「いや、間違いというわけではないんだけど、読んでるとなんか引っかかっちゃうんだよね。読点にテンとカンマが混ざってたり、送りがながバラバラ──たとえば「行う」と「行なう」みたいな──ゆらぎがあると。気持ちよく読んでもらえるように気を配るってのは、伝わる文書作りではとても大事なことなんだ。そしてそれは、文書の質を高めることでもある。なあに、一太郎なら『提出確認』フェーズの校正機能を使えばすぐチェックできるよ」
校正機能というのは誤字脱字のチェックに使うものかと思っていたが、目からウロコが3枚くらい取れて視力2.0になった気分である。さっそく席へ戻り、「提出確認」フェーズにしてみると、校正機能以外にも、すかしやスタンプを入れたり、報告書全体を一覧で見るモードなど、最終チェックを行う機能がひとまとめになっていた。
とりあえずその中の校正機能を駆使しまくって、一語一句一点までチェックを行った。何回チェックしても問題点はないからこれで万全だろう。もう一度先輩にデータを送信して、感想を聞きに行く。
正式な文書を作成するときには、誤字脱字のチェックや用字・用語、語尾の統一などを行う校正作業が必須である。一太郎2006にも校正を支援する機能が搭載されており、さらに用途に応じて校正のスタイルを変えられるようになっている。
標準では「誤字脱字」、「論文・報告書」、「公用文」、「手紙」、「全部」という5つのスタイルが登録されている。これらのスタイルを編集・削除できるほか、新たなスタイルを追加することも可能なので、自分なりのこだわりのある文章を書く人や、会社独自の表記ルールがある場合などにも柔軟に対応できる。
また、文字の誤りや統一だけではなく、文章の長さをチェックする機能も備わっているので、冗長で読みにくい文章をチェックすることも可能である。
先輩も校正機能を使ってチェックしていた。同じソフトなんだから問題が起きるはずはないと余裕で眺めていると、こちらを向いて、
「よしよし、これだったら新人のリポートとしては上出来でしょう。あとは印刷して課長に提出すればいいと思うよ」
やった! 先輩に最敬礼をして席に戻った。印刷の前に、おまけとばかりに「提出確認」フェーズで「社外秘」スタンプをつけ(本当はそれほど重要なリポートではないが)、「ページ一覧表示」で空白ページがないかを確認したあとカラープリンタに出力する。なんかボクってバリバリやり手のビジネスマンってカンジ。
課長はすでに帰ったようなので、机の上にリポートを置いて帰ることにした。
一太郎2006の「提出確認」フェーズには、文書全体を一覧表示して改ページコマンドしかない空白ページや不自然なレイアウトのページを見つけやすくする「ページ一覧表示」や、「社外秘」、マル秘などのスタンプを文書に挿入できる「すかし」、パスワードで編集・保存・印刷権限を制限できる「改ざん禁止」などの機能も備えている。これらを利用することにより、文書を印刷する前に最終チェックを行ったり、作成・印刷した文書のセキュリティを高めることができる。
翌朝、出社すると机の上にはまたリポートが。
恐る恐る覗いてみると、付箋に例の丸文字でコメントが書かれてあった。
「よくできました」
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提供:株式会社 ジャストシステム
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年3月19日