インタビュー
» 2007年09月28日 12時01分 公開

他社の追従ではない――「SideWinder Mouse」担当者インタビュー25年めのマウス(2/2 ページ)

[後藤治,ITmedia]
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PCゲームの復興という流れ

――今回の新製品群で最も注目を集めているのは、ゲーマー向けの「SideWinder Mouse」だと思います。SideWinderブランドを復活させた理由、そしてその第一弾がマウスだったのはどうしてでしょう?

ロバート ヒッキー氏

キムラ氏 SideWinderという名前はかつてゲーマーに人気が高く、ゲーム向けプロダクトとして評判の高いブランドだったので、新たなゲームプロダクトには最適な名前だと考えました。

 なぜ最初の製品としてマウスを選んだのか、という点については、ゲーム用デバイスとしてユーザーがまず初めに目を向けるのがマウスだからです。そして、性能はどうか、快適か、カスタマイズはできるか、といったものを検討していくわけです。

ヒッキー氏 (復活という言葉に)少し付け加えると、それはゲームビジネスがPCをベースにしたものから専用機へと移行していた状況での判断であって、(SideWinderというブランドが)“撤退”したわけではありません。そして現在ではクロスプラットフォームによって状況が変わり、例えば「Halo」のように、PCでもXboxでも同じゲームを体験できるようになっています。

SideWinderの名を冠した「SideWinder Mouse」。7080fpsのレーザーセンサーを採用し、交換可能なおもりやソールで使用感を調整したり、3つの専用ボタンで解像度を即座に変更できる。現在の解像度を表示するLCDや、縦に配置されたサイドボタンなど目新しい部分が多い。なお、同社はRazerとの協業により、ゲーマー向けマウスとして「Hubu Laser Gaming Mouse」をリリースしているが、こちらは完全自社開発。ラインアップ上でも上位に位置付けられる

――つまりPCゲーム市場が再び盛り上がって来たのでSideWinderの第一弾をマウスで投入した、ということですか?

ヒッキー氏 その通りです。最近の傾向として“Games for Windows”に代表されるWindows用のゲームが大きく復活しています。そしてPCプラットフォームのユーザーが最初のツールとして求めるのがマウスとキーボードなのです。

――Logitechの「G」シリーズを意識した、ということは?

ヒッキー氏 我々はゲーム市場の動向に合わせて製品開発を行っており、それがコンソールであったり、クロスプラットフォームであったり、PCベースであったりするわけです。他社が行っていることに追従しているわけではない。

――ゲーマーの中には、レーザーより光学式、光学式よりボールのほうが使いやすいという声もあります。これはマウスの切り返し時に接地していなくてもカーソルが追従してしまう問題だと思いますが、開発側での認識としてはどうでしょうか。

キムラ氏 パッドの表面からどこまでマウスを持ち上げれば(カーソルが)動かなくなるかは、チューニング次第で決定できる問題です。そして、SideWinder Mouseでは最適だと思われるチューニングをしています。

――例えばそういった声を反映して、リポートレートなどの面で非常に高い性能を持ち、dpiの切り替えボタンを搭載し、プロファイルを本体に記憶できるような有線式ボールマウスを出す、ということはあり得ますか?

キムラ氏 そういう製品を開発できない理由は、ありません。ただ、いま最も求められているのはやはりレーザーマウスなので(苦笑)。

――それと、ゲーマーの間では、マウスを使ううちにクリックボタンが“へたって”しまい、新品を手に入れようと思っても、手に馴染んだマウスはすでに販売を終了している、「手に入らない」という声をよく聞きます。ゲーマーとメーカーの間にある、“慣れ”と“耐久性”の乖離は切実な問題だと思いますが。

キムラ氏 いい指摘ですね。実際に弊社が独自に行った調査結果でも、ゲーマーのクリック数は、通常のマウス利用者に比べて非常に高い数字であることが分かっています。正確な数字は出せませんが、とてもとても、多い。このため、今回リリースするSideWinder Mouseでは、クリックボタンの耐久性を非常に高く設定しました。ゲームユーザーが長く使い込んで満足できる製品になっていると思います。

――もう1つ。今後SideWinderブランドは、ゲームパッドなどの別分野でも展開する予定ですか? そして、その時にフォースフィードバックの採用は?

キムラ氏 これがSideWinderとして最初の製品になりますが、いろいろな違ったカテゴリでもリリースしていく予定です。現時点で具体的に発表できることはありませんが、是非注目していてください。また、一部の製品に採用していたフォースフィードバックは、ユーザー調査でも人気のあるフィーチャーの1つに挙げられるので、そのほかのフィーチャーと同様に検討していきたいと考えています。

――最後に、25年の過去の歴史を振り返って、そこから浮かび上がる未来の入力インタフェース像をどのようにイメージしているかお聞かせください。

キムラ氏 そうですね……人間にとって自然なインタフェースになると思います。例えば、音声やジェスチャーなどを使うものでしょうか。ソフトウェアもハードウェアも複雑化しているので、ユーザーインタフェース自体はできるだけシンプルなものが求められると思います。活用できるテクノロジーは非常に多くありますが、我々の最も大きな挑戦は、その数多い選択肢をどうやって適切に選び取っていくかだと考えています。

ヒッキー氏 (現時点で)想像するのは困難な形態のデバイスになるでしょうね。いまでこそ一般的に使われているワイヤレスマウスですが、たった5年前には存在していませんし、それこそ初期のマウスからは誰も考えつかなかったはずですから。

――ありがとうございました。

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