厚さ20ミリを切る1キロ未満の超薄軽量ノート──「富士通 FMV-BIBLO LOOX Q」(2/2 ページ)

» 2006年10月18日 10時46分 公開
[寺崎基生,ITmedia]
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標準の軽量内蔵バッテリーで2時間近いバッテリー駆動を実現

 LOOX Qは、CPUにTDP5.5ワットと消費電力の少ない超低電圧版CoreSolo U1400(動作クロック1.2GHz)を搭載する。また、ノートPCで消費電力の多くを占めるディスプレイも、LEDバックライトの採用で12.1ワットという低電力を実現している。

 メモリ容量は512Mバイト、チップセットはIntel 945GMでグラフィックス機能はチップセットに内蔵するIntel GMA 950を利用する。CPUとチップセットの構成は、先日レビューを掲載した同社のLOOX Pと共通だ。HDDは、最小構成で30Gバイト、オプションで60Gバイト、もしくは80Gバイトを選択できる

 LOOX Qは、最厚部でも20ミリを切る薄さを実現しているため、標準のバッテリーパックもかなり薄い。バッテリーパックの厚さは約8ミリで重さも100グラムに満たない。このバッテリーパックを搭載した状態でバッテリー駆動時間はカタログスペックで約2時間。実際、キーストロークとネットワークアクセスを繰り返すベンチマークテストで約1時間40分駆動する結果となった。もっと長時間のバッテリー駆動が必要なら、オプションで用意されている「バッテリーパックM」「バッテリーパックL」を利用することになる。稼働時間はカタログスペックでそれぞれ4.5時間、9時間となる。

 筐体を薄くしたおかげか、LOOX Qの有線LANコネクタのRJ45とVGA出力コネクタのD-Subは本体に実装されていない。これらのケーブルは専用のアダプタを介して接続する。有線LANはギガビットに対応、無線LANも標準でIEEE 802.11a/g/bに対応している。また、Bluetoothも搭載しているため、Bluetooth対応のPCや携帯電話とのデータ交換も手軽にできる。

前面の左寄りには無線LANのオン/オフを行うスイッチがある。このスイッチをオフにすると、無線LANとBluetoothがオフになりバッテリーが節約される

左側面はSDメモリーカードスロットと、ボリュームコントロール、オーディオポート、電源コネクタがある。ボリュームコントロールはスイッチ式でスライドさせる調整する
右側面には、USBポート×2、IEEE 1394、専用ポートがある。専用ポートは付属のコネクタを接続して有線LANとVGA出力を接続する

4つあるワンタッチボタンは、専用ユーティリティで起動するアプリケーションを手軽に変更できる

 キーボードの左サイドには、4つのワンタッチキーが備えられている。メールやインターネットのほかに簡単バックアップや省電力モードの切り替えが割り当てられているが、専用ツールを使えばワンタッチキーで起動するアプリケーションをカスタマイズできる。

 光学ドライブは内蔵しないが、USB接続の外付けDVD-ROM/CD-RWコンボドライブが標準で付属している。オプションでDVDスーパマルチドライブ内蔵のドッキングステーションも選べる。USB接続のコンボドライブを使うには専用のACアダプタとAC電源が必要になるため、戸外や出先で利用するには向いていない。ドッキングステーションもLOOX Qをバッテリーで使っているときは内蔵のDVDスーパーマルチドライブが使えない。使い勝手を考えると、LOOX Qをバッテリーで使う状況において光学ドライブを使うのはやや無理であると考えたほうがいいだろう。

 CPUに省電力を優先するCoreSolo U1400を搭載しているため、高い演算能力を期待することはできない。ベンチマークテストでもPCMark04のスコアが2205、PCMark05が1460と、ハイパワーノートに比べると低めの結果になっている。ただし、実際に使っていて操作がもたつくようなこともなく軽快に動作してくれる。また、本体があまり熱くならないので、ひざの上に置いて使っていても不快でないことも軽量ノートPCの使い方を考えると注目しておきたい。

省電力モードに移行したときに、電源供給を止めるデバイスや、液晶の明るさ、HDDを一時停止するまでのアイドル時間など、消費電力を減らす設定を細部にわたって行える電力管理ツールが用意されている
CPUのパフォーマンスを3段階に設定し、発熱を抑えることで冷却ファンの回転を低くして静音化できる。ただし、評価作業中は(それほど静かな環境でなかったこともあってか)通常モードでも冷却ファンの音は気にならなかった

 1.2キロ程度の2スピンドルノートPCが存在する今となっては、薄さと軽さを強調したワンスピンドルノートPCに存在理由を見出すのが難しい状況ではある。しかし、1キロを切る軽さを実現しながらも、12.1インチという大きい画面と余裕のあるキーボードを搭載することで、このクラスのノートPCで長らくユーザーの支持を集めているLet's note R5との差別化を図ったLOOX Qは、より快適なマンマシンインタフェースを求めるユーザーに貴重なノートPCとなりうる仕様を持っているといえるだろう。

PCMark05
PCMark1460
CPU1968
Memory2049
Graphics672
HDD2079
HDD - XP Startup4.473
Video Encoding89.665
Image Decompression6.729
WMV Video Playback24.91

PCMark04
PCMark2205
CPU2369
Memory2678
Graphics782
HDD2178
WMV Video Compression29.545
DivX Video Compression36.614

1024×768ドット、nonAA、nonAniso
3DMark05 3DMark Score299

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