第3回 LOOX UとSH6をメディアプレーヤーとして活用する:真夏のUMPC徹底攻略(1/3 ページ)

» 2007年08月16日 11時00分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
左からFMV-BIBLO LOOX U50WNとKOHJINSHA SH6WP10A

 富士通の「FMV-BIBLO LOOX U50WN」(以下、U50WN)と工人舎の「KOHJINSHA SH6WP10A」(以下、SH6WP10A)は、UMPC向けの新プラットフォーム「Intel Ultra Mobile Platform 2007」を採用することで、携帯性、性能、価格をバランスよくまとめた超小型ノートPCだ。いずれもモバイルPCに関心の高いユーザーから熱い視線を集めている。

 これら2製品を検証する本特集では、第1回でベンチマークテストプログラムを実施、第2回でさまざまな面から使い勝手を比較した。そして最終回となる第3回では、U50WNとSH6WP10Aをポータブルメディアプレーヤーとして活用した場合の実用性をチェックする。実際、今回取り上げている2台のPCでは、メディアプレーヤーとしての能力に期待する人も多いだろう。


PCに保存した動画をどこまで再生できるのか?

 昨今はPSPやiPod、果ては携帯電話でも実用に耐えるクオリティの動画再生が可能だが、これらは基本的に対応フォーマットへの変換作業がともなう。対して、U50WNやSH6WP10AはWindows搭載PCなので、基本的に動画ファイルの変換作業は必要なく、ほかのPCに保存された動画ファイルを無線LAN経由で再生するような活用も可能だ。本体サイズこそ大きめだが、ポータブルメディアプレーヤーとしての魅力は大きい。

 ただし、CPUの動作クロックに200MHzの差があり、プリインストールOSが異なるU50WNとSH6WP10Aで、動画再生能力にどれくらい差が出るのかは気になるところだ。ここでは、MPEG-2、DivX、WMVコーデックでエンコードされた動画ファイルを準備して、正常に再生できるかどうかを検証した。同時に、CPU使用率も比較してみた。

 MPEG-2ファイルは、ビットレートがSPモードに相当する4Mbpsと、XPモードに相当する9Mbpsの2種類を用意。解像度はいずれも720×480ドット/30fpsだ。DivXとWMVは平均ビットレートが1.5Mbps程度で、解像度が640×480ドット/30fpsの動画ファイルを準備した。これらを両製品の内蔵HDDにコピーして、Windows Media Playerで再生している。

 動画ファイルの再生にあたり、両製品にはDivX純正コーデックをインストールした。また、U50WNはMPEG-2コーデック(正確にはDVD再生ソフト)がプリインストールされていないため、オプションの外付け光学ドライブに付属するWinDVDをインストールした。SH6WP10AにプリインストールされているDVD再生ソフトもWinDVDだ。なお、Windows Vista搭載のSH6WP10Aに関しては、Windows Aeroが有効な状態では著しく動画再生能力が低下したため、これを無効にして検証した。

両製品ともMPEG-2、DivX、WMVのSD映像を十分再生可能

 まずはMPEG2-だが、4Mbps、9Mbpsともに両製品で問題なく再生が可能だった。よりCPU使用率の高い9Mbpsの動画ファイルでも、CPU使用率は75%程度でまだまだ余裕がある。これなら、PCで録画したSD画質の動画ファイルの再生も難なくこなせるだろう。

 細かく見てみると、U50WNは4Mbpsでの変動が少し大きめだが、これはバックグランドタスクの影響と思われる。SH6WP10Aと比較すると、何もしていない状態でもCPU使用率の変動が大きかった。SH6WP10Aは、U50WNに対してCPUの動作クロックが200MHz低い影響はあまり感じられず、より高負荷な9Mbpsの動画ファイルでも再生にはまったく問題のないレベルだ。

U50WNでMPEG-2ファイルを再生した場合のCPU使用率(写真=左)。SH6WP10AでMPEG-2ファイルを再生した場合のCPU使用率(写真=右)。いずれも、左のグラフが4Mbps、右のグラフが9Mbpsだ

 次はDivXとWMVの動画ファイル再生だ。いずれも平均ビットレートは1.5Mbpsを超えており、これらのコーデックによるSD画質の動画ファイルとしてはビットレートが高くなるように、クオリティ優先(エンコード時間が長くなり、再生時のCPU使用率が高くなる)でエンコードしている。

 CPU使用率はDivXのほうが高く、SH6WP10Aでは瞬間的ながら100%に達する状況も見られた。DivXに関しては、CPUの動作クロックの差が出た印象だ。ただし、平均としてはU50WNが80%程度、SH6WP10Aが90%に達するかどうかという程度で、コマ落ちが目に付くことはなく、再生に大きな問題は感じなかった。WMVでは、SH6WP10AのほうがCPU使用率がわずかに低くなるという逆転現象も見られたが、いずれも50〜60%程度にとどまり、余裕で再生できた。

U50WNでDivXとWMVの動画ファイルを再生した場合のCPU使用率(写真=左)。SH6WP10AでDivXとWMVの動画ファイルを再生した場合のCPU使用率(写真=右)。いずれも、左のグラフがDivX、右のグラフがWMVだ

U50WNでWMVファイルを再生した際の統計情報(写真=左)。SH6WP10AでWMVファイルを再生した際の統計情報(写真=右)。どちらもスキップされたフレームがなく、全フレームがしっかり再生されている

 ちなみに今回は、CPU使用率を監視するために等倍でのウインドウ再生としているが、U50WN、SH6WP10Aともにフルスクリーン再生時のほうがデスクトップの余分なレンダリングが不要なためか、CPU使用率が5〜10%程度低い傾向にあった。そのため、フルスクリーン表示ではコマ落ちするのではないか、という疑問は持たなくても平気だろう。2モデルともにPCならではの「ユニバーサル」なポータブルメディアプレーヤーとして十分に活用できそうだ。

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