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» 2007年06月18日 15時00分 公開

LOOX Uのキーボードはどこまで使える──富士通「FMV-BIBLO LOOX U50WN」 (2/3)

[長浜和也,ITmedia]

ノートPCのように打鍵してキーボードをチェックする

 クラムシェルのLOOX Uは、ノートPCのように筐体を机において両手でタイプする使い方も可能だ。フットプリントが小さいので、シアトルタイプのコーヒースタンドにある小さい丸テーブルでも、コーヒーと並べて筐体をおけるのは、「外回りの空き時間にちょっとデータを整理したい」というビジネスユースでは重宝するだろう(ただし、Let'snoteのようにキーボード全面防滴とはなっていないので、コーヒーを筐体にこぼさないように注意したい)。

 カタログに示されている「キーピッチ14ミリ、キーストローク1.3ミリ」という仕様は、意外にも、打ちやすい「打鍵感」を提供してくれる。とくに1.3ミリというノートPCに比べると少ないと思われるストロークでも「押した」ことがはっきりと認識できるため、過去に“Libretto 20”シリーズで文字入力を経験しているオールドユーザーなら気にならないかもしれない(LOOX UのキーピッチはLibretto 20より1ミリ広い)。10本使うのは無理としても「親指人差し指中指」を駆使する3本タッチならストレスなくキーを打てる。ストロークも「小さいノートPCはそういうもんだ」と思っていれば許容範囲といえる。

 そういうミニノートPCを経験しているユーザーにキーの打鍵感そのものはあまり問題にならないが、そういうユーザーでも実際に文字入力を行うと「キーの配置」が気になるだろう。とはいえ、「F1」「F2」といったファンクションキーやカーソルキーが「Fn」キーとの組み合わせであったり、「Enter」キーのピッチがほかのキーと同じであるのは、このサイズのミニノートPCでは避けられないもので、14ミリというピッチを確保するためのトレードオフとして受け入れてもいいだろう。

 文字入力における使い勝手としても、上記に挙げた特殊機能キーとFnキーの組み合わせについては、使う頻度も限られるため“それほど”意識することも少ない。操作の流れを考えると、カーソルキーとFnキーの組み合わせは(カーソルキーを使うときは、いったん文字入力を中断してから使うことが多いため、作業の流れの区切りでFnキーを押すのは“思考や作業を中断する”という点においてそれほど問題にならない)苦労することなく扱いに慣れる。ピッチがほかのキーと同じ「Enterキー」も、場所がほかのPCと同じであることと使う頻度が高く使うタイミングもはっきりしているため、慣れるまでそう時間はかからない。

 それよりなにより、「−」/「=」という文中でよく使う「長音」や「等号」がFnキーとの組み合わせで認識されるのは、文字入力における使い勝手を多く阻害している。キーボードを使って文字入力をしているときに、「ー」と「=」を入力するたびにFnキーとの組み合わせを意識しなければならない操作は、文章入力作業の流れというPCを使う上で基本となる思考作業を中断させる。これを乗り越えて“流れるような”キー入力に慣れるまで相当の時間が必要になると思われた。

 今回の評価作業は正味2日間という短い時間であり、そのうち文字入力に費やした時間はごく限られているけれど、「ー」(長音)ひとつのために、文字入力で多大なストレスを感じてしまったのは否定できない。「UMPCはデータブラウズが主な用途だから、キー入力をそんなに重視することはない」という意見もあるかもしれないが、それならば、スレートタイプのPCであれば十分であって、せっかくのクラムシェルと14ミリというある意味無理して確保したキーピッチはいらない。「机においてキーボードで無理なく入力できる」と富士通のスタッフが説明したコンセプトや「キー入力をきちんとできるようにしなければ、PCとしてのメリットが生きません」という思想も無駄になってしまうのではないだろうか。

身長172センチの成人男子の指とLOOX Uのキーボードを比較する。この画像を見て「キツそう」と思うユーザーは多いと思うが、危惧するほどキータッチが無理というわけではない
LOOX Uには、暗いところでキー入力に支障がないようにキーボード上部に白色LEDが内蔵されている。専用ボタンが用意されていて点灯もすばやくできる。白色LEDは思った以上に明るいので、暗いことを求められるシチュエーションでは状況に応じて使用を控えたほうがいい

UMPCでも妥協しないLOOX Uのインタフェース

 先に掲載されたインタビュー内部構造リポートにもあるように、LOOX Uでは熱が1カ所に集まらないように内部のレイアウトがデザインされている。LOOX Uを両手でつかんでいるとき、その熱が筐体の各部へ分散しているのが分かるが、それでも排気用のファンが組み込まれているスリット付近がもっとも熱を感じる。3DMark05を標準設定で3回繰り返し動かした直後に温度を測定したところ、室温が摂氏27度の状態でスリット周辺の底面が摂氏46.2度、キーボードの「J」「K」キー間で摂氏38.4度となった。排気スリットは両手で持った体勢において握った右手の人差し指付け根が接触する場所でもある。その部分における摂氏46.2度はなかなか耐えがたいものがあった。

 PC USERで以前掲載した山田祥平氏の取材記事でも触れているように、「モバイルでも機能の妥協しない」というのが富士通のノートPC設計におけるポリシーである。LOOX Uもその思想に則ってデザインされており、筐体に用意されたインタフェースはSDメモリーカードスロットにCFカードスロット、USBと現状のノートPC周辺機器事情を考えると十分なものが搭載されている。標準で付属する「豚の尻尾」ポートリプリケータには有線LANとVGAが用意されている。コネクタがキーボードから手前に向かってついているため、使いやすいとはいえないが、プレゼンテーションのときにプロジェクタに接続するような一時的な使用なら問題ないだろう。

前面にはポートリプリケータの専用コネクタが用意されている

左側面には無線LANオンオフスイッチ、SDメモリーカードスロット、音量調整/ミュート設定ジョグダイヤル、マイク、ヘッドフォン端子が、右側面にはCFカードスロット、電源スイッチ、USB 2.0(×1)が用意される。電源スイッチとUSBコネクタのカバー、無線LANスイッチの形状が筐体デザインにあわせてあるのに注意

 それよりも、最小構成では無線LANモジュールが組み込まれないのに注意したい。“豚の尻尾”ポートリプリケータには有線LANインタフェースが用意されているが、その場所のせいで使い勝手があまりよろしくないのと、UMPCなら「場所を選ばずネットワークにアクセス」できるために無線LANモジュールは組み込んでおきたい(この場合、購入価格は+5000円になる。なお、こちらの分解記事にもあるように、LOOX Uのmini PCIスロットは底面パネルを外すとすぐにアクセスできるので、無線モジュールをパーツショップで購入して組み込むことも可能に思えるが、それらのモジュールがLOOX Uで使えるか検証を行っていないため、ここではとくに言及しない)。

標準で付属するポートリプリケータにはVGAと有線LANのインタフェースが用意される。この場所に接続するため、使い勝手はあまりよろしくない
裏面のパネルを外すとmini PCIスロットとHDDにアクセスできる。mini PCIは2つ用意されているが、最小構成ではここに見える無線LANモジュールも付属しない

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