レビュー
» 2006年06月22日 17時30分 公開

究極のCD-RWドライブ「Premium2」は本当に“究極”か (4/4)

[坪山博貴,ITmedia]
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低速でも優秀な書き込みと、効果の大きな「Audio Master」

 次は、音楽CDの作成を想定して低速書き込みでの比較をしてみよう。

 80分メディアほぼいっぱいになるようなサイズのWAVファイルを準備し、これを「PlexTools Professional」の音楽CD作成機能を用いて書き込みを行う。CD-Rメディアには太陽誘電製の高品質オーディオ用「CDR-A80」を用いた。このメディアは単に補償金が含まれるオーディオ用というだけではなく、マスターディスク用の高精度なスタンパを採用することで低いエラーレートを実現している。また書き込み速度も最大16倍速までに抑えることでデータ用と比較すると低速の書き込みにも最適化された製品だ。価格もデータ用CD-Rの2倍程度(1枚170円ほど)なので、この程度の価格なら利用するという人も多いだろう。

 まずはPX-755Aの最低書き込み速度である4倍速に合わせ、Premium2とPX-755Aの双方で4倍速で書き込みを行う。作成ディスクの検証はPremium2のみでの実施で統一した。これはCDメディア専用のPremium2が民生CDプレーヤーに近い読み出し能力を持つと判断したからだ。

photophoto 4倍速記録時のC1/C2エラー測定結果。画像左がPremium2、画像右がPX-755A

photophoto 4倍速記録時のジッター測定結果。画像左がPremium2、画像右がPX-755A

 この検証でも、Premium2が優秀だった。C1エラーはデータの最大速書き込み時と比較しても少ない。ジッターもPremium2が全体に低く、変動幅も小さい。PX-755Aも優秀な結果といえるが、ジッターが外周にいくほど高くなる傾向で、Premium2の結果と比較してしまうと全体に高め。少なからず差があった。

 ではPremium2だけがサポートする2倍速書き込み時はどうだろうか。

photophoto 2倍速記録時のC1/C2エラー測定結果(画像=左)と、ジッター測定結果(画像=右)

 C1エラーは4倍速記録時よりさらに低くなった。しかし外周部に少し大きな山が2つ見られるなど、振幅が少し乱れた印象だ。総合的に見ると4倍速記録時よりもジッターは少ないだろうが、やはり最低速書き込みということで駆動系の安定度に少しだけ難があるのかもしれない。この程度の変化だと4倍速と2倍速、どちらを選択するかは迷いそうだ。

 最後は、本機を望むユーザーが最も興味があるであろう「Audio Master」をチェックしてみよう。

 書き込むデータは比較対象とした音楽CDからWAVリッピングしたデータを用いているが、本機能を利用すると80分メディアでも70分弱しか録音できなくなるので、音楽CDとしての書き込み時に曲数を変更し、ほぼメディア一杯に書き込まれるように変更してある。検証結果も70分弱で終了しているが、物理的にはほぼ最外周まで書き込んでいる点には注意してほしい。

 なおすでに触れているが、本機利用時には書き込み速度は4倍速固定となる。比較対象はオリジナル(リッピング元)の音楽CDである。

photophoto Audio Master有効時のC1/C2エラー測定結果。画像左がPremium2、画像右が市販の某音楽CD

photophoto Audio Master有効時のジッター測定結果。画像左がPremium2、画像右が市販の某音楽CD

 結果はC1エラーの最大値が「11」と、ここまでの検証では最も低くなった。C1エラーの総数も「1101」とこちらもここまでの検証で最も少なく、そもそも書き込みデータ量も約8分の7と少ないので平均値としては通常の4倍速書き込みとほとんど変わらない。

 注目すべきはジッター。これまでのどの書き込みよりも計測より確実に低く、変動も小さく、比較用に計測したオリジナルCDにも引けをとらない結果であった。C1エラーに関してはオリジナルCDよりも良好であり(オリジナルCDは経年劣化があったためだろう)、Audio Masterの名前はダテではないという印象だ。対して市販の音楽CD。C1エラーの総数こそはPremium2で作成したCD-Rに劣る結果となったが、特定部分に集中していないところは(当然だが)さすがプレスCDだ。ジッターも低く安定している。

音楽CD作成にこだわるなら「買えるうちに買っておこう」と言っておく

 今回実施した検証で分かったように、Premium2のCD記録品質は確実に高い。

 もちろん比較に用いたPX-755Aの書き込み品質も、単にデータ保存用に使う・車載用に音楽CDを作成するといった一般的な用途あればなんら困ることはないだろう。むしろ価格を見れば、CD-R記録はもちろん、PX-755AはDVD±R DLも焼けて、価格はPremium2のほぼ半値と、コストパフォーマンスは圧倒的にこちらがよい。しかしそれは一般的なPCユーザーにとってである。コストパフォーマンスをうんぬんいうのは野暮というものだろう。

 ともあれ、CD記録──とくに音楽CDとしての記録品質で、本機を超えるコンシューマ向けドライブを見つけ出すことは難しいと思われる。いまさら他社からCD書き込みに徹底的にこだわったCD-Rドライブが登場するのも考えにくいし、同社からPremium2の後継が登場する保証もない(同社ならまた出して来るかもしれないが……)。徹底的に“音楽”にこだわったCDを作成したいユーザーであれば、買えるうちに買っておけ──そう言っても差し支えないほどプレミアムな製品である。

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