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» 2007年07月17日 19時20分 公開

ぼくらは「USB-RGB」を誤解していたかもしれない(4/4 ページ)

[瓜生聖,ITmedia]
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Windows Vista用ドライバ最速レビュー(ただしβ版)

 今回のレビューでは現在開発中のWindows Vista用ドライバも試すことができた。もっとも現時点(β版)ではいろいろと制限があり、即メインで使用するというわけにはいかないようだ。アイ・オー・データ機器から報告されている制限は以下のとおり。

1、動画再生に対応していない

2、Windows Aero機能が使用できない

3、Direct3D、DirectDraw、OpenGLなどのAPIに対応していない

4、Media Centerモードでは動作しない

 実際に試してみた結果、上で挙げた制限事項は、まったくだめというわけではなく、対応が完全ではないというレベルのようだ。Windows Aeroに関してはUSB-RGBを有効にしたとたんに画面の配色がWindows Vistaベーシックに切り替わるが、そのほか項目は使い方によっては正常に利用できた。ちなみに、基本的にはフルスクリーンよりもウィンドウ表示、移動モードよりもミラーモードで利用できる確率が高い。

 Windows Vistaでの動画再生では、Windows Media Player 11とDivXプレーヤーを試してみた。Windows Media Player 11で動画ファイルを再生した場合、ミラーモードではウィンドウ/フルスクリーンともに正常に表示された。移動モードの場合はUSB-RGB側で表示させると動画が停止してしまうが、PC本体出力側とUSB-RGB側の両方でまたがるようにしてウィンドウを表示するとまったく違和感なく再生できる(PC本体出力側にはほんの少し、1ピクセル列分でも動画部分が表示されていればよい)。その際のCPU負荷も比較的軽く、かなり軽快だった(ただし、テスト機に使用したのが、Core 2 Duo E6600+メモリ2Gバイトの比較的スペックの高いマシンだったことを考慮する必要はある)。

 一方、DivXプレーヤーでdivxファイルを再生した場合は、動画自体は表示されるものの、ちらちらとブラックアウトしてしまった。そもそもDivXプレーヤーはWindows Vistaに正式対応していないので、USB-RGB側で表示させたいときはWindows Media Playerを使用するといいだろう。

USB-RGBが有効になると同時にAeroが解除(画面=左)。移動モードで動画が両方のディスプレイにまたがっている場合は正常に表示される(写真=中央)。ミラーモードではフルスクリーン、ウィンドウ表示ともにWindows Media Playerが正常に表示できた(写真=右)

 DirectXに関してはミラーの場合はウィンドウ表示であれば動作するが、フルスクリーンでは表示されない。移動モードでは、動画再生と同様に、画面の一部でもPC本体出力側で表示されていれば問題なく動作する。

 Media Centerはミラーモードでウィンドウ表示であれば正常に表示されたが、フルスクリーンではUSB-RGB側のディスプレイに出力されない。そのほか、Media Centerの動作が不安定になる場合も何度かあった。

DivXプレイヤーは移動モードではちらちらとブラックアウト、ミラーモードでは表示されない(写真=左)。ミラーモードでDirectXを表示する場合、ウインドウ表示であればOK。フルスクリーンは不可(写真=中央/右)

 アイ・オー・データ機器が発表を予定しているWindows Vista用ドライバは、現在β版ということもあってまだ満足のいく完成度とは言えないが、現状でもそこまで致命的な制限があるわけではない。これはちょっと明るいニュースだ。また、DisplayLink自身は、DL-120によるAero対応を発表しており、近い将来にWindows Vista完全対応が実現する可能性もある。PC自身のスペックで性能が向上し、ワイド画面にも対応したUSB-RGBは特にVista環境のPCと相性がいい。今後のVista用ドライバの完成度向上に期待したい。

将来的にも有望な「USB-RGB」

 USB 2.0をPCIやAGP、PCIeの代わりとして利用する方法は、グラフィックスコントローラやドライバなどの既存の資産を流用しやすいというメリットがある。しかしその半面、パフォーマンスに関しては(原理的に)頭打ちになってしまう。その一方、USB 2.0を動画データの転送用帯域として見れば、DVD-Videoの10.08Mbps、HD DVDの26Mbps、Blu-ray Discの40Mbpsと比較しても480Mbpsは十分に広い。

 また、圧縮ソフトウェア+伸張ハードウェアという組み合わせは、今後の柔軟な展開をも期待させる。例えば、長いUSBケーブルの先にハブを接続し、そこにキーボード、マウス、USB-RGBを接続すればそれだけでシンクライアントになりうる。ほかにも、PC本体とのインタフェース部分をワイヤレスUSBにする、イーサネットにする、といったバリエーションも考えられる。実際、DisplayLinkのWebサイトでは、Potential Applicationsとしてワイヤレスモニタ、ワイヤレスプロジェクタなどが紹介されている。

 USB-RGBは、先行製品の「パフォーマンスを犠牲にしたハードウェアエミュレーション」とはまったく逆方向、つまり、ソフトウェアをハードウェア化することによってパフォーマンスを引き上げるアプローチで製品化されている。ワイド表示に対応し、動画再生に対応し、Windows Vistaへの対応も秒読み段階。さらにPCの性能が上がればUSB-RGBの性能も上がるということもあり、今後の可能性を大いに秘めた製品と言えるだろう。

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