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» 2006年06月22日 17時30分 公開

究極のCD-RWドライブ「Premium2」は本当に“究極”か (2/4)

[坪山博貴,ITmedia]

現行ドライブで唯一の2倍速書き込みに対応し、新たに「Audio Master」にも対応

 本機の書き込みスペックや機能を確認しておこう。

 CD-Rは最大52倍速、CD-RWは最大32倍速(UltraSpeed CD-RWメディア利用時)での書き込みをサポートする。CD-R記録時は、20倍速までが書き込み速度が一定の「CLV」を、32/40倍速では当初は回転速度が一定の「CAV」で、途中から書き込み速度が一定の「CLV」に変更する「Partial CAV」を、48/52倍速では回転速度が一定の「CAV」で記録する。

 書き込むべきデータが途切れた場合に書き込みを一時中断し高精度に継ぎ書きする、バッファアンダーエラー排除のための「バッファアンダーランプルーフ機能」も当然備える。読み出し速度は最大52倍だが、初期状態では動作音に配慮し40倍速に留められている。付属ユーティリティツールにより、必要に応じて最大52倍速での読み出しが可能となるよう設定を変更できる。

photophoto 付属ユーティリティツール「PlexTools Professional」で表示した、サポートする読み書き速度。書き込み方式は速度に応じて切り替わる。音楽CDやCD-RWでも最大52倍速で読み出しが可能な点も特徴の1つといえる
photophoto 最大52倍速での読み出しを行うには、PlexToolsの「SpeedRead」を有効にする。対照的に「Silent Mode」を有効にすると動作音を低く抑える目的で、最大読み書き速度やアクセスタイムに加え、トレーの動作速度まで(しかもローディング/イジェクト別々に)細かく調整できる。かなりぐっと来るマニアックさだ

 同社製品にほぼ共通となる特徴的な機能として、最適なストラテジに対し書き込み時のレーザーパワーの強弱を一定割り合いで変更できる「VariRec」をサポートする。カーオーディオや旧型の家庭用CDプレーヤーなど、通常の書き込みではCD-Rが読み出しにくいピックアップを搭載する機器向けに有効だ。

 また、書き込み密度を変更できる「GigaRec」や、記録速度を自動選択する「PowerRec」もサポートする。GigaRecは書き込み密度を上げることで本来よりも多くのデータを記録したり、記録密度を下げることで書き込み品質を重視する時などに活用できる。PowerRecは、記録しながらメディアの状態を同時に確認し、最適な記録速度を自動調整するもので、低品位のメディア使用時などにとくに有効となる。

photophoto 「GigaRec」では700Mバイトメディアに最大998Mバイト、最小407Mバイトのデータが書き込めるよう記録密度を変更できる。ただしほかのドライブでの読み出しが保証されているわけではない点に注意したい(画像=左)。「VariRec」では−4から+4までレーザーパワー(書き込み濃度)を変更できる。前モデルのPremiumでは+/−方向にそれぞれ4段階区切りの設定だったが、本機ではその間での無段階設定が可能となった(画像=右)

 では、本機ならではという機能をチェックしてみよう。

 機能面では「2倍速書き込み」に対応した。もちろん2006年現在はメディア側も高速書き込みへの最適化が進んでおり、必ずしも低速書き込み=低エラーとは言いきれない。しかし低速で書き込みを行うということはメディアそのものの回転数も低く、安定した回転速度を得やすい。加えてメディアのブレも小さくなるため時間軸のブレ(ジッター)でも有利だし、レーザー出力のオン/オフもより理想的に行える。そのためよりきれいな(エッジの立った)書き込み品質が期待できる。

 いわゆるPCデータの書き込みであれば、読み出し時にエラーコレクションがどれだけ機能しようが正しくデータが読み出せればよい。しかし音楽CDを作成する場合には、再生時の大きなジッター変動や高いエラーが発生することで、再生機のサーボ回路やエラーコレクション回路に負担を与え、これが音質の低下につながる。音楽CDを頻繁に作成するユーザーが低速書き込みにこだわるのには、やはり大きな理由がある。

 ちなみに昨今の高速記録対応ドライブはいわゆる“高回転型”モーターを搭載する。高回転型のモーターでごく低速に回転させることは、例えるとF1マシンで日本の一般道を制限速度を守って走るようなもので、スムーズにゆっくり駆動させるのは困難。同社によると、昨今発売される光学ドライブが低速書き込みをサポートしないのはこの理由からきているという。

photo 「Audio Master」を有効にすると、同様の機能を含む「GigaRec」は自動的に無効になる。この例では80分(700Mバイト)のメディアをセットしているが、最大書き込み時間が69分40秒46に減っていることが確認できる

 もう1つの大きな機能拡張点が「Audio Master」への対応だ。

 これは、かつてヤマハ製品「CRW3200E-VK」などに採用されていた機能だ(現在、ヤマハはCD-Rドライブ事業から撤退している)。音楽CD作成において、通常よりも記録密度を下げてピット長を長く記録することでジッターを減らし、より読みやすいメディアを作成する/再生時の音質を向上させるための技術だ。

 音楽CDは線速度が1.2から1.4ミリ/秒と定義されている。そのためAudio Masterでは1.4ミリ/秒まで線速度を引上げ、民生AV機器との互換性も確保する。同社製品の場合、GigaRec機能でも同様のことはできるが、Audio Masterでは書き込み速度も昨今多く発売されるメディアに合わせて4倍速に固定し、最適なストラテジも用意するなど、音楽CD書き込み用に最適化した機能となっている。なお本機能を利用する場合には、メディアあたりの記録時間が15%ほど短くなる。

 これら以外にも「GigaRec」では新たに0.9倍速、1.1倍速の設定を追加し、「Varirec」では設定をリニアに変更することも可能になるなど、その内容がよりブラッシュアップされている。機能的にはまさに同社のCD-RWドライブの集大成といった感じだ。


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