先ほども述べたように、XPS 720 H2CのCPUは、FSB1066MHz対応の、今となっては“旧タイプ”のみが選べるようになっている。しかし、そこはXPS 720 H2Cであるからして、これまでと同じようにオーバークロックが行える設定メニューが用意されている。
XPS 710 H2CにCore 2 Extreme QX6700を組み込んだとき、BIOSのオーバークロック設定画面には「2.66GHz」「2.93GHz」「3.20GHz」という選択肢がトップの分かりやすい場所に表示されていた。いずれもFSBは1066MHz、バスクロック266MHzであるが、クロック倍率をそれぞれ、「10倍」「11倍」「12倍」と変更することで、オーバークロックを実現している。
ところが、である。XPS 720 H2CのBIOSにある「Performance」設定メニューの画面はXPS 710 H2Cから大きく変更された。とはいえ、動作クロックを設定する「Advanced」で表示されるデータの項目が増えたものの、ユーザーが設定できるのは依然としてCPUのクロックだけなので、操作そのものはXPS 710 H2Cと同じである。ただ、従来3種類しか用意されていなかったプリセットクロック(正確には設定できるクロック倍率の種類)が増えているので、動作クロックの選択は慎重にしなければならない。Core 2 Extreme QX6700の例でいうと、定格の「10倍」から始まって、最高「15倍」の動作クロック4.00GHzまで設定できるようになっている。
このBIOS設定メニューの変化は、搭載するマザーボードのチップセットが「nForce 680i SLI」であることも影響している。nForce 680i SLIのユニークなアクセラレーション機能として知られている「SLI-Memory」にもXPS 720 H2Cは対応しており、BIOSには「EPP/SLI」という項目が設けられ、通常動作の「Standard」と「EPP/SLI」が選べるようになっている。

XPS 720 H2Cでは、クロック倍率を変更してオーバークロックを設定している(写真=左)。日本でもようやく登場したCore 2 Extreme QX6700のオーバークロックバージョンはこの倍率を定格の10倍から11倍に変更している。XPS 710 H2Cで3種類しか用意されていなかったクロック設定はXPS 720 H2Cで数が増やされ、最高で15倍設定が可能になっている(写真=右)Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.