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» 2006年05月01日 00時00分 公開

改めて確認する秋葉原の都市再開発計画(前編):まずは2008年まで設計図が描かれるアキバという街 (2/2)

[岩城俊介&古田雄介(アバンギャルド),ITmedia]
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行政と事業者、秋葉原振興会で構成する「Aテーブル」

photo 「同じ規模かそれ以上の計画は汐留や大崎駅周辺などいくつもあるが、複数の地権者が絡んでいる秋葉原の事情は特別だった。地権者の売るタイミングも買い手も違うので大変だった」(千代田区 まちづくり推進部開発調整担当課長 山口正紀氏)

 1975年(昭和50年)、日本国有鉄道(国鉄)の秋葉原貨物駅が廃止となり、1989年(平成元年)に駅前にあった神田市場が移転した。これにより、JR秋葉原駅の北側には6ヘクタールもの広大な空き地ができた。都心としては広大な土地だが、秋葉原貨物駅跡地は日本鉄道建設公団(鉄道公団:国鉄の鉄道敷設を担っていた特殊法人)、そして神田市場は東京都所有と地権者が異なっており、再開発のとりまとめにかなりの手間がかかったようだ。

 苦労の末、1992年9月に秋葉原地区開発の基本方針が決定した。ここから複数の地権者と協力しあって土地計画を進めることになる。都所有の土地は「世界規模のITセンターを作り、500台以上の駐車スペースを確保すること」を条件にクロスフィールドに売却し、秋葉原貨物駅跡地はTX秋葉原駅のために阪急電鉄が買い取った。

 複数の地権者が混在するなか、街全体の発展のために千代田区がリーダーシップをとって事業者(土地の所有者も含む)と地元の町会や商店会がひとつのテーブルで協議する場を設けた。この協議会は「Aテーブル」と呼ばれ、2002年4月の発足から現在まで継続している。

 このAテーブルは秋葉原を街づくりするために機能し、2008年には「発展的解消」(千代田区)になる。つまり、そのときまでに大規模な秋葉原の土地計画をおおむね完了させる予定であることが分かる。

 それをふまえて現在の様子とともに、残りの開発地区を見ていこう。

photophoto 現在(2006年4月現在)建築中の富士ソフトABC秋葉原ビル(仮称 3月7日撮影)。JR山手線線路を挟み秋葉原UDXの向かい側に建つ。2007年1月の竣工を予定し、下層階には店舗テナントや講演ホールなどが入るといわれている

photophoto 2007年7月に開業予定のマキシマムと三菱地所が共同開発する「秋葉原8街区ビル(仮称)」。こちらも下層階には商業店舗が入る見込みだ。ヨドバシカメラの向かい側にできる

photophoto 駅周辺の大規模建築物におけるトリを飾るのは、阪急電鉄の「TX秋葉原駅開発ビル(仮称)」。2008年1月の竣工を予定し、地上18階/地下2階の建物にはホテルと店舗テナントが入る予定。TX秋葉原駅そばに建つ

 今でも建設中の建物はJR山手線の東側に集中している。Aテーブルに沿った現在の“アキバ”がある西側の大規模な開発は現時点ですでに、ほぼ完了したと考えていいだろう。駅東側のビルの開業とともに、東西を結ぶ遊歩道ができ、気軽に線路を横断できるようになるという。JR山手線を横断する通路が現在から2本増えることになる。

 千代田区は「各ビルの所有者には街の発展のために、公共スペースを提供してもらった。街を訪れた人が東西の街を回遊することで街が一体となることを期待している。再開発によって“アキバ”が拡大すれば、もちろんそれに越したことはない」と語る。

 街のハードが変わることによって、ソフト面も刺激をうける。後編は「電気街」「アニメの街」といったアキバがどうなっていくのか、その可能性を探る。

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