見込める垂直磁気記録方式を採用し、2.5インチドライブとしては業界最大容量(2006年1月現在)となる160GバイトモデルまでラインアップされるHDD製品。ドライブ回転数は5400rpmながら4200rpmタイプと同程度の消費電力で動作するとし、ノートPCへの採用においてとくに重要となるバッテリー持続時間に対するメリットもアピールする。ラインアップは40G/60G/80G/120G/160Gバイト。

 同シリーズの面密度は1平方インチあたり132ギガビット(従来モデルは91.5ギガビット)。動作時で350G/非動作時で900Gとする、こちらも業界最大クラスとなる耐衝撃性能(従来モデルは動作時で250G)を備え、流体軸受けモーターやQuietStep LandLoap技術により「ほとんど動作音が聞こえることはない」(同社)ほどの静音性も実現する。なおHDD製品としてはかなり長期となる5年保証となる。

 垂直磁気記録方式を採用することにより、面密度を向上させる(記録容量が増える)という大きな効果のほか、高密度化が進むことにより搭載プラッタやヘッド、機構部品点数が減少でき、結果コストも削減できるという効果も生まれる。

 なお従来方式である長手磁気記録方式で記録容量を増やすには、記録ビット自体を縮小させ、間隔を詰めて並べるていく必要がある。この場合、記録ビットを維持する磁気エネルギーも低下することになり、結果、熱エネルギーの影響で磁化が弱まる「超常磁性効果」というHDDにとってマイナスの現象が起こる。このために従来方式では現状以上の高密度化は困難とされている。

photo 従来の長手磁気記録方式(左)と垂直磁気記録方式(右)概念の違い
photo ヘッド機構の違い
photo 長手磁気記録方式では、同極どうしが反発しあうため密度を上げるのも限界がある。また、反発しあっていることからなんらかの外部要因により極が変わってしまう恐れもある。垂直磁気記録方式では、反発することなく互いにループを形成する形態となるため、より密度を上げることができる
photo 熱エネルギーによる影響も、長手磁気記録方式では密度が上がるにつれて影響されやすくなるのに対し、垂直磁気記録方式は逆に影響されにくくなるという特性がある

2006年は、100Gバイトクラスの大容量化とSerial ATA化がすすむ

 ノートPCなどモバイル機器向けとなる2.5インチドライブの総出荷台数は、2004年度の約5000万台から2005年度には約7000万台へと伸び、急速に市場が拡大した。さらに2006年度には約9000万台に上ると予想されている。

 2.5インチモデル市場に参入し3年が経過した同社もこの市場拡大に伴い、初年度のシェア5%にはじまり、2004年度に8%、2005年度には約12%まで拡大させ、2006年第2四半期決算では昨年度比で25%増となる23億USドルの売上高、2億8700万USドルの純利益を計上した。ユーザーが望む低消費電力性、耐久性、パフォーマンス、容量を持つHDDへのニーズの高まりに対応でき、評価が得られている結果だと同社代表取締役社長 小林剛氏は述べる。

photo 「昨年は過去最高となる2880万台の出荷(HDD製品総合計)や、昨年度比で25%増となる売上高を計上するなど、大変力強い決算をした」(日本シーゲイト代表取締役社長 小林剛氏)
photo ノートPC向けドライブは年々市場が拡大している。2005年は約7000万台であったのに対し、2007年には約1億台に達すると予想されている

 同社は、昨年度の研究開発費(R&D費)を日本円で約230億円費やした。今回投入した垂直磁気記録方式のドライブ開発・投入も、たえまない研究開発を行ってきたことによる大きな効果の1つだという。

 同シリーズは、当初Ultra ATA/100タイプのみで投入(すでに開始)されるが、最大転送速度1.5GbpsでNCQ対応となるSerial ATAタイプも2006年後半に投入する予定となっている。ノートPC向けの新規格はデスクトップ用のそれと比べると、チップセットへの対応状況などから12か月ほど遅れて採用されてくる傾向があり、2007年度にはSerial ATA採用モデルが80%以上になるほどにシフトするとされている。

photo 今年は、ノートPC向けドライブもSerial ATA採用へ大きくシフトすると予想される
photo 搭載HDD容量も年々増加している。2006年は半数以上が80Gバイト以上になるとされる

 またノートPCへ搭載されるHDD容量についても、2002年までは10Gから20Gバイトモデルが中心であったのに対し、2005年は40Gから60G、80Gバイトモデル中心へ、2007年には80Gバイト以上のモデルへシフトされる。同社は、そのため今回のラインアップでは80Gバイトと160Gバイトモデルが主に出荷されるだろうとし、2.5インチドライブ市場においてもさらなるシェア拡大を図る考えだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月19日 更新
  1. 1箱6キー入りで2万7500円! 特別仕様のROGミニチュアキーキャップセットがアキバに降臨 (2026年10月17日)
  2. Appleの「HomeView」は日本未発売 ならプライム感謝祭で2万3980円の「Echo Show 8」は買いか? できることを比べてみた (2026年10月16日)
  3. ドウシシャ、80年代レトロ筐体を採用したBluetooth対応の大型CDラジカセ 11月4日から「GREEN FUNDING」でプロジェクト開始 (2026年10月16日)
  4. NVIDIA「RTX Spark」搭載ノートPCの実力は? ASUS「ProArt P14」実機レビュー 3D描画はRTX 5070 Laptop超えも (2026年10月16日)
  5. NVIDIAの新SoC「RTX Spark」は何がすごい? Blackwell+Grace統合で薄型PCが“トークン生成工場”に変わる理由 (2026年10月16日)
  6. 個人向けMicrosoft 365のストレージ容量が削減、代わりにAI機能を開放──Microsoftの狙いは? (2026年10月16日)
  7. 「Gemini 4 Argon」の一般提供スタート/Metaが「Muse Wonder」シリーズを発表 (2026年10月18日)
  8. アイオーデータ製品が15%オフ! TV買い替え時の録画保護に役立つダビング用DVDレコーダーや、PS5/Switch 2対応ディスプレイがお得に買える (2026年10月16日)
  9. 秋の夜長に快適な長文入力を――PFU「HHKB」シリーズがセールで2万3560円から! (2026年10月17日)
  10. 「Pixel Watch 5」は買いか? “4”からの乗り換えと失敗しないサイズ選びの鉄則 (2026年10月15日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー