本機のもう1つの目玉が、DVD±R DL対応のDVDスーパーマルチドライブ機能を備えたBlu-ray Discドライブを搭載したことだ。BD-R/REの書き込みと読み出しに対応し、片面2層のBD-REならば容量50Gバイト、地上デジタル放送に換算すると約7時間分(約15Mbpsの場合)の番組を保存できる。また、プリインストールされた「Ulead DVD MovieWriter for NEC Ver.5」を使えば、簡単な操作でHDVカメラなどのデジタルビデオカメラや動画ファイルからソースそのままの画質で動画をBDメディアに書き込めるのもポイントだ。
ただし、本機に搭載されたBlu-ray Discドライブは著作権保護技術AACS(Advanced Access Content System)に対応しているとはいえ、チップセットで提供されるグラフィックス性能の制限から市販のBD-ROMコンテンツの再生はできない。BD-Videoのタイトルが普及していない現状では、Blu-ray Discドライブの用途はデータのバックアップ専用と割り切れるかもしれないが、比較的長い期間製品を使い続けるホームユーザーにとっては、よくよく考えたうえで購入したほうがいいだろう。筆者の個人的感想を述べるならば、比較的保守的なホームユーザー向けというセグメントではBlu-ray Discドライブの搭載をやや急ぎすぎた感は否めない。
全体を通してみると、本機はデュアルコアCPUや地上デジタルTVチューナー、Blu-ray Discドライブ、Windows Vista Home Premium、Office Personal 2007といった誰しもが試してみたいと思う最新の要素が網羅され、さらにはそれらがA4ファイルサイズのコンパクトなボディにまとまっている、まさに「おいしいとこ取り」を具体化した製品だ。ただし、トレードオフとも言える制限事項がそれぞれの機能に存在するため、そこをよく理解したうえで自分のニーズに合致するかを熟考することが、この製品を選んでも失敗しない方法だろう。
実売価格は本機が30万円前後、同じく地上デジタルTVチューナーを搭載した下位モデルLL770/HGが22万円前後となっている。約8万円の価格差はかなり魅力的だが、Blu-ray DiscドライブがDVDスーパーマルチドライブに、CPUがCeleron M 420(1.6GHz)にダウンするので、割り切りは必要になる。また、Blu-ray Discドライブの制限を考えると、本機はもう少し価格を抑えたほうがプライスパフォーマンスから生じる購買意欲をさらに高めることができたように思う。
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