ターニングポイントに立った電気街5分で分かった気になる、8月のアキバ事情(1/2 ページ)

» 2007年09月04日 08時00分 公開
[古田雄介,ITmedia]

ザ・コンが去り、PCパーツショップの期待を集めるソフマップタウン

LAOXザ・コンピュータ館閉店を世に知らせるきっかけとなった「めいどinじゃぱん」の告知

 8月3日、古くからアキバ電気街のランドマークとして親しまれてきたLAOXザ・コンピュータ館の閉店が正式に発表された。閉店は9月30日を予定しており、地下に店舗を構えるメイド喫茶「めいどinじゃぱん」なども同ビルからの撤退を余儀なくされる。

 周囲にはザ・コン閉店の衝撃が走ったが、ある程度の予想ができていたショップが多く、「在庫管理や店内レイアウトなど、色々と参考にさせていただいた。寂しい限りです」など、残念に思いながらも、少し距離をとった位置からのコメントが多数を占めている。

 ほかのショップが冷静であるのは、すでにLAOXザ・コンピュータ館に依存しない集客を実現している現実があるためだ。また、入れ替わるように始動するソフマップタウンの存在も大きい。

 ソフマップタウンは、ヤマギワ本館跡地に9月6日からオープンする「ソフマップ秋葉原本館」を軸に、既存の周辺系列店14店舗で構成する、秋葉原地区の新しいソフマップの店舗展開の総称だ。

 あるPCパーツショップは「ランドマークには、集まった人が周辺も回遊する波及効果を期待したい。その点で、ソフマップタウンは電気街の各所にある店舗を利用するので、文句ないですね」と、大型店舗の再編案を支持していた。

 街が実際に変化するのは今月以降となるが、電気街全体はLAOXザ・コンピュータ館閉店による落ち込みより、ソフマップタウンへの期待感に満ちているようだ。

まもなく店を閉じるLAOXザ・コンピュータ館(写真=左)。オープン間近のソフマップ秋葉原本館(写真=中央)。8月第2週から、本館前にはソフマップカード入会申込カウンターが設置されていた(写真=右)

Monster XにBD/HD DVDコンボドライブと、HD映像関連パーツが人気に

LG電子「GGC-H20N」。在庫は少数だが、同じ価格帯でまもなく他社製品も登場する予定だ

 単体の地デジチューナーカードが出回らないこともあって、メーカー製PCでHD映像の録画が当然となった現在でも、自作PC市場ではAV用途のパーツが注目を集めることは少なかった。しかし、今年8月になってようやく、Blu-ray DiscやHD DVDといった次世代DVD関連製品が人気を集め出している。

 その象徴的な製品は、8月25日から出回っているLG電子の光学ドライブ「GGC-H20N」だ。BD/HD DVDの各メディアが読み出せるうえ、DVD/CDメディアの書き込みに対応するマルチドライブで、価格は4万円弱に抑えられている。

 コンテンツ製作会社が、BDとHD DVDのどちらの陣営に着くか注目されているが、ある店員さんは「将来予測せずに安心して長く使えるのだから、そりゃ売れますよ。BDとHD DVDのコンボドライブは、技術というより政治的にリリースできていなかったので、GGC-H20Nをきっかけにこれからガンガン増えると思います」と語っていた。

 また、7月末に登場した、HD映像をD4端子経由で表示する「Monster X」は、発売後数日で売り切れたが、8月になって2度の再入荷があり、現在は比較的入手しやすい状況が続いている。保証外のある手順を踏むことでビデオキャプチャが可能になるという「グレーゾーンな使い方で人気」(某ショップ)の製品だが、当初心配された発売中止の憂きめには今のところさらされていない。「次世代DVDの人気に拍車をかける製品であることは間違いないでしょう」と、強気に話すショップもあった。

 これらHD映像を楽しむアイテムが登場するのと併行して、HD映像の出力処理がほぼ単体でこなせる機能を搭載したRADEON HD 2400/2600カードの人気も高まっている。「AVに関してはGeForceよりもRADEON HDのほうが上。最近はゲームをやらないユーザーも3万円以上のグラフィックスカードを買っていきます。そろそろHD映像ブームが来たという感じでしょうかね」と、最近の動向を象徴するコメントも複数のショップで聞かれた。

現在も売れ続けているMonster X。徐々に価格が下がり、3万円を切るショップも出てきた(写真=左)。HD映像ブームを背景にヒットを続けているRADEON HD 2400/2600搭載カード(写真=中央/右)

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