このほどフルモデルチェンジした「ScanSnap S500」(以下、S500)は、フラットベッドスキャナとは異なり、紙文書に特化した両面カラー読み取り対応のドキュメントスキャナである。もちろんe-文書法対応やOCRソフトとの連携など、バージョンアップを経ることで数多くの機能を搭載・強化してきているものの、それらを突き詰めて単純化すると、S500の最大の武器は以下の2点となる。
(1) 紙文書をワンプッシュで(簡単に)連続して高速にスキャンできる
(2) スキャンしたデータを即座にPDF化できる
つまり、上記の2つの武器をどれだけ有効に活用するかが、S500の使いこなしテクニックにおいて重要となるのだ。
ドキュメントスキャナという本機の性格上、S500はビジネスシーンでの利用がメインとなるだろう。ビジネスにおいて、S500を使いこなすことで得られる効果は、ズバリ、「時間当たりの仕事量の増加=効率化」である。これはビジネスパーソンであれば、大変なメリットになるだろうことは、すぐに理解してもらえるはずだ。もちろん、S500の導入で得られるコスト削減効果も見逃せない。
一口にビジネスと言っても、企業には営業、総務、経理、広報・宣伝、研究・開発などさまざまな部署があり、業務内容がそれぞれ異なる。そこで、各部署におけるS500の使いこなしテクニックを考えてみよう。ただし、該当部署ならではのテクニックもあれば、部署横断的な汎用テクニックもある。そこでまず、汎用的な利用テクニックから見ていこう。
企業の部署は業務内容で分けられているので、それぞれの部署で同じ作業が必要になることは少ないはずだ。ただし、どの部署でも毎月行う必要がある作業がある。それは経費の精算だ。
営業部門であれば、旅費交通費や接待交際費など、会社が認めている経費というものが必ずある。総務部門でも、別の部署から依頼されて購入したオフィス用品代や什器代など、業務上必要だった費用というものが存在しているはずだ。支払い金額が一定額以下であれば稟議を通す必要がないという企業も少なくないため、経理部門に出金依頼を行わずに自腹で立て替えておき、月末にまとめて精算している人も多いだろう。
経費の精算時には、所定の用紙への必要項目の書き込みに加え、支払った金額を証明するための領収書の提出が必須となる。
ここでS500が生きてくる。もらった領収書をその日のうちにPDF化にしておくのだ。読み取った領収書PDFは精算時の備忘用データとなるし、レジスターで印刷する感熱紙タイプの領収書が色褪せて読めなくなってしまっても対処できる。領収書が見つからずに泣く泣く精算をあきらめるといったアクシデントもなくなるし、自分自身や経理部門の作業効率化にもつながる。ひいては会社全体にとってもメリットになるはずだ。
メールでのやり取りが一般化したとはいえ、今でもビジネス活動に欠かせないのがFAXだ。見積書や請求書など社印の捺印が必要な紙文書を急ぎで提出しなければならないときなどは、暫定的な措置として、FAXで送信するといったケースも多いだろう。手書きのメモや議事録、書き込みを加えた資料などを共有したいときも、相手が別の場所にいる場合はFAXで送信するのが一般的だ。
だが、FAXによる文書送信は、企業ユースで一般的なモノクロFAX機ではカラーの原稿もモノクロで送られてしまうし、かすれやつぶれで文字が読めなくなってしまうことが少なくない。また、1台のFAX機を部・課やフロアで共用しているのが普通なので、行き違いで相手に渡らなかったり、内容を盗み見されてしまうといった問題点もある。FAX送信状をいちいち書く手間や、送り先が海外や遠隔地の場合は通信費もばかにならない。
その点S500は、カラーで読み取れるので紙文書上の情報が劣化することはないし、PDFなので拡大・縮小して読むことができる。しかもメールに添付して送れるので、目的の相手にきちんと届けることが可能だ。通信費も不要だし、PDFにパスワードを設定しておけば、盗み見される危険性もない。A4文書1枚あたりわずか数秒でスキャンできるので、FAX機のような送信終了までの無駄な待ち時間や、行ったり来たりの労力も省ける。また、送信した情報や履歴が自分のPCに残るので安心だ。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月12日