だがS500を使用すれば、このような問題もたちどころに解決する。入手した書類をその都度S500でPDF化し、PCの空き時間を使ってOCR処理をかけておけば、書類の保管スペースもいらなくなるし、いざ必要になった場合でも、キーワード検索で目的の書類を素早く探し出すことが可能だ。
PDF化した書類をモバイルノートPCに入れて持ち歩くようにすれば、出先や出張先でも知りたい情報にすぐにアクセスできる。共有サーバに置いて自由に閲覧できるようにしておけば、営業部員全員の情報感度を底上げすることも不可能ではない。
広告やカタログ、パンフレットといった販促ツールの制作でもS500は大活躍する。
制作作業の第一歩は、企画担当者の頭の中にある広告や販促ツールの漠然としたイメージを具体的な形にしていくことだ。この作業は、部署内のデザイナーや広告会社のクリエイターなどとともに、紙にペンや鉛筆でラフスケッチを描いたり修正したりしながら進めていくことが多い。
企画担当者のイメージがまだほとんど固まっていなかったり、形にするのが難しい抽象的な概念がテーマだった場合には、イメージが具体的な形になっていくまでに、何枚ものラフスケッチが描かれることがあるだろう。いったんは具体的な形にまとまったものをボツにし、もう一度途中からやり直さなくてはならないこともあるかもしれない。1回のミーティングでは決まらず、持ち帰って再検討、という場合もあろう。
そんなときにS500が役に立つ。描かれた順にラフスケッチをスキャンしておけば、イメージが具体的な形になっていくまでのプロセスが分かるし、途中からやり直す場合でも、やり直したいところまでさかのぼってそこから再スタートできる。日を改めて打ち合わせし直す場合でも、スキャンしたラフスケッチをお互いに共有しておけば、同じ土台に立って発想を膨らませたり、意見を戦わせたりすることが可能だ。
広告や販促ツールの制作には校正作業がつきものだが、ここでもS500が活躍する。
モノクロFAX機によるやり取りでは、校正用紙に書き込んだ訂正・修正用の赤字が黒字になって分からなくなったり、背景の色や画像などにまぎれ込んでしまって読み取れなくなってしまうことも多い。宅配便やバイク便を使って校正用紙をやり取りする手もあるが、時間とコストがかかるし、訂正・修正内容を電話で確認するのも非常に手間がかかる作業だ。
しかしS500で校正用紙をスキャンしてそれをメールに添付して送れば、赤字は赤字のままなので一目瞭然だし、背景の色や画像にまぎれて読めなくなってしまうこともない。時間やコストもかからないし、同じPDFを見ながら電話で話ができるので意思疎通も容易だ。しかもPDFなので、見づらい箇所があっても拡大表示することで判別が可能になる。
ちなみにS500は、同梱のA3キャリアシートを使うことでA3サイズまでの原稿を原寸で読み取れる。印刷用原稿の場合、校正用紙は位置合わせ用のトンボが入る一回り大きいノビサイズ用紙を使うことがほとんどだが、A3キャリアシートを使えばB4ノビサイズまで対応できるので、校正用紙のやり取りで困ることは少ないだろう。
これまで見てきたように、S500は実務にどれだけ落とし込んで活用しているかでその価値が変化する。単にドキュメントスキャナとして文書を取り込んでいるだけでは、「使っている」とは言えても「使いこなしている」とは言えない。実務でどのようにS500を活用し、どれだけ効率アップができているかが最大のポイントになるのである。
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制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月12日